ソプラノ和泉聰子の『おんがくのいずみ』~うたの心をあなたに~

ソプラノ歌手・ボイストレーナーの和泉聰子のブログ。HPは http://lulu-hikichan.jimdo.com

ベアトリーチェ・チェンチの肖像

2017-04-22 10:10:53 | 演奏会レビュー
昨夜は 桜新町にあるスタジオ アマデウス

Theater LOV 第2回公演
『ベアトリーチェ・チェンチの肖像』
を観に行きました。



ワークショップでお世話になった
田尾下哲さんが脚本を書いた作品。

まずはこの、ベアトリーチェ・チェンチの肖像というグイド・レーニが描いたと言われる(違うとも言われる)有名な絵画があること。

ベアトリーチェ・チェンチは実在の人物で、暴力や性的虐待をふるった自分の父親を殺した罪で自分、兄弟、継母らとともにローマで死刑になった
貴族の若い女性だということ。

これらの話からインスピレーションを受けて、絵画、小説、戯曲、オペラなどの作品が結構存在すること。

など、今回初めて知りました(^^;;


でもそういう予備知識がなかったとしても。。。

とても素晴らしい公演でした。



ここからは私の感想なので
ネタバレ注意です。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆

物語の画家の言葉ではないけれど、

面白かった とか 凄かった、とか
素晴らしかったとか言葉にすると
嫌悪感しかないくらい、
それぞれの登場人物が際立っていて
その瞬間その瞬間で観ているものに
複雑な感情を沸き起こさせてくれるので
一括りの言葉では感想は書けません。


でも、
画家とベルナルドの問答と
回想調で語られるベアトリーチェの物語、
チェンチ家という血筋への過剰なまでの執着
現在と過去とが舞台で自然に入れ替わり
休憩なしの2時間5分があっという間でした。


それぞれの役者さんも、
台本だけの朗読劇から参加している方もいらして
役を作り込んであり、 魅力的でした。
継母役だけ、5人のキャストがおり、
別な方のルクレツィアも見比べて観たかったです。


美しい、と思ったのは
最後、ベアトリーチェが
肖像画そのもののように居た、その姿。
ライティングの闇も背景のセットも
ラストシーンの絵だけは最初から決まっていたように浮かび上がりました。

キャスティングに条件をつけるなら
このラストに相応しい容姿、肌の質感をもつベアトリーチェ役の女性と

グイド・レーニの描いた聖セバスディアニスの殉教の絵のようなベルナルドでしょうか?


今回のキャスティングのお二人は
お芝居が上手いのは当然だとして
帰った後で絵画をよく観てみると
その容姿、雰囲気か似ていました。


あと4回、観られます
お時間ある方は是非、足をお運び下さい。
明るい話ではないけれど観終わった後はなんとも言えない希望と暖かさに胸が包まれました。


<出演>
ベアトリーチェ(娘)
ドルニオク綾乃
フランチェスコ(父)
田中智也
ルクレツィア(後妻)
中井奈々子(21日14時・23日19時)安田佑子(21日19時)白木原しのぶ(22日14時)田代真奈美(22日19時)華 みき(23日14時)
ベルナルド(弟)
長谷川慎也
オリンピオ(召使)
小林裕
レーニ(画家)
菊沢将憲
<タイムテーブル>
2017年4月21日(金)14時、19時☆
2017年4月22日(土)14時、19時
2017年4月23日(日)14時、19時
※開場は、開演の30分前となります。
☆21日(金)19時の回は、紀里谷和明・田尾下哲によるプレトークを予定しております(18時15分から30分程度。それに伴い、開場は18時となります)。
<会場>
スタディオ・アマデウス(東京都世田谷区弦巻4-7-7)
※アクセス:東急田園都市線・桜新町駅西口より徒歩8分
<チケット>
全席自由4000円(税込)

詳細はこちら



☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
日生劇場オペラの稽古で通ったことのある、
久しぶりの桜新町

八重桜が満開でした。




そして


この隣にはサザエさん一家の像。




また稽古で通いたーい!

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする