横浜市長 17年11月24日 定例記者会見より
記者:
今回の耐震計算偽造問題で、責任の所在はどちらにあるとお考えでしょうか。
市長:
責任の所在は、それぞれのところにかかっていると思います。まず、住人に対する責任の所在は売り主にあると思います。売り主に対する責任の所在はとなれば、それは造った側に出てきますし、さらにはそこに関わっている設計を含めたところにというふうに順番に責任というのが、当然あると思います。そのことを1つはきちんとクリアにしなければ駄目です。そうでなければ、今回の場合はマンションですけれども、お互いが、このように商品を扱って、流通させていく時に、それぞれの取引関係の中においてしっかりしたところを選ぶという責任感が出てきません。そうした意味では、まずそのことがあります。さらには、民間の検査機関等について、全体として、国土交通省の考え方なども、より明確にしていくべきだと思います。どのようなことかというと、規制緩和等については、この件に限らず、日本社会の色々な所で、ここ10年くらいの間に進めてきたことだと思います。今まで、規制を行うところに官庁が多く関わったわけです。モノの供給の段階で関わっていたわけで、規制緩和をするということは、今度はそうしたモノに対する監視に、むしろ重きが置かれるようになるわけで、民間の検査等について、しっかりとそれが行われるようにしていくことについては、より責任体制を明確に(するよう)国土交通省も今後考える必要があると思います。
指定検査確認機関が、建築確認をした場合、特定行政庁である横浜市長は確認を失効させる権限を持つことは、建築基準法でも明らか。最高裁の判決でも、自治体の事務とされている。
他人事では済みませんよ。特定行政庁たる横浜市長さん
記者:
先週、まちづくり調整局がマンションの住民に対して行った説明会の中で、住民の方から横浜市の責任もあるのではないかというような声も挙がりましたが、それについてどのようにお考えですか。
市長:
民・民の取引の中で、今、横浜市の責任がどこまで、どれだけあるかということを論じているより、少なくとも市民の安全を考えて、私たちが出来る行動を行っていこうということで、どの自治体よりも早く、住民説明会を開きました。一番最初に行動したのが横浜市です。そうした意味では、私たちは引き続き、市民の不安を取り除いていくためにやっていこう(行動していこう)と思います。横浜市が市民の安全を守っていくという責任を果たしていきたいと思っています。
特定行政庁として、きちんとチェックできていなかった、という点で、建築確認制度に対する信頼が地に落ちているのではないか。
その不安を取り除くためには、「モノが出回ってからの監視」=事後の使用禁止命令より、「供給の段階での関与」=建築確認をしっかりすることが、責任を果たす一番の方法だと思うのだが。