ソプラノ和泉聰子の『おんがくのいずみ』~うたの心をあなたに~

ソプラノ歌手・ボイストレーナーの和泉聰子のブログ。HPは http://lulu-hikichan.jimdo.com

美しい日本語で歌うために気をつけていること

2018-03-18 02:24:00 | 音楽
先日の日本歌曲振興波の会
スプリングコンサートが終わり、
いろんな方に言葉がよく聴き取れる、
日本語がきれいだったと褒めていただきました😊


ホールは300席ほど、そして良く響きました。
良く響くと声はきれいに聞こえますが
日本語が聞き取りづらくなります。


ですから子音ははっきりと発語しました。
でも、私の日本語がきれいに聞こえたのは
それだけではないと思います。



昨年亡くなった大賀寛先生は
日本歌曲研究会の第一回は必ず
日本語の特性について、と
講義をなさいました。




日本語はどのように成り立っているか?
文節、など出てきて国語の授業のよう😅

でも日本語をはっきり読むということは
一つ一つの音をはっきり発音するのではなく

単語のまとまりが文節をつくり、
文節が集まって文章として聞こえるように読むということ。


それから日本語はイタリア語のように
アクセントで母音が膨らむのでなく
等拍だということ。


日本語の特性を理解して歌う

という事の大切さを教えて頂いたからだと思います。


そして日本語の母音は五つではない。
春の は と 端 の は
同じ は でもア母音の明るさが違う、
とか。


それらは朗読すれば分かると。


朗読の先生は
まずは黙読五回以上。
いきなり読むとそのクセが取れなくなると。

歌と同じですね。
まずは楽譜を読む。


それから感情など込めずに読む。


生徒さんに歌詞を読んでもらうと
たどたどしい時があったり
読み方に迷いがあったり。
正解はないとしても
そんな読み方では歌詞を超えて伝えたいものまでは出てこないので、先ずはきちんと読めることを目指してみてください。


朗読の先生には
最初、早すぎる!と言われました。
早すぎるのは行間をよんでいないから。
朗読は、行間をよむんですよ、と。


本当に、その通り。


そして作曲家が
その行間を読んで曲をつけているんです。
素晴らしい日本歌曲は
その行間に素晴らしい音楽や休符があります。



いい声で歌えばどんな歌も
綺麗に聴こえると思うけれど
言葉が心に沁みた、とか
日本語の美しさを感じてもらうためには
もっと繊細に日本語を語り分けることが必要。



次にそれらの発語が
音域によって崩れないように
音程をとり、響きの中で語る。
しっかりした発声のテクニックが必要。
地道な練習です。


私はそこが💦
高音のオ母音が狭くなったり
音楽のスケールが小さくなりがち。



だから5/13のコンサートの

からたちの花

今まで以上に、
♬咲いたよ〜
の高音の伸びやかさを
曲の表現に必要なものとして獲得しなくちゃ。
******************



★音楽の雑記帳 その9 ~私の好きな歌~
2018.5.13(日)15時開演
和光大学ポプリホール
(小田急線鶴川駅北口徒歩3分)
料金:全席自由3000円、ペア券5500円(前売りのみ)、学生券2500円
作曲家古曽志洋子さんとその仲間によるコンサート。私はかなりや、からたちの花、あわて床屋、東日本大震災の詩に古曽志洋子さんが曲を付けた 心のふるさと(初演) など日本歌曲を中心に歌う予定です。

チケットご用意いたしますので、こちらからお申し込みください。
ペア券がお得です!当日販売はございませんのであらかじめお申し込みくださいませ。

やる事山積みです。

でもとても楽しい。

好きな歌を歌える事に感謝して✨

******************
これからのコンサート予定はこちら
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 日本歌曲を極める | トップ | カトル・セゾン ディナーコン... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。