好きな相手でも同時にその欠点をわきまえ、

好きな相手でも同時にその欠点をわきまえ、嫌いな相手でも同時にその長所をわきまえるという公正な判断のできる人は、世界中でもまれなものである（大学）

◇読んで思ったこと：その人の能力に着目し、能力を取り上げるようにする
◇引用元：金谷治「大学・中庸」岩波文庫

心を誠実にするというのは、自分で自分をごまかさないようにすることである

心を誠実にするというのは、自分で自分をごまかさないようにすることである（大学）

◇読んで思ったこと：困難にぶつかったときは、心の中でできない理由を考えていないで、やり遂げるにはどうしたらよいかを考えるようにする。
◇引用元：金谷治「大学・中庸」岩波文庫

学問をするのに、手を加えて無理に早く目的を達するようなことをしてはならない

学問をするのに、手を加えて無理に早く目的を達するようなことをしてはならない。学問をする上に大害となる病気は有名になろうとする心である。

◇読んで思ったこと：階段を一段づつ登るようにする。
◇引用文献：新釈漢文古典体系「伝習録」明治書院

奮い立つのはよい。逆上するのはよくない。

奮い立つのはよい。逆上するのはよくない（佐久間象山）。

◇読んで思ったこと：怒ってその場で決めたことは失敗が多い。
◇引用文献：日本の名著『佐久間象山・横井小楠』中央公論社

自分が事を知らなくても惑わない

自分が事を知らなくても惑わない。人の知をうらやまない。自分が事に通達しても満足しない。成功しても誇らない（熊沢蕃山）。

◇読んで思ったこと：自分のことに集中すれば悩みを減らせる。
◇引用文献：日本の名著「中江藤樹・熊沢蕃山」中央公論社

諸人から意見があったならば、これに逆らうようなことをせず

諸人から意見があったならば、これに逆らうようなことをせず、十分反省すべきである（武田信繁）。

◇読んで思ったこと：皆が意見を出しやすいような雰囲気を作っておきたい
◇引用文献：桑田忠親「武士の家訓」講談社学術文庫

志を立てる上で注意すべきことは、目標に到達するまでの

志を立てる上で注意すべきことは、目標に到達するまでの道筋を多くしないことである。学ぼうとすることが多岐にわたりすぎて、そのために目標を見失うことのないように注意したいものである（橋本佐内）。

◇読んで思ったこと：やり遂げた経験に価値がある。あれもこれも同時にやり遂げることはできない。
◇引用文献：伴五十嗣朗全訳注「橋本佐内　啓発録」講談社学術文庫

表面では賢く良い人のようにふるまい、いかにも努力しているかのように

表面では賢く良い人のようにふるまい、いかにも努力しているかのようにみせかけても、内面は愚かで怠っているような、うそ偽りの気持ちを抱いてはならない（法然）。

◇読んで思ったこと：人の不誠実がよく分かるように、自分の不誠実もすぐにばれる。
◇引用文献：日本の名著「法然」中央公論社

小さいからといって卑屈にもならず

小さいからといって卑屈にもならず、大きいからといって得意にもならない。万物の数量は無限で大小も相対的だということをわきまえているからである（荘子）。

◇読んで思ったこと：他人の評価は相手や状況によって変わる
◇引用文献：金谷治「荘子」岩波文庫

過去には役に立ったものが、現在では棄てられることもあり、

過去には役に立ったものが、現在では棄てられることもあり、現在棄てられているものが将来には役に立つこともある。つまり役に立つか役に立たぬかということは時勢次第である（列子）

◇読んで思ったこと：決断は早すぎても失敗するし、遅すぎても失敗する
◇引用文献：古典文学大系『老子・荘子・列子・孫子・呉子』平凡社