咆哮

負け犬の遠吠えかも…
最近「負け犬」が流行り言葉になってしまったので「落ち武者の歯軋り」とした方がいいのかも…

『レイクサイド マーダーケース』

2005年01月23日 18時19分27秒 | 映画
ストーリー説明及びネタバレなし。

面白かった。
下の『バウンス ko GALS』の感想で「社会派ぶった、人情話」なんて書いたけど、これは丁度それとは逆の作風で私好みの作品だった。
要するに、これが作品の質以前の作り手との相性ってことになるのだろう。

もう少し具体的に書くと、この作品はパッケージとしては娯楽作品でありミステリー作品なんだけれど、観た後に社会派作品としてのメッセージを強く感じる作品だったということである。
個人的に楽しみながらいつのまにか考えさせられる、っていう作品の方がカッコイイと私は思っているのだろうな。

ここに登場する人物達が、私がここで批判する標的ような人物ばかりだったのに笑ってしまった。要するにそれなりの社会的成功者であり、それなりに常識人であり、それなりの知性もありという、早い話「俗物」ばかりなんだけど「では、今の世の中で俗物でなくてまともに生きていけるのか?」という、俗物の居直りというのか、凄みというのか物語が進んで行くうちに、「こうなったらこうするしか他に手段は無い」という説得力まで出てくるのが非常に怖い作品だった。
ミステリーというより人間心理の面白みに加えて社会批判まで及んでいる作品だったので、凡百の社会派映画より遥かに力強く観客の問題意識を喚起する作品だったように思える。