自分のために読む、古典のひと言

昔の本を読んで、考える。昔の人は、何を思ったのか。

能力があるから地位につけるのでなく、地位につけて能力を発揮させよ

2020-04-28 | 自分自身
能力があるから地位につけるのでなく、地位につけて能力を発揮させよ(土光敏夫)。

◇読んで思ったこと:相手の成長度合いをみつつ、「できるかどうか少し不安はあるが、なんとかやれそうだな」というレベルまできたら、次の一つレベルの高い仕事を任せてみる。
職責や環境が人を育てる。誰かを育てようと自分が頑張るよりは、その人が育つような環境を作っていくほうがよい。
◇引用元:土光敏夫「新訂 経営の行動指針」産業能率大学

仕事の報酬は仕事である。

2020-04-28 | ビジネス
仕事の報酬は仕事である。そんな働き合いのある仕事をみんながもてるようにせよ(土光敏夫)。

◇読んで思ったこと:能力が発揮できるように権限と責任を付与する。自主性や自発性を促進するような職場環境をつくる。
なんでも与えるより、自分で稼げるような能力をつけさせたほうがよい。
◇引用元:土光敏夫「新訂 経営の行動指針」産業能率大学


管理者はまず自分自身を管理せよ。

2020-04-28 | 自分自身
管理者はまず自分自身を管理せよ。そうすれば部下を管理する必要も減る(土光敏夫)。

◇読んで思ったこと:「自分のこと棚に上げて」と言われないように。自らの言葉と行いを一致させるよう日々努力する。
◇引用元:土光敏夫「新訂 経営の行動指針」産業能率大学

明君のやり方は、知恵者たちにその思慮を出しつくさせた上で、

2020-04-25 | ビジネス
明君のやり方は、知恵者たちにその思慮を出しつくさせた上で、君としてそれをふまえて物事を裁断するから、君としての知恵にゆきづまることがない。また賢者たちにその才能を発揮させた上で、君としてそれをふまえて仕事をまかせてゆくから、君としての才能にゆきづまることがない(韓非子)。

◇読んで思ったこと:自分一人で悩んでいてもすぐに行き詰まるが、人の知恵を結集していけば考えに行き詰まることがない。しかし自分のお気に入りやイエスマンばかり集めていると、何人集めても自分一人の知恵を使っているのとあまり変わらない。
◇引用元:金谷治「韓非子」岩波文庫


君主が事業を起こそうとするとき、その事の詳しい全体にも通じないで、

2020-04-25 | 自分自身
君主が事業を起こそうとするとき、その事の詳しい全体にも通じないで、自分の欲望をさらけ出してしまうと、それを実行する者があらわれてもその事業で利益は得られず、必ず逆に損害となって返ってくる。そのことをわきまえた君主は、事の道理に任せて自分の欲は捨て去り、事業の遂行にも決まりを立てて、収入が多くて支出の少ない企画を考えては実行してゆくのである(韓非子)。

◇読んで思ったこと:新しいことをはじめるときは、心の中で公事か私事かの区別を明確に整理整頓するようにする。私利私欲で始めたことは、困難に直面したときに人の協力が得られず、あきらめも早く長続きしない。これに対して、公の志によって動くときは苦しいときほど協力者が現れるものである。何かを始めようとするときは、まず自分の動機を洗練化させることである。
◇引用元:金谷治「韓非子」岩波文庫

賢明な君主は相手が自分に背かないことを頼みとはせず、

2020-04-24 | 自分自身
賢明な君主は相手が自分に背かないことを頼みとはせず、相手が背けないような自分であることを頼みとする。相手が自分をだまさないことを頼みとはせず、相手がだませないような自分であることを頼みとする(韓非子)。

◇読んで思ったこと:他人のことをコントロールするのは難しいので、自分のことをコントロールする。自分のコントロールできることに時間と労力を使って、頼みとするだけの自分を作るようにする。
◇引用元:金谷治「韓非子」岩波文庫

自分で出会ったことはわかるが、遭遇しないことはわからないものだ。

2020-04-24 | 自分自身
自分で出会ったことはわかるが、遭遇しないことはわからないものだ。自分の能力でできることはできるが、できないことはできないものだ(荘子)。

◇読んで思ったこと:失敗から学ぶことによって、失敗しない方法が見えてくる。だから経験を積むことで、判断能力を上げていくことができる。
経験不足がある場合は、日ごろの疑似体験で補うことができる。遠くのだれかが決断を迫られている場合に、もし自分だったらどうするかな、と考えて、その結果を検証することによって学び取る。こうした疑似体験の場は、日ごろ身近にたくさんある。
◇引用元:金谷治「荘子」岩波文庫

人を増やすと人の使い方がルーズになる

2020-04-22 | ビジネス
人を増やすと人の使い方がルーズになる。そしてお互いのもたれ合いがはじまる。だから「だれか警戒しているだろうと思ってだれもやっていないといったようなことがあるから、これはあかんよ」と厳しく言っている(後藤田正晴)。

◇読んで思ったこと:チームのメンバーはそれぞれの役割と責任の範囲を明確にする。メンバー1人1人がそれぞれの任務を遂行し責任を果たすことによって、チームの目標が達成されるようにする。
◇引用元:後藤田正晴「情と理」講談社

宰相一人に適当な人物を得ることができれば天下も取れるが、

2020-04-22 | ビジネス
宰相一人に適当な人物を得ることができれば天下も取れるが、宰相一人に当を失すれば国家も危うい(荀子)。

◇読んで思ったこと:経営者の大事な仕事の一つは、管理者を育てること。管理者一人の管理できる人数は10人程度という。これに倣えば、管理者を一人育てることによって、10人の経営ができる。管理者を10人育てることによって、100人の経営ができる。
◇引用元:金谷治訳注「荀子」岩波文庫