自分のために読む、古典のひと言

昔の本を読んで、考える。昔の人は、何を思ったのか。

人というものは親しい間柄ほど激しい争いを起こしやすく、

2015-12-30 | 人間関係
人というものは親しい間柄ほど激しい争いを起こしやすく、かえって当然の道理を抑えがちになるものである。豪傑同士が交際すると、はじめは実に親密な心の交わりをみせるのに、途中からそれが衰えてしまう。これは結局のところ、互いに相手に対して高望みをしすぎるからである(橋本左内)。

◇読んで思ったこと:人に対しては信頼関係を築こうとするのみで、あれこれ期待しない。
◇引用元:伴五十嗣郎「橋本左内 啓発録」講談社学術文庫

志というものは気力を左右するものであり、気力は人間の肉体を

2015-12-29 | 自分自身
志というものは気力を左右するものであり、気力は人間の肉体を支配するものである。だから志がまずしっかりと確立すれば、気力はそれにつきしたがって来るものだ(孟子)。

◇読んで思ったこと:目標が決まれば頑張れる。力を集中できる。困難も乗り越えられる。でも目標を見定めるのが難しい。
◇引用元:小林勝人「孟子」岩波文庫

善悪のきざしは、すべて最初の一念によるところが多く、

2015-12-28 | 自分自身
善悪のきざしは、すべて最初の一念によるところが多く、また善が固まるのも悪が固まるのも、いずれも初一年が積み重なったあとの結果である(佐藤一斎)。

◇読んで思ったこと:何かを始めようとするときは、その動機をよく見つめ直すこと。
◇引用元:川上正光「言志四録」講談社学術文庫

人に対してあれこれ非難してはならない

2015-12-26 | 人間関係
人に対してあれこれ非難してはならない。美点ならば取り上げてもよいが、悪い点はどこまでもかくしてやるように心得なさるがよい(北条重時)

◇読んで思ったこと:人の悪口を言っていると、先々何か自分の立場が悪くなったときに、それをネタにして思わぬ復讐を受けることになる。言葉には注意したい。
 そもそもそ自分の目標に向かって真剣に努力しているならば、他人を論評しているヒマなどないはずだ。
◇引用元:桑田忠親「武士の家訓」講談社学術文庫

信義を守り通す行為は自分のためにすることであり、

2015-12-25 | 自分自身
信義を守り通す行為は自分のためにすることであり、人のためにすることではない(戦国策)。

◇読んで思ったこと:人のためにしていると期待通りにいかないことが起きて、長続きしない。決めたことを継続できるのは、自分に負けないようにしているからである。
◇引用元:近藤光男「戦国策」講談社学術文庫

親しい人同士が責めたり恨んだりすることになるのは、

2015-12-24 | 人間関係
親しい人同士が責めたり恨んだりすることになるのは、みな人のためにしているから相手もそれに報いてくれるはずだという心をもっているからで、何事も自分のためだという心が十分ではないからである(韓非子)。

◇読んで思ったこと:何かをするときは、自己成長と関連づけるようにする。
◇引用元:金谷治「韓非子」岩波文庫

真実の道を体得した人は、逆境に落ち込んだ場合も楽しんでおり

2015-12-23 | 自分自身
真実の道を体得した人は、逆境に落ち込んだ場合も楽しんでおり、順調に成功した場合も楽しんでいた。楽しみとするところは逆境とか順境とかいう世俗の関心を超えていたのである(荘子)。

◇読んで思ったこと:本当の楽しみは自分の心の中にある。それに気づくと、逆境に陥ってもその境遇にいる自分を客観的に見つめることができる。
◇引用元:金谷治「荘子」岩波文庫

正しい道によったとしても到達できないものはあるが

2015-12-22 | 自分自身
正しい道によったとしても到達できないものはあるが、誤った道を通って行き着くことのできた者はいない(伊藤仁斎)。

◇読んで思ったこと:目的を達成するための正しい道筋を見極めるのはなかなか難しい。経験者や成功体験を持つ人、失敗を経験した人などを尋ね、先輩の教訓を取り入れるようにしたい。
◇引用元:日本の名著「伊藤仁斎」中央公論社

心を引き締めて失敗する人は少ない

2015-12-21 | 自分自身
心を引き締めて失敗する人は少ない(論語)。

◇読んで思ったこと:油断している人は、たいてい失敗という結果に直面して愕然とする。失敗してはじめて、自分が油断していたことに気づく。油断していると対策を怠るまま時間がどんどん過ぎていくので、もう取り返しがつかない。
油断しないための工夫は、ゴールに至る過程で「うまくいっている」と思うのではなくて、「うまくいっていない」という考えを持っておくことである。
◇引用元:金谷治「論語」岩波文庫

もう一息というところで完成しない者は、

2015-12-20 | 自分自身
もう一息というところで完成しない者は、そのやめたのは自分がやめたのである(論語)。

◇読んで思ったこと:ゴールの直前が最も苦しい。ゆえに苦しいときほど、もう一息がんばるようにしたい。
◇引用元:金谷治「論語」岩波文庫