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遅ればせながら日本もやっと「プラごみ削減戦略?」今夏にも審議会設置となってはいるが~

2018年05月27日 15時56分02秒 | ごみ全般/環境政策

読売新聞2018年5月26日夕刊1面

 

新聞報道によると、
日本政府もやっと「プラごみ削減戦略」

今夏にも審議会を設置し、今年度中の戦略策定を目指すとはなっているが、、、
ほんとうに「プラごみ削減戦略」となるか?

とうてい期待はできない、、、
なにしろ、容リ法の改正の諸々の審議を聞いていても、、、環境省はあまりにも弱腰、
いつも、せいぜいが業界の自主目標、自主規制止まり、、、政策としての「削減」や「規制」などとんでもないと、

日本の場合は、
「プラごみ削減戦略」というよりも、、、「プラスチック資源循環戦略」
削減よりも循環重視で大量リサイクル、

先頃「第四次循環型社会形成推進基本計画(案)の公表及び本案に対する意見の募集について」としてパブコメにかけられた
第四次循環型社会形成推進基本計画(案)(平成30年5月8日時点)」でも、
経済性及び技術的可能性を考慮しつつ使用された資源を徹底的に回収し、何度も循環利用することを旨として、プラスチックの資源循環を総合的に推進するための戦略(「プラスチック資源循環戦略」)を策定」なので、また、プラスチックの課題部分をみても、プラスチックへの問題意識の希薄さがよくわかる。

3月30日の環境大臣の記者会見でも、「プラスチック資源循環戦略」であって、「プラスチック削減戦略」ではない、、いまだに、「使用済プラスチック資源の徹底的かつ効果的・効率的な回収・再生利用」で、大量リサイクルの域を出ていない、また、「プラスチックの代替製品」として変なものが増えるとますますやっかいになる、、

今年3月TBSテレビ現場から「海を殺すなプラスチック汚染」をシリーズ、の中で、、
プラスチック海洋汚染、中川環境相「レジ袋禁止に期待」というのもあったのだが、、、環境省が、「レジ袋禁止」について、誰になにを期待するのか、業界や消費者任せで禁止となるのを待っているのか、、その程度の環境省なのでしょう、、、

とはいえ、世界の潮流に取り残されないように、なんらかの変化は起きるかもしれないので、どんな審議会となるのか、動向は注視しなくては、、、

 

環境省:Ministry of the Environment

「第四次循環型社会形成推進基本計画(案)(平成30年5月8日時点)

2.3. ライフサイクル全体での徹底的な資源循環
【 背景・課題】
2.3.1. プラスチック
 プラスチックについてはマイバッグの徹底やワンウェイの容器包装の削減等によ り排出抑制が 最大限図られるとともに、リユースカップ等のリユースも推進 されている 使用済みのものについては ポイ捨て・不法投棄により美観を損ねたり 、 海洋等に流出 してマイクロプラスチック化 したり する など環境に悪影響を与えることなく適正に排出され、質の高い再生利用が行われるととも、再生材は市場での需要が多く高く売却され、繰り返し循環利用がされている
 また、焼却せざるを得ないプラスチックを はじ めとして、バイオマス由来のプラスチックの使用が進み、焼却される場合も確実に熱回収されている。さらに、農業用シート、 食品廃棄物 の収集袋など、分解が望ましい用途については、生分解性のプラスチックが使用されている。
 こうした取組を通じて、プラスチックの 3R とともに温室効果ガスの排出削減、化石資源への依存度低減、海洋環境等への影響低減等が図られるとともに、資源循環産業等が活性化 されている。

5.国の取組
5.3. ライフサイクル全体での徹底的な資源循環
5.3.1. プラスチック
 ○ 資源・廃棄物制約、 海洋ごみ対策、地球温暖化対策等の幅広い課題に対応しなが ら、持続可能な社会を実現し、次世代に豊かな環境を引き継いでいくため、再生不可能な資源への依存度を減らし、再生可能資源に置き換えるとともに、 経済性及び技術的可能性を考慮しつつ使用された資源を徹底的に回収し、何度も循環利用することを旨として、プラスチックの資源循環を総合的に推進するための戦略(「プラスチック資源循環戦略」)を策定し、これに基づく施策を進めていく。
 ○ 具体的には、① 使い捨て容器包装等のリデュース 等、環境負荷の低減に資する プラスチック使用の削減②未利用プラスチックをはじめとする使用済プラスチック資源の徹底的かつ効果的・効率的な回収・再生利用③バイオプラスチックの実用性向上と化石燃料由来プラスチックとの代替促進等を総合的に推進する


中川大臣記者会見録(平成30年3月30日(金)9:06~9:32 於:環境省第1会議室)

2.質疑応答(抜粋)

(問)TBSの菅原です。ペットボトルとかレジ袋だったり、プラスチックが海に排出されることによって、海洋汚染をすることによって、生態系にも影響が出たりということで、国際的にも問題になっているかと思うのですけれども、プラスチックによる海洋汚染について、環境省としてこの問題をどう捉えているかお聞かせ願えますか。

(答)プラスチックを含めた海洋ごみにつきましては、これはもう大変深刻な問題でありまして、船舶の航行の障害になる、漁業への被害のほか、生態系への悪影響も懸念されておりまして、我が国における重要な課題であるとともに、これはやはり世界が連携して取り組むべき地球規模の課題だというふうに考えております。環境省では、海洋ごみの、まずは発生抑制が重要であるという認識の下、プラスチックごみ等のリデュース、リユース、リサイクルや適正処理の推進などによりまして、国内の陸域から海洋に流出するごみの発生を減らすための取組を進めております。また、地方自治体による回収処理等が円滑に進むよう、必要な財政支援を行っております。また、プラスチックを含む海洋ごみの実態把握のためのモニタリング調査を実施いたしまして、対策に必要なデータの蓄積や情報提供に努めております。加えて、国際連携が重要であるということで、G7やG20、それから私も昨年出席をいたしましたが、日中韓の三カ国環境大臣会合などの枠組み等を活用しながら、世界各国における海洋ごみの発生抑制が進むように働きかけてまいりたいと思っております。実際にこの日中韓三カ国環境大臣会合で、韓国の沿岸地域のいろいろなプラスチック容器が、台風とか風とか、そういったことで流されるという状況があるわけです。そういった状況を改善してもらうことを韓国の環境大臣に私から直接お願いをして、韓国の環境大臣も対応しますということでございます。
 また、マイクロプラスチックといって、プラスチックごみが細分化して、非常に細かくなって海洋に浮遊するという、そういう状況がございますが、このプラスチックごみが細分化してマイクロプラスチックとなる前に回収処理をするということが重要でございますので、地方自治体による回収処理等が円滑に進むよう必要な財政支援を行う。また、マイクロプラスチックにどういうふうな過程でなっていくのか、今、実態把握のためのモニタリング調査を実施するということをしております。これもやはり国際連携が必要であるということで、今申し上げました国際的な枠組みの中でしっかり対応していかなければならないと思います。これは、いずれにしても、外国から日本に流れ着いてくるプラスチックごみ、その途中でマイクロプラスチック化する、また日本の国内のプラスチックごみが海に流れ出るという、両方あるわけですから、両方で対応していかなければならない。そういう課題だと認識しておりまして、今一生懸命やっているという状況でございます。

(問)続いて、世界ではレジ袋の禁止など、政策を進めている国もありますけれども、日本として今後どのようにこの問題に対応していくのでしょうか。

(答)御指摘のように、レジ袋を有料化している国、あるいは禁止をする国、禁止といいましても一定の条件のレジ袋を禁止するということであると思いますけれども、環境省の方で調べました結果でも、かなりの国においてレジ袋の有料化や一定のレジ袋は禁止をするということをしている国がございます。やはり、使い捨てレジ袋を使用禁止にする、あるいは有料化を義務付けるということは、非常にレジ袋対策にとって有効だというふうに思うわけでございます。日本の場合、まだそこまでいっていないわけでありますけれども、レジ袋を始めとして、容器包装の排出抑制を進めていくということは大変重要だと考えております。このため、容器包装リサイクル法に基づき、容器包装を多量に使用する事業者に対しまして、排出抑制の取組を定期的に報告させる制度が運用されているところであります。また、都道府県単位では、レジ袋の有料化に取り組む動きも見られます。あるいは都道府県ということではなくて、それぞれの自治体単位でレジ袋の有料化に取り組む動きも見られるわけであります。こうした動きを促進していくということが大事だと思います。それで今、正に策定作業に入っているわけですが、第四次循環基本計画におきまして、使用された資源を徹底的に回収し、何度も循環利用することを旨として、プラスチックの資源循環を総合的に推進するための戦略、プラスチック資源循環戦略を策定し、これに基づく施策を進めていくということを、今この基本計画に書き込むということで進めております。具体的には、「使い捨て容器包装等のリデュース等、環境負荷の低減に資するプラスチック使用の削減」と書く予定でありますが、この流れを強めて、レジ袋の有料化とか、あるいは禁止という、これはまだ当面ということではないわけですけれども、そちらの方向に向かっていくということを期待したいと思っております。それから、「未利用プラスチックを始めとする使用済プラスチック資源の徹底的かつ効果的・効率的な回収・再生利用」。それから、「バイオプラスチックの実用性向上と化石燃料由来プラスチックとの代替促進等を総合的に推進する」と。こういうことを第四次循環基本計画に盛り込む方向で今やっています。

 

 




経済産業省

資源循環政策を巡る最近の動きについて - 経済産業省

平成3 0 年2月1 3 日 経済産業省 産業技術環境局 リサイクル 推進課

 

 

 


 

環境展望台

発表日:2018.01.16

欧州委員会は、環境だけでなく人々の健康にも悪影響をもたらす恐れのあるプラスチック廃棄物をEU全域で削減し循環型経済への移行を加速する新戦略を提案した。欧州では毎年2500万トンものプラスチック廃棄物が発生しているが、リサイクルのため回収されるのは30%にも満たない。新戦略では、欧州における製品の設計・生産・使用・リサイクル方法を変革し、技術革新・競争力強化・雇用創出を図るビジネスモデルを推進する。これにより、2030年までにEU市場の全プラスチック包装がリサイクル可能になるという。具体的な措置として、1)プラスチックのリサイクル性改善など包装に関する新たなルールを策定し、リサイクルによる収益性を高める、2)ポリ袋以外の使い捨てプラスチック製品や漁具も削減の対象、マイクロプラスチックの意図的使用を規制、3)海洋ごみ対策として港湾受入施設に関する新たなルールを策定、4)プラスチック廃棄物を排出源で最小限にするための手引きを提供、リサイクル可能なプラスチック素材の開発等への投資、等を提案した。

 

基本的には、持続可能な資源循環政策、、欧州であれ、日本であれ、
隣の芝生は青くみえるのかもしれないが、、同じ文言を書き連ねていても、、、

新聞報道などによる具体的な政策のアピールにもよるのだろうが、、、
日本の場合はリデュース(Reduce)、リユース(Reuse)、リサイクル(Recycle)も、、、
リデュース(Reduce)、リユース(Reuse)の具体的な政策は弱く、リサイクル(Recycle)ばかりが、、

 

関連(本ブログ) 諸外国のリデュース(Reduce)政策など、見出しだけでもピックアップ、

・英国、使い捨て飲料容器にデポジット制度導入へ2018年03月28日
・ボトル入り飲料水に混入のプラスチック粒子、ネスレの商品が最多/世界保健機関(WHO)も調査を開始と発表2018年03月26日
・オランダ:海洋を浮遊するプラスチックボトルを減らす方策に業界合意(ミニプラスチックボトルにもデポジット)2018年03月14日
・台湾、使い捨てプラスチック製品を2030年までに全面禁止2018年02月23日
・欧州のプラスチック包装「使い捨てゼロ」、2030年までに100%再生利用可能なものへ EUが計画発表 2018年01月17日
・欧州連合(EU) プラスチック課税を検討 英国離脱後の新財源2018年01月11日 1
・レジ袋削減政策、来年元日から拡大 ドリンク店での配布制限で約9億枚減少へ/台湾2017年12月24日
・使い捨ての紙コップを有料化 国民の9割が「賛成」/韓国2017年12月05日
・海洋生態系を守るため、 102の自治体でレジ袋などのプラスチック製袋の使用を禁止へ=チリ2017年10月26日
・二大スーパー・マーケット、プラスチック袋廃止計画発表/オーストラリア2017年07月15日
・インドネシア 従来式レジ袋、生分解性普及に向け使用禁止2017年02月20日
・NY市のレジ袋課金が延期 NY州知事が署名2017年02月16日
・ジョホール州、プラスチック製レジ袋などの全面使用禁止へ/マレーシア2017年01月06日
・容器包装廃棄物に関する制度 ー 仏でプラスチック製の容器全面禁止2016年12月19日
・英海洋保護協会(MCS)報告、プラスチックレジ袋有料化以降、砂浜のレジ袋が4割減2016年11月22日
・洗顔料や歯磨き粉に使用 極小プラスチック粒子「マイクロビーズ」を英が来年末までに禁止へ 海などへ流出し「魚介に蓄積」の指摘2016年09月04日
・フランス、プラスチック製の使い捨て食器を禁止へ 世界初(2020年1月施行予定)2016年09月20日
・レジ袋など提供禁止に、セランゴール州で来年1月から/マレーシア2016年08月05日
・仏スーパーでプラスチック製レジ袋が使用禁止、法律は7月1日より発効2016年07月02日
・ドイツの大手スーパーがビニールのレジ袋廃止2016年06月04日
・実現に向けて本格協議へ レジ袋の有料化 / ニューヨーク2016年05月03日
・モントリオール ペットボトル禁止か? 2016年03月16日
・プラスチックごみ削減! インドネシアの主要都市でレジ袋有料化を実施2016年02月24日
・環境法改正でレジ袋有料化へ、8月15日から使用制限キャンペーンも /バンコク2015年09月16日
・ハワイ・オアフ島で「レジ袋」使用禁止に、リゾート環境保全で2015年07月14日
・サンパウロのスーパーマーケットで、サトウキビ由来の素材を使った新レジ袋の利用はじまる2015年04月06日
・カリフォルニア州のレジ袋禁止法、16年に住民投票へ 2015年02月25日
・レジ袋が再び禁止に 州司法裁判所が一転=サンパウロ市2014年10月10日
・米カリフォルニア州議会、プラスチック製レジ袋禁止へ2014年08月29日
・ロサンゼルス、プラスチック製買い物袋の使用禁止へ2013年06月26日
・使い捨てボトル入り飲料水の販売を禁止、米マサチューセッツ州の町2013年01月06日
・「河川、海に悪影響」ロス市もレジ袋禁止へ 全米に影響も2012年05月25日

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