東京23区のごみ問題を考える

脱焼却の循環型ごみ処理システムは可能か!!
~ごみ問題のスクラップブックとして~

「溶融スラグ」はごみの約40分の1に?

2007年05月01日 22時30分48秒 | 東京23区のごみ
『可燃ごみを焼却して灰にすると、容積は約20分の1となり、灰を溶融してスラグにすると、さらにその約2分の1となります。つまり、可燃ごみからスラグにすることで、容積は約40分の1まで減らすことができます。』東京二十三区清掃一部事務組合「溶融スラグ」パンフレットより

●いつのまにか『可燃ごみ→約20分の1、灰溶融→さらに約2分の1、つまり容積で約40分の1減量』そしてスラグをもリサイクルするというふれこみが「焼却=ごみゼロ」の幻想となってしまった

●平成17年度清掃事業年報で検証してみると…
清掃工場搬入総量:2,876,400t
焼却残灰:316,725t 
つまり重量でみると約9分の1の減量
平成17年度は281,488tは埋立処分されている。

灰溶融スラグ収集量(?):53,110t
スラグ生成量:38,000t 
つまり重量では約1.4分の1の減量
スラグの有効利用は、28,000tのみ
★平成20年度以降には毎年毎年20万トン以上のスラグ生成が見込まれている。それがすべて有効利用されるなどとうてい思えない。(スラグに関しては事業概要より)

★年報ではスラグに関する詳細がほとんど公開されていないが…
重金属が濃縮された溶融飛灰は処理量の10%にも達すると聞いている。20万トン以上のスラグができるということは、膨大な溶融飛灰の処理もあるということだ。

★そもそも巨額の建設費をかけた清掃工場の乱立、そしてまた全量灰溶融の名のもとに灰溶融施設の建設…
新江東清掃工場(1,800t/24h)建設費:879億3100万円
有明清掃工場(400t/24h)建設費:416億9500万円
中防灰溶融処理施設(400t/日)建設費:183億7500万円
(中防灰溶融アセス時、総工費270億円と聞いていたが?)

★清掃工場等の中間処理に係る東京二十三区清掃一部事務組合の19年度予算は757億円。江東区の分担金は21億3200万円。(今後、プラスチック焼却や灰溶融等の本格実施でかなりの運転管理費の増額が予想される。)

★なにもかも幻想、幻覚でひた走っている23区清掃事業の流れに、どうすれば歯止めがかかるのか!

★中防灰溶融の環境アセスメント一組見解として『~全国で30カ所以上の稼働実績があり、操業上の安全性は十分確認されています。本灰溶融施設については、規模が大きい大田清掃工場で得られた知見等を踏まえ、安全性の確保に万全を期すよう努めてまいります。』とある。

●なによりも「操業上の安全性は十分確認されています」という思いこみが非常に怖い。何かあると想定外でことをすませるパターンだ!
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