東京23区のごみ問題を考える

脱焼却の循環型ごみ処理システムは可能か!!
~ごみ問題のスクラップブックとして~

平成29年度 23区の1人1日当たりのごみ排出量は955g、リサイクル率 R 16.7%、ごみ処理量は312万トン、直接焼却率は84.5%

2019年04月09日 22時00分31秒 | 東京23区のごみ


東京23区の清掃事業
23区の一般廃棄物の処理は、収集・運搬は各区で行っているが、中間処理は東京二十三区清掃一部事務組合の共同処理体制である。そして、最終処分は東京都という役割分担で少々複雑である。環境省の「一般廃棄物処理事業実態調査」でも23区に関しては、区別のデータは人口のみの掲載で、ごみの排出量や処理量は「東京23区分」としてひとくくりの集計結果となっている。基礎的自治体としての廃棄物行政も、とりまとめの数字の上でも、なんとも中途半端な現状である、、、

平成29年度 全国の一般廃棄物の排出及び処理状況等の調査結果を取りまとめ

環境省は平成31年3月26日に、平成29年度における全国の一般廃棄物(ごみ及びし尿)の排出及び処理状況等の調査結果を取りまとめました。なお、平成23年度から国庫補助による災害廃棄物の処理量、経費等を除いております。
(主な結果)
・ごみ総排出量は4,289万トン(東京ドーム約115杯分)、← 東京都442万トン(23区327万トン)
 1人1日当たりのごみ排出量は920グラム。 東京都888g/人日(23区955g/人日)
・ごみ総排出量、1人1日当たりのごみ排出量ともに減少。
・最終処分量は前年比3.0%減少。リサイクル率は横ばい。← 東京都リサイクル率R 21.9%(23区16.7%)
・ごみ焼却施設数は減少(1,120施設 → 1,103施設)。
・発電設備を有するごみ焼却施設数は全体の34.1%であり、昨年度の32.0%から増加。
・ごみ焼却施設における総発電電力量は増加(9,207 GWh、約310万世帯分の年間電力使用量に相当)。
・発電設備を有するごみ焼却施設数、ごみ焼却施設における総発電電力量ともに増加。
・最終処分場の残余容量は増加したものの、最終処分場の数は概ね減少傾向にあり、最終処分場の確保は引き続き厳しい状況。
・ごみ処理事業経費は増加。

 

従って、環境省の一般廃棄物処理事業実態調査結果には、23区別の1人1日当たりのごみ排出量やリサイクル率は計算されていない。23区でも、清掃一組でも、ごみの総排出量やごみ処理量、中間処理後の再生利用量、最終処分量等を各区別に案分できなかったということだろう。ありとあらゆる清掃行政の全てを網羅したかのような、あのエクセルデータの集計表を見るだけでも頭が混乱するのではあるが、、、


環境省の平成29年度調査結果
東京都の集計結果から23区分を抜粋(括弧内は平成28年度)
環境省のデータには、総人口も1人1日当たりの総排出量も空白だが、23区の合計人口を入力すると自動計算で数字が出てくる

 総人口 : 9,384,987 人、(9,292,776人) ←9万2千人以上増加
 ごみ総排出量 :  3,270,934トン、(3,268,940トン) 
 1人1日当たりの総排出量 : 955g/人日、(964g/人日)
 ごみ処理量: 3,122,024トン(3,111,267トン) 
   直接焼却量 : 2,636,868トン、(2,621,346トン)←直接焼却率は84.5%(84.3%)
   直接最終処分量 : 4,798トン、(3,955トン)
   焼却以外の中間処理 :156,391トン、(159,799トン)
   直接資源化 :323,967トン、(326,167トン) 
 中間処理後再生利用 : 45,544トン、(41,016トン) 
 リサイクル率 R:16.7%、R’:16.3%、(R:16.8%、R’:16.5%
 最終処分量 : 338,293トン、(348,675トン)
   直接最終処分 : 4,798トン、(3,955トン) ←増加している
   焼却残渣 :275,883 トン、(282,000トン)
   処理残さ : 57,612トン、(62,720トン)
 集団回収量:181,400トン(188,480トン) ←年々減少傾向

'ごみ総排出量 (計画収集量+直接搬入量+集団回収量)
'1人1日当たりの排出量:'合計(ごみ総排出量)*10^6/総人口/365
'ごみ処理量 (直接焼却量+直接最終処分量+焼却以外の中間処理量+直接資源化量)
'リサイクル率 R:(直接資源化量+中間処理後再生利用量+集団回収量)/(ごみ処理量+集団回収量)*100
'リサイクル率 R’:(直接資源化量+中間処理後再生利用量〔固形燃料、焼却灰・飛灰のセメント原料化、セメント等への直接投入、飛灰の山元還元 を除く〕+集団回収量)/(ごみ処理量+集団回収量)*100


平成29年度の23区の1人1日当たりのごみ排出量は
環境省のデータは空欄ではあるが計算式では
955g/人日となる

一人当たりのごみ量は年々減少しているが、、、リサイクル率も低迷、、、
東京都全体のリサイクル率の減少も、やはり23区分が原因か、

とりあえず、環境省の計算式で、23区別の「1人1日当たりのごみ排出量」と「リサイクル率」に近い数字を知りたくて、23区と清掃一組で公開している清掃事業の年報、区別持込ごみは清掃一組の各区の特別区分担金納付額算定の区別持込ごみ量の数字を環境省のエクセルデータに入れ込んでみた~

1人1日当たりのごみ排出量もリサイクル率も自動で計算してくれるのだが、、わからない数字もあるので、おおざっぱな勝手な解釈で当て込んだ数字なので、だいぶん誤差が生じた。従って、区別の1人1日当たりのごみ排出量として出てきた数字は、若干多めになっている。また、リサイクル率は、中間処理後の再資源化量など区別に案分していないので、実際には、リサイクル率ももう少しは高めになる、、


環境省の元データ「東京都集計結果(ごみ処理状況) (xls 686KB)
元データの東京23区分の総人口は空欄となっている。そこに人口を入れると、自動計算で、1人1日当たりの排出量合計と、生活ごみ、事業系ごみの数字がでてきたのだが、、

●23区のごみ処理集計(区別)独自試算


 ←クリックで拡大

 

ということで、全国平均と比べても、23区の平均は、1人1日当たりのごみ排出量は多いのだが、練馬、杉並、中野と、半数以上の区は全国平均よりも少ないごみ排出量となっている、

しかし、千代田、港、中央、新宿、渋谷と、、昼間人口が圧倒的に多くて、事業系ごみの多い区も、住民基本台帳人口で1人当たりを計算するのだから、酷といえば酷である、、、


●23区別 ごみと資源の総排出量(平成29年度)

 

 

●23区別 1人1日あたりのごみ排出量とリサイクル率(平成29年度)


●23区別 1人1日あたりのごみ排出量とリサイクル率(平成29年度)並び替え

 

関連(本ブログ)
23区清掃一組 「清掃事業年報(平成29年度)」 -23区のごみ量は約277万トン前年度より増、事業系持込ごみが6年連続増加-2018年08月23日
23区 平成29年度の資源回収量 ~平成29年度清掃事業年報(リサイクル編)〈特別区清掃リサイクル主管課長会資料〉より~23区の資源回収量は約530,665トン(前年比約5,991トン減)2018年08月29日

--この1人1日当たりごみ量は「区収集ごみ」だけの計算--
(区収集ごみには、小規模排出事業者のごみも含む)
環境省の計算式に含まれる事業系ごみ量、資源回収量、集団回収量は除く

 23区の場合、年報等で正式に出されている区別ごみ量は、「区収集ごみ」と「資源」のみである~


◆23区 【区収集ごみ】1人1日当たりごみ量(g)一覧表◆

-順位のようになってしまったが、単純にエクセルで並び替えをしたため、同量のごみ量の区も多々あり---

江東区、平成29年度も杉並、練馬、中野に次いで、、
不燃ごみの全量リサイクルが効いているのか、、、




 



 

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