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「矛盾する先生に従う気がしない」高校生の悩みに前川喜平の回答は? 1/2

2018-12-16 11:55:40 | 言いたいことは何だ
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 文部科学省で事務次官を務めた前川喜平氏が、読者からの質問に答える連載「“針路”相談室」。今回は矛盾する先生に疑問をもつ高校生からの相談です。

*  *  *
Q:僕の学校は校則が厳しく、学校帰りの買い食いもダメです。先生に理由を尋ねると、「お行儀が悪いから」。休みの日ならいいけど、制服を着ているときはダメなんだそうです。

 先生は放課後、生徒が買い食いなど行儀の悪いことをしていないか、町をパトロールしています。めちゃくちゃ暇だと思います。しかもこの前、先生がベンチに座ってハンバーガーを食べているのを目撃。これって矛盾していますよね?

 先生も人間だとはわかっていますが、そんな先生から「勉強しろ」だの「将来を考えろ」だの言われても、説得力がなくて、耳を傾ける気になれません。「先生の言うことだから」従わないといけないのもおかしいと思う。僕が間違っているのでしょうか。(神奈川県・17歳・男子高校生)

A:その「おかしい」という感覚は正しい。買い食い禁止なんて、意味がわからない校則ですよね。でも校則に導入している学校は多い。理由は、「行儀が悪い」という苦情が近隣の大人から寄せられる可能性を考えての、いわば先回りの苦情対策でしょう。生徒のためを考えてのルールじゃない。

 大人はそうやって、大人が勝手に決めた行動様式に子どもたちをはめ込もうとします。そして少しでもそこから逸脱したらダメだと言う。不登校の子がゼロという大阪市立大空小学校には、「たった一つの約束」しかありません。「自分がされていやなことは人にしない、言わない」。これだけです。僕はこれに大賛成。世の中のルールは、これさえあれば良いと本気で思います。

 僕も高校時代は、毎日買い食いしてましたよ。成長期だし、ラグビー部に入っていたこともあって、本当におなかが減る。だから毎日、メンチカツパンを学校帰りに食べるのがお決まりでした。僕の学校は買い食い禁止の校則がなかったおかげで、そのパン屋さんはかなり潤ったと思う。そういう学校と地域との関係性はすごく大事だし、生徒を温かく見守ってくれる大人は多いほうがいい。そういう意味でも、買い食いは、認めるべきだと思います。 解決策は、二つ。一つは、表面上は先生に従い、買い食いは先生の見ていないところでする。先生も自分の中で矛盾を抱えていて、それがバレないように隠しているんだと思いますよ。だから「先生も大変だな、ある意味かわいそうだな」と、従うふりをしてあげる。下手なトラブルを避ける“面従腹背コース”とも言えます。

 もう一つは、おかしいと思うことを、おかしいとはっきり言うこと。でもそれを一人だけで言っても、何も変えられないでしょう。だから同じように思っている複数の生徒らで団結して、校則の見直しを学校に訴えたらどうでしょう。生徒には、国連の「子どもの権利条約」に基づく意見表明権があります。生徒会やホームルームなど公の場で議論することで、学校の中の“世論”を作り、あくまで生徒の代表意見として学校に働きかける。これはやってみる価値があると思いますよ。

 現政権の意向による道徳教育にも見られるように、学校では生徒を型にはめるルールがあまりに多い。だからこそ、違和感があるという自覚が、非常に大切です。「世の中とはこういうものだ」などと納得してしまってはいけない。「おかしいんじゃないか」という感覚は、生涯持ち続けてほしいのです。

週刊朝日  2018年9月28日号



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