辞任1号か山本環境相「補助金で私腹肥やす」報道の過去
2016年08月09日 日刊ゲンダイ
内閣改造で誕生した新閣僚のうち「辞任第1号か?」と囁かれているのが山本公一環境相(68)だ。自身の資金管理団体が2012~13年に、計31万円分の真珠製品を購入したことが発覚。山本大臣は事実を認め、「まったく不適切」と反省の弁を述べたが、疑惑のネタは尽きない。過去には国の補助金で私腹を肥やしている疑いを報じられた。
山本大臣は離島が多い宇和島市などがある愛媛4区の選出だ。平安時代は海賊の根城だった。
山本家は戦前から「盛運汽船」というフェリー会社を経営。山本大臣は創業者の2代目で、92年まで社長を務めていた。豊後水道に浮かぶ人口450人ほどの日振島と宇和島を結ぶ唯一の定期便を走らせているが、赤字航路のため国と自治体から毎年、離島航路を維持する目的の補助金を受け取っている。
しかし地元のオンブズマングループは同社の経営実態を疑問視。12年から全国の弁護士8人の協力を得て、再三にわたって補助金の一部返還を求める住民訴訟を起こしてきた。
同グループの奥島直道弁護士が説明する。
「たとえば役員報酬です。同社の社長は山本大臣の妻・照子氏で、長男の太一氏が取締役という同族企業。補助金を受けているにもかかわらず、かつて役員全体で約1900万円の報酬を得ていたのです。そのことが12年7月に朝日新聞の1面で報じられると、翌月から役員報酬は主に照子氏の870万円だけになり、太一氏らは大半を給料でもらう仕組みに変更した。何やら姑息な印象を受けます。赤字の補助金受給会社で、このような高額の役員報酬をもらっている会社はありません」
■返還請求は却下
ただ、これまで請求は退けられてきた。補助金1億1000万円の返還を求めた訴えは、13年10月に松山地裁で却下されている。ちなみに同社に投入された補助金は13年が1億8000万円。14年と15年はそれぞれ2億6000万円に上る。
現在、盛運汽船の従業員は22人。13人が船員で9人が事務員だ。
「ほかの離島航路の会社に比べて人数が多すぎます。法定の乗船船員数は3人なのに5人を乗せている。また宇和島から日振島に行く途中、三浦半島に寄港している。三浦まではバスがあるから無駄なのです。こうしたことは11年に国土交通省が離島航路会社の経営改善を求めるために設置した協議会で指示したのに、何も変わっていません。補助金の額も他社に比べて多すぎます」(奥島直道弁護士)
地元では「一連の問題から山本さんは大臣になれないといわれていた。今回の抜擢にはビックリ」との声も上がっているそうだ。
「地元では大きな話題になっていましたが、山本氏が有名でないため東京のマスコミが扱わず、これまですり抜けてきたのです。しかし大臣になったからにはそうはいかない。蒸し返される可能性が出てきました」(政治評論家の有馬晴海氏)
山本大臣以外の新閣僚にも疑惑の火種がくすぶっている。“身体検査”もいい加減だったのだろう。スキャンダルが発覚しても、世論は甘いと思い込んでいるなら、安倍首相は国民をナメている。9月の臨時国会は火だるま必至だ。
2016年08月09日 日刊ゲンダイ
内閣改造で誕生した新閣僚のうち「辞任第1号か?」と囁かれているのが山本公一環境相(68)だ。自身の資金管理団体が2012~13年に、計31万円分の真珠製品を購入したことが発覚。山本大臣は事実を認め、「まったく不適切」と反省の弁を述べたが、疑惑のネタは尽きない。過去には国の補助金で私腹を肥やしている疑いを報じられた。
山本大臣は離島が多い宇和島市などがある愛媛4区の選出だ。平安時代は海賊の根城だった。
山本家は戦前から「盛運汽船」というフェリー会社を経営。山本大臣は創業者の2代目で、92年まで社長を務めていた。豊後水道に浮かぶ人口450人ほどの日振島と宇和島を結ぶ唯一の定期便を走らせているが、赤字航路のため国と自治体から毎年、離島航路を維持する目的の補助金を受け取っている。
しかし地元のオンブズマングループは同社の経営実態を疑問視。12年から全国の弁護士8人の協力を得て、再三にわたって補助金の一部返還を求める住民訴訟を起こしてきた。
同グループの奥島直道弁護士が説明する。
「たとえば役員報酬です。同社の社長は山本大臣の妻・照子氏で、長男の太一氏が取締役という同族企業。補助金を受けているにもかかわらず、かつて役員全体で約1900万円の報酬を得ていたのです。そのことが12年7月に朝日新聞の1面で報じられると、翌月から役員報酬は主に照子氏の870万円だけになり、太一氏らは大半を給料でもらう仕組みに変更した。何やら姑息な印象を受けます。赤字の補助金受給会社で、このような高額の役員報酬をもらっている会社はありません」
■返還請求は却下
ただ、これまで請求は退けられてきた。補助金1億1000万円の返還を求めた訴えは、13年10月に松山地裁で却下されている。ちなみに同社に投入された補助金は13年が1億8000万円。14年と15年はそれぞれ2億6000万円に上る。
現在、盛運汽船の従業員は22人。13人が船員で9人が事務員だ。
「ほかの離島航路の会社に比べて人数が多すぎます。法定の乗船船員数は3人なのに5人を乗せている。また宇和島から日振島に行く途中、三浦半島に寄港している。三浦まではバスがあるから無駄なのです。こうしたことは11年に国土交通省が離島航路会社の経営改善を求めるために設置した協議会で指示したのに、何も変わっていません。補助金の額も他社に比べて多すぎます」(奥島直道弁護士)
地元では「一連の問題から山本さんは大臣になれないといわれていた。今回の抜擢にはビックリ」との声も上がっているそうだ。
「地元では大きな話題になっていましたが、山本氏が有名でないため東京のマスコミが扱わず、これまですり抜けてきたのです。しかし大臣になったからにはそうはいかない。蒸し返される可能性が出てきました」(政治評論家の有馬晴海氏)
山本大臣以外の新閣僚にも疑惑の火種がくすぶっている。“身体検査”もいい加減だったのだろう。スキャンダルが発覚しても、世論は甘いと思い込んでいるなら、安倍首相は国民をナメている。9月の臨時国会は火だるま必至だ。
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