ほんとのところ

　　あいつはわかっていないんだ。　なぜ私がかたくなに別れると言ったのか。
その訳を一年経った今でもきっと分かっていないだろう。

　っていうより　しばらくすりゃ何事もなかったみたいに元に戻るぐらいの
感覚だろう。　　ことはそんなに単純じゃない。

　　　もっと深い奥のほうでことは起こっているんだ。

　　ずっとずーっと昔に私が決めていたことなんだ。
　
　　あの人　否定しなかったから。　　その時から私はいらない子だった。


　　ただ繋がっていたかっただけ。　それだけなのに。

　その想いの糸をプツンと切ったのが自分だってことも気づいていない。



　　　　金でも女でもない! もちろん男でも。　私を見て欲しかっただけだよ!

　　もう帰らないよ。　　私を分かってくれる人　多分きっと見つけるから。