自分のために読む、古典のひと言

昔の本を読んで、考える。昔の人は、何を思ったのか。

これは隠れたことであり、心の中でひそかに考えて

2015-08-31 | 自分自身
これは隠れたことであり、心の中でひそかに考えていることであるから、人には知られないだろうなどと思ってはいけない(明恵)。

◇読んで思ったこと:人の不誠実がよく見えるように、自分の不誠実も人から見ればすぐにわかる。
◇引用元:日本の名著『源信・明恵』中央公論社

心の中で甚だしく怒っても、怒りが収まって本心になるまで

2015-08-28 | 人間関係
心の中で甚だしく怒っても、怒りが収まって本心になるまで、こらえて言葉を口に出してはいけない。怒りの盛んな時に早く口に出すと過ちを言って後悔する(貝原益軒)。

◇読んで思ったこと:怒った時は極論を言ってしまうので、あとで自分の行動が縛られてしまう
◇引用元:日本の名著『貝原益軒』中央公論社

いかにもっともなことを論じても

2015-08-27 | 自分自身
いかにもっともなことを論じても、実践できるように心を働かさず、ただ口先だけの議論であるならば、少しも心に響かない(西郷隆盛)。

◇読んで思ったこと:理想を言うだけならだれでもできる。実際にやってみると、うまくいかないことがおきて、それを乗り越えようと努力工夫するから、人間の成長がある。
◇引用元:猪飼隆明訳解説『西郷隆盛 南洲翁遺訓』角川ソフィア文庫

一生の間、怠らず努めても、その一事ですっかりだめになってしまう

2015-08-27 | 自分自身
一生の間、怠らず努めても、その一事ですっかりだめになってしまうのである。非常時はいつやってくるかわからないのであるから、少しの間も心を怠らせることはできない(山鹿素行)。

◇読んで思ったこと:うまくいっているときほど油断する
◇引用元:日本の名著『山鹿素行』中央公論社

人はいつも自分の能力を超えた事態に出会って倒れ

2015-08-25 | 自分自身
人はいつも自分の能力を超えた事態に出会って倒れ、自分のなれていない状況にあって敗れるものである(呉子)。

◇読んで思ったこと:経験の不足は、先輩の話を聞くとか、歴史を読むとかの工夫をして、疑似体験で補う。
◇引用元:古典文学大系『老子・荘子・列子・孫子・呉子』平凡社



識見や志は遠大でなければならない。しかし実践の際は

2015-08-24 | 自分自身
識見や志は遠大でなければならない。しかし実践の際は自分の力を考えて漸進することだ。志が大きすぎて心が疲れ、力が弱いのに任務が重ければ、結局は失敗するだろう(近思録)。

◇読んで思ったこと:階段を一段づつのぼるように。
◇引用元:新釈古典漢文大系『近思録』明治書院