自分のために読む、古典のひと言

昔の本を読んで、考える。昔の人は、何を思ったのか。

学問をするには自己を反省することが大切である

2016-04-27 | 自分自身
学問をするには自己を反省することが大切である。もしもっぱらに人を責めていると、人の善くないところだけが見えて自分の欠点は見えないものである。反対にもし自己をよく反省すると、自分に多くの至らぬ点のあることが見えてくるので、どうして人を責めている暇などあろう(伝習録)。

◇読んで思ったこと:人を責めたり悪口を言うことに時間を使うと、その分だけ自己を反省する時間を失ってしまう。それだけ成長の機会を逃すことになる。もし人の悪いところを見たならば、自分はどうかと反省の材料にするのがよい。
◇引用元:新釈漢文大系「伝習録」明治書院

人は安楽なときには仕事を怠け、苦しいときには励むものである。

2016-04-25 | 自分自身
人は安楽なときには仕事を怠け、苦しいときには励むものである。志も欲の少ないときには確立し、多欲多念のときにはだめになる。ゆえに苦難にあることは天命を知るきっかけとなり、不遇であることは発奮の素地となる(藤田東湖)。

◇読んで思ったこと:うまくいかない境遇に不平をいったところで何も解決しない。その環境から抜け出す方法を考えよう。
境遇は転々と変化するものであり、うまくいかないときの次はうまくいくときが必ずやってくる。不遇に遭遇した時は、じっと我慢する。軽率な行動を控え、慎重に構えて準備や研鑽を怠らないようにする。そのように過ごしていれば、いずれ境遇が変化するときが来るし、境遇が変化した時にすぐに行動を起こすことができる。
◇引用元:日本の名著「藤田東湖」中央公論社

人に対してあれこれ非難してはならない

2016-04-06 | 人間関係
人に対してあれこれ非難してはならない。美点ならば取り上げてもよいが、悪い点はどこまでもかくしてやるように心得えなさるがよい(北条重時)。

◇読んで思ったこと:人を非難している人は、そのあと誰かに非難されている。
◇引用元:桑田忠親「武士の家訓」講談社学術文庫

自分のしたことを鼻にかけて自慢する者は何事も成功せず

2016-04-03 | 自分自身
自分のしたことを鼻にかけて自慢する者は何事も成功せず、自分の才能を誇って尊大にかまえる者は長続きしない(老子)。

◇読んで思ったこと:現状を不足に思っていれば努力する。努力が長続きすれば、成果にたどり着く。
何かをやり遂げたなら、次の目標を立てる。次の目標に向かって努力する。努力することをやめない。
自慢している人は努力することをさぼって立ち止まっている人だ。すぐに後からやって来た人に追い越される。
◇引用元:金谷治訳注「老子」岩波文庫