WATCH (サミット人権監視弁護士ネットワーク / Watch Human Rights on Summit)

WATCHは2008年洞爺湖サミット警備による人権侵害に対処するため、弁護士を中心に結成されたグループです。

サミット警護に関する独日間の情報交換

2008-04-22 16:35:43 | ニュース / News
ドイツの連邦刑事庁(BKA)と日本の警察庁の代表者がサミットの警備体制等に関す
る情報交換をしていることが報じられているが、
そのような動きについて「左翼党」("Die Linke")がドイツ連邦議会において提出
した質問に対し、連邦政府は4月16日に回答した。(以下要約)

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(ドイツ代表者の訪日について)

連邦刑事庁長官(2007年8月12日から15日まで)、
連邦内務省代表団(2007年9月3,4日)
が日本を訪れ、2008年サミットにおける安全措置について議論した。

連邦軍関係者に関しては、2007年サミット終了以来、2008年サミットに関連する訪日は無かった。


(ドイツ側からサミットやデモ参加者への対処に関するアドバイスはあったか)

連邦刑事庁長官が日本を訪問した際、特に具体的なアドバイスは与えなかった。G8
サミットに関しては、現段階では、いわゆる「ブラック・ブロック」やその他のグループが日本のサミットを脅かすような情報は無いことを説明した。


(ドイツで行われた集会禁止措置、逮捕者の檻への収容、連邦軍の国内出動、その他の安全措置に対して日本側が興味を示したか、そしてそれに対するドイツ側の対応)

日本はドイツの経験に興味を持っている。連邦政府は当該情報を日本の要求がある度にできるかぎり提供していく。


(グロバリゼーションに批判的な運動の動向に関する情報を提供したか)

個人情報保護法の範囲内で、日本のサミットの危機状況を評価するために必要な全ての情報を提供することを約束した。


(別の機会で情報提供の約束をしたか)

2007年9月にベルリンで警察庁の代表者3人、日本大使館関係者1人および連邦刑事庁の2人との間で会合が開かれ、ドイツ側が2008年サミットの準備と実行における援助を約束した。連邦刑事庁法が許す範囲で安全情報を提供することも援助の一部である。


(グロバリゼーションに批判的なグループ、メディア、個人に関する情報を提供したか、どの情報を誰に提供したか)

警察庁が提出した質問表に回答するため、連邦刑事庁はグロバリゼーションに批判的な組織に関する情報を提供したが、その際、過激と見られるグループや組織とそうでないものと、はっきりと区別した。同時に、ドイツ法に基づき個人情報を日本に提供するためには、重大な犯罪が犯される兆候が実際に存在し、戦闘的な反グロバリゼーション活動家が日本で暴力的な抗議行動に参加することを裏付ける明らかな情報が必要であることを説明した。


(日本の警察官がドイツを訪れたか、目的は何であったか)

警察庁の代表団は2007年秋に連邦刑事庁を訪問し、サミット警護における経験について情報収集した。


(ドイツからどういったデータを提供したか/するのか、またその法的根拠は)

潜在的に暴力的な「妨害者」がドイツから日本のサミットに参加し得るという情報がある場合、個人情報を日本の当局に提供する。外国の警察当局に個人情報を提供する法的根拠は連邦刑事庁法14条


(2007年のデモで逮捕された日本人1人に関する個人情報は、どのデータファイルに記録されているか)

INPOL-KAN、INPOL-"IS" 及び連邦刑事庁のデータファイル、IgaST(「国際的に活動
する暴力的な妨害者」)に記録された。


(日本の当局がその人物について知った経緯)

サミットの期間中に連邦刑事庁に設置されていた「国際連絡捜査官センター」に滞在していた日本の捜査官が当該情報を得た。


(ドイツ連邦軍の国内出動に対し日本側が興味を示したか、それに対するドイツ側の反応、サミットにおける軍隊出動を巡る連邦軍と自衛隊の情報交換)

日本大使館の国防担当大使館員は、2007年6月15日に質問状を提出し、連邦軍が2007年にハイリゲンダムで行った援助活動に関する情報を提供するよう要求した。7月9日に2ページに渡る活動報告書を日本側に渡した。
2007年9月12日と12月6日に国防担当大使館員が連邦国防省を訪れた。
12月6日には、テロが起きた際の連邦軍によるどのような措置が予定されていたか質問された。特に、航空安全当局による予防措置、連邦軍の警戒態勢、航空限定区間、軍事的・非軍事的事件が起きた場合の措置、そして連邦軍による援助活動の法的根拠などに関する情報をほしがっていた。


以上
*連邦政府の回答の詳細は5月下旬にアップロードする予定です。