東京23区のごみ問題を考える

脱焼却の循環型ごみ処理システムは可能か!!
~ごみ問題のスクラップブックとして~

23区、2014年度(平成26年度) 一般廃棄物の1人1日当たりの排出量は1000g/人/日、リサイクル率は17.9%

2016年04月04日 08時30分38秒 | 東京23区のごみ

☆グラフは、環境省「一般廃棄物処理実態調査結果」から作成


環境省で、年度ごとに発表する「一般廃棄物の排出及び処理状況等」、
例えば、一般廃棄物の排出及び処理状況等(平成26年度)について2016年2月22日

一般廃棄物の排出及び処理状況等」(平成26年度)について

平成26年度における全国の一般廃棄物(ごみ及びし尿)の排出及び処理状況等について調査し、その結果を取りまとめたので公表します。結果の概要は次のとおり。なお、平成23年度から国庫補助による災害廃棄物の処理量、経費等を除いている。

(1)ごみ排出の状況:ごみ総排出量、1人1日当たりのごみ排出量ともに減少。
・ごみ総排出量       4,432 万トン(前年度 4,487 万トン )[ 1.2 % 減 ]
1人1日当たりのごみ排出量  947 グラム(前年度 958 グラム )[ 1.1 % 減 ]←23区は1,000g/人/日(東京都では931g/人/日
(参考:外国人人口を含まない場合 963 グラム、前年度 972 グラム [ 0.9 % 減 ])

(2)ごみ処理の状況:最終処分量は前年比5.3%減少。リサイクル率は横ばい。
・最終処分量         430 万トン(前年度  454 万トン )[ 5.3 % 減 ]
・減量処理率         98.7 %  (前年度 98.6 %)
・直接埋立率         1.2 %  (前年度 1.4 %)
・総資源化量         913 万トン(前年度 927 万トン )[ 1.5 % 減 ]
リサイクル率        20.6 %  (前年度 20.6 %)←23区は17.9%(東京都では22.8%)

詳細は~


これらの集計のもととなる市町村別データは、環境省「廃棄物処理技術情報」サイトで、「市町村集計結果(ごみ処理状況) (xls 9,678KB)で、エクセル形式で公表されている。
しかし、23区においては、清掃事業は平成12年4月1日、東京都から特別区に移管されたのではあるが、、、、基礎的自治体としての市町村区分に、23区各区のデータは入っていないのだ!! 23区それぞれ人口のみ記載で、他は、すべて空欄なのである、、、未だに、23区ひとくくりの取扱い、、、おまけに、生活系ごみ量と事業系ごみ量のごみ量算定もできていないので、1人1日当たりのごみ排出量も曖昧なまま、、、、、、(ただし、どう案分したのか、平成22年度までは生活系ごみ量と事業系ごみ量の区分けがしてある。)

とりあえず、環境省への報告をもとに、23区のひとりあたりのごみ排出量やリサイクル率をグラフにしてみた~

23区 1人1日当たりの排出量(g/人/日)とリサイクル率(%)の推移(再掲)


 

そもそも、23区の廃棄物処理処理のデータに「生活系ごみ」や「事業系ごみ」の区分がない。
毎年、清掃一組で公表する「清掃事業年報」や「清掃工場等作業年報」では、他の自治体に類をみない精細な情報を公開しているのだが、ごみは「区収集ごみ」と「持込ごみ」の区分となるので、、、(一廃計画などでは、「家庭系ごみ」「事業系ごみ」も使われているが)

「区収集ごみ」=区が収集する「家庭系ごみ」と「事業系ごみ(有料)」
「持込ごみ」=100%事業系ごみ

区 収集ごみは、23区それぞれの搬入量が集計されているが、、、持込ごみは、「継続持込」「臨時持込」があって、継続持込ごみ量は事業者が23区をまたがって収集し ているために、、23区一括の数字しか出てこない。ということで、、、清掃事業が23区に移管されたとはいえ、基礎的自治体として、各区が、環境省へ、廃棄物処理の排出量などの報告をすることもできていないという現実。

そうした中、23区で、『「清掃負担の公平」による負担の調整』などというルールができ、そこで、、区別持ち込みごみ量算定分科会」からの報告値ということで、各区別持込ごみ量の数字がでてくる。また、清掃一組の、「東京二十三区清掃一部事務組合 一般会計予算」特別区分担金納付額等でも、「持込ごみ量相当分 持込ごみ量 (トン)」として、各区の持込ごみ量が出てくる。


環境省の報告では、23区それぞれの内訳がでていないので、公表されている数字を使って、23区の各区別の総排出量と1人1日当たりの排出量を換算し、グラフにしてみた。全国の自治体のように、生活系と事業系の区分はできないので、区収集ごみと持込ごみの区分で、、、

 

23区ごみ総排出量と1人1日当たりの排出量

事業系ごみの多い千代田、中央、港、渋谷の1人1日当たりは欄外となってしまった~
都心部や繁華街をかかえる区は、持込ごみ量の割合が圧倒的に多く、区収集ごみに占める事業系のごみも多い。
また、昼間人口と夜間人口の差も大きいので、1人1日当たりで計算すると、気の毒なほどの数字になってしまう。

 

 
23区1人1日当たりの排出量とリサイクル率

た だし、このリサイクル率には、中間処理後の資源化分は加えていない。よって、本来は、その分リサイクル率は各区とも若干上昇する。平成26年度分でいえ ば、中間処理(焼却、粗大、不燃)後の資源化量は合計で62,424tとなっている。それぞれの排出割合によって、資源化量も案分すると、正確なリサイク ル率がでてくるはず、、、


環境省のまとめをみていると、23区の資源化量は、ピックアップ回収や焼却灰のセメント原料化がどこに入っているのかわからない。また、足立区や江東区のように、清掃一組以外の民間施設での中間処理(資源化)はどこにカウントされるのか、、、いろいろ疑問点はあるのだが、、

23区の廃棄物処理(平成26年度実績)
ごみ総排出量 3,317,358トン
直接焼却量 2,638,175トン ←直接焼却率79.5%
焼却以外の中間処理(合計) 161,470トン

集団回収量 202,352トン
直接資源化量 332,069トン

中間処理後の資源化量 62,424トン 

直接最終処分量 4,869トン焼却残渣量 270,879トン処理残渣量 70,022トン最終処分量合計 345,770トン
23区平均(平成26年度)1人1日当たりのごみ排出量 1,000g/人/日 ← 東京都平均931g/人/日、全国平均947 g/人/日'リサイクル率 R、 R’ 17.9% ←東京都平均22.8%、R’ 21.2%、全国平均20.6 %
東京都資源循環・廃棄物処理計画循環的利用の推進と最終処分量の削減一般廃棄物の再生利用率 (目標)     2020 年度 27 %      2030 年度 37 %

 

ということで、全国平均と比べて、23区の平均は、1人1日当たりのごみ排出量も多く、リサイクル率は低い。しかし、練馬、杉並、中野と、全国平均を上回る区もあり、ごみ減量へ確実に健闘している、そして、23区の平均リサイクル率も、年々上昇していることも事実である。
都道府県別でみると、東京都が、大阪府のようにワースト3などに並ばないですむのも、多摩地域のごみ減量効果が大きい。ほんとうに、多摩地域は、各市とも、ごみ減量への意識の高さ、切磋琢磨の健闘ぶりはうらやましいほど、
日の出の処分場問題などもあり、ごみ問題への意識も23区と大きく違う、

23区の場合、今となっては、限界はあるとはいえ、超巨大な最終処分場があり、21清掃工場体制の堅持と、、、
受け皿が十分すぎて、どんなにごみ減量やリサイクルの普及啓発を進めても、危機感、切迫感がないので、、、、
30年後、50年後は、もう処分場はいっぱいになるといっても、必然性に説得力もなくなる。


ついでに、
区別の区収集ごみ量と区別持込ごみ量の推移など~
ただし、区別持込ごみ量は清掃一組予算書の特別区分担金納付額等の「持込ごみ量相当分」をあてはめて作成した。

こんなグラフを作てみても、全く意味はないのだが、、、
23区の状況、都心のまっただ中の区もあり、そうでもない区もあり、、、
単純にごみ量やリサイクル率だけを比較するのも、、、あまりにも区の状況が違いすぎるので、
特に事業系ごみの多さを比較してみてほしい~


 

 

 


関連(本ブログ)
東京都の一般廃棄物2014年度リサイクル率は22.8%、2020年度27%の目標達成には~2016年04月04日
環境省 日本の廃棄物処理 平成26年度版(平成28年3月)2016年03月27日
23区 平成26年度の資源回収量 --平成26年度清掃事業年報(リサイクル編)--2015年08月28日
23区の 「清掃事業年報(平成26年度)」 公表 --23区のごみ量は約278万トン(前年比約3万トン減)--2015年08月27日


 

東京都 区市町村別人1日当たりの排出量とリサイクル率離島の廃棄物処理はたいへんなこと、、、それでもがんばっている!!23区も、がんばらなくては~ 

 

環境省のまとめでは、3Rの取組のベスト3など、人口50万人以上のくくりで整理してあるのだが、、、100万人以上の大都市のごみ排出量とリサイクル率を比較してみた~3Rの取組上位市町村(平成26年度)

 

 

人口100万人以上の大都市では~

 

 

 

 

1. 都道府県別ごみ処理の現状(平成26 年度実績)

都道府県別ごみ処理の現状(平成26 年度実績)から抜粋して作成

 

環境省日本の廃棄物処理」から
日本の廃棄物処理に関する基本的な用語

日本の廃棄物処理で用いる用語のうち、基本的な用語の概念、解釈を以下に示す。
【ごみ処理】
1.ごみ処理
・人口(人)
平成 25 年 10 月 1 日現在である。
「計画収集人口」は、実際にごみの収集を行っている区域の人口である。
「計画収集人口」と「自家処理人口」の和が市町村の「総人口」となる。さらに、「総人口」 は都道府県の統計課が平成 25 年 10 月  1 日付けで公表するために市町村に報告を求めた数値 ( 住民基本台帳人口 ) である。
なお、外国人登録制度が廃止され、「住民基本台帳法の一部を改正する法律(平成  21  年法 律第  77  号)」により外国人住民についても住民基本台帳制度の対象となったため、平成  24  年度調査より外国人人口は総人口のうち数とした。
総人口=計画収集人口+自家処理人口

・ごみ総排出量(t)
総排出量=計画収集量+直接搬入量+集団回収量

 ・1 人 1 日当たりの排出量( g/ 人 / 日)
 1 人 1 日当たりの排出量=ごみ総排出量/総人口/ 365

 ・1 人 1 日当たり排出量[生活系ごみ]( g/ 人 / 日)
 1 人 1 日当たりの排出量[生活系ごみ]=(生活系ごみの収集量+集団回収量)/総人口/ 365

・1 人 1 日当たり排出量[事業系ごみ]( g/ 人 / 日)
1 人 1 日当たりの排出量(事業系ごみ)=  事業系ごみの収集量/総人口/ 365

・自家処理量(t)
自家処理量とは、計画収集区域内で、市区町村等により計画収集される以外の家庭系一般廃 棄物で、ごみを自家肥料又は飼料として用いるか、直接農家等に依頼して処分させ、または自 ら処分しているものをいい、一部の市区町村では計画収集量、計画収集人口、自家処理人口を 勘案して推定している。

・ごみ処理量(t)
 =直接焼却量 + 直接最終処分量 + 焼却以外の中間処理量 + 直接資源化量

・減量処理率(%)
= ( 直接資源化量 + 直接焼却量 + 焼却以外の中間処理量 ) /ごみ処理量× 100

・中間処理後再生利用量(t)
 = ( 焼却施設 + 粗大ごみ処理施設 + ごみ堆肥化施設 + ごみ飼料化施設 + メタン化施設 + ごみ燃料化 施設 + その他の資源化等を行う施設 + その他の施設 ) における再生利用量

・リサイクル率  R(%)
 = ( 直接資源化量 + 中間処理後再生利用量 + 集団回収量 )/( ごみ処理量 + 集団回収量 ) × 100

・リサイクル率  R’(%)
= ( 直接資源化量 + 中間処理後再生利用量〔固形燃料、焼却灰・飛灰のセメント原料化、セメント  工場へ直投入、飛灰の山元還元を除く〕 + 集団回収量 )/( ごみ処理量 + 集団回収量 ) × 100

・最終処分量(t)
=直接最終処分量 + 焼却残渣量 + 処理残渣量

 

 
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