自分のために読む、古典のひと言

昔の本を読んで、考える。昔の人は、何を思ったのか。

「心を尽くす」とは心の持っている全力を発揮するということである。

2016-02-27 | 自分自身
「心を尽くす」とは心の持っている全力を発揮するということである。一日より二日、三日より百日、千日と功を積み上げてゆくならば、最後には心の全力を発揮するようになる。それゆえにまずその第一歩をこの一事、そして今日というこの一日から踏み出すがよい。また「心を存す」とはこの心を散らぬように日夜胸に抱いていることであって、この努力が積み上がると、心を尽くすという境地に至る(吉田松陰)。

◇読んで思ったこと:何かをやり遂げようとするならば、まず道筋を決めることである。道筋を決めたなら、努力を長く続けられるような工夫を考えることである。1週間に1回・1時間何かをがんばるよりは、10分の頑張りを毎日続ける方が良い結果に結びつく。
◇引用元:近藤圭吾訳注「吉田松陰 講孟劄記」講談社学術文庫

稲づくりでいいかげんな耕しかたをしたら、実のる時にいいかげんになってその報いをうける。

2016-02-20 | 自分自身
稲づくりでいいかげんな耕しかたをしたら、実のる時にいいかげんになってその報いをうける。でたらめな除草をしたら、実のる時にでたらめになってその報いをうける(荘子)。

◇読んで思ったこと:結果というものは必ず行為の積み重ねの結果である。いいかげんな行為を積み重ねれば、いいかげんな結果になる。こんなふうに口で言うのは簡単だが、実際に行うのは難しい。経験的に言えば、何でもないときに一生懸命やっておくと、いざという時すぐに行動できる。
 そもそも、いざというときはいつ来るかはわからない。今がいざというときの準備期間かどうかもよくわからない。ふだんから怠けていると、いざという時に何もできない。その時になって、もっと頑張っておけばよかった、と後悔する。
 後悔しても遅いから、なんでもないときに一生懸命やるようにしている。そうするといざという時、すぐに行動できる。あとになって、あのときは何のためかよくわかっていなかったが、とにかくがんばっといてよかったな、と思う。
◇引用元:金谷治訳注「荘子」岩波文庫

自分の意念を誠実にするというのは、自分で自分をごまかさないことである。

2016-02-18 | 自分自身
自分の意念を誠実にするというのは、自分で自分をごまかさないことである(大学)。

◇読んで思ったこと:知らないことを知らないと認める。あとでよく調べてみると、そういうこともあるんだな、と思う。新たな知識を得る。そんなことを繰り返しているうちに知恵が生まれてくる。
◇引用元:金谷治訳注「大学・中庸」岩波文庫

自己を修めようとする心があるからこそ、

2016-02-14 | 自分自身
自己を修めようとする心があるからこそ、人を救おうとする心が生まれる(吉田松陰)。

◇読んで思ったこと:自分が苦労することで人の苦労もわかるようになる。自分が目一杯努力していると、他人の努力や怠け心がよく見えてくる。
◇引用元:近藤啓吾訳注「吉田松陰 講孟劄記」講談社学術文庫

仕事よりも報いを求める心が先立つと、欲望が増長する。

2016-02-06 | 自分自身
仕事よりも報いを求める心が先立つと、欲望が増長する。反対に自分がなすべきことをまず十分にやって、その報いを考えなければ、徳はおのずから積まれてくる(渋沢栄一)。

◇読んで思ったこと:報いは行為の結果でしかない。何かを始めるときは、結果よりもまず行為を考え、行為を考えるときはまず動機や目的を考える。動機や目的がはっきりすれば、おのずと行為が絞り込まれてくる。
◇引用元:竹内均編「渋沢栄一 論語の読み方」三笠書房

君子はまずわが身に徳を積んでからはじめて他人にもその徳を求め、

2016-02-02 | 自分自身
君子はまずわが身に徳を積んでからはじめて他人にもその徳を求め、まずわが身に不徳をなくしてからはじめて他人にもその不徳を非難する(大学)。

◇読んで思ったこと:我が身を正すことに努力している人は、忙しくて他人を批評しているひまがない。人の悪口ばかり言っている人は、忙しくて自分を反省するひまがない。
◇引用元:金谷治「大学」岩波文庫