静岡新聞夕刊に「窓辺」というコラム欄がある。静岡県の著名人が各曜日ごとに3ヶ月、思い思いのエッセーを書いている。
今夜は、英語は中学校からしっかり学べば十分、大半の日本人には日本語で意思疎通できる能力こそはるかに重要という話だった。
この主張は私の狭い経験からも共感できる。ずっと英語圏の国で暮らすなら別だろうが、英語を理解するにはまず日本語が分かってないとどうにもならない。
もうひとつ。30年前に初めて大学で教えたときには、少なくともウチの昼間部の学生の答案は(間違った答えはあっても)、お前、何を言いたいの!?というものは稀だった。それが、年を追うにつれて、正誤以前に何を言いたいか、要するに日本語になっていない答案が増えてくる。もちろん、そういう学生もきっと他に良いところがあるから入学試験を突破できたのだろうが、日本語大丈夫!?という学生は増えつつあるように感ずる。
何より、まず日本語というこのエッセーを書いている勝又美智雄さんは、かの英語オンリー教育で有名な国際教養大学の教員だった人。その方が、英語の前に日本語と仰るのは、とても説得力がある。
何でもそうだろうが、そのことを言っているのが誰かは要注意である。1年近く前に話題になった「老後に2,000万円必要」とか「日本の年金は破綻する」とかは、もしかしたら真理のかけらくらいあるかもしれないが、こういう情報が広まると得をする人がいるからあれだけヒートアップする。この2つに比べたら、日本の国家財政はもっともっとやばい(もちろん「悪い」の意味です)けど、そんなに盛り上がらない。
だから、この業界の人なのに、この手の話に冷静な荻原博子さんは、私は信用できる人だと思う。
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