自分のために読む、古典のひと言

昔の本を読んで、考える。昔の人は、何を思ったのか。

何事につけても、良いことがあれば次にまた悪いことも起こる

2016-03-29 | 自分自身
何事につけても、良いことがあれば次にまた悪いことも起こるもので、その点をよく考えて、悪いことの起こらぬ先に注意することが肝心である。また、悪いことがあれば、次には良いこともあるはずだと思って、心を慰めなさるがよい(北条重時)。

◇読んで思ったこと:職場でいやなことや辛い状況に陥ったとしても、そういうことは長く続かないものである。しばらく身を慎んで、じっと待っていると、好転するときがすぐにやってくる。悪いときに嘆いたり投げ出したりしないようにしたい。
◇引用元:桑田忠親「武士の家訓」講談社学術文庫

困難に直面した場合、まずそのような事態にあるということを素直に認識する

2016-03-23 | 自分自身
困難に直面した場合、まずそのような事態にあるということを素直に認識することが大事である。そしてそういう事態を招いた原因はどこにあるのかを静かに考えてみる。原因は外部にある場合もあるが、自分自身にあることのほうが多い(松下幸之助)。

◇読んで思ったこと
・外部に原因を求めると、自己反省の機会を逃す。自分と向き合って、自分自身の問題に取り組むことで、自己成長を手に入れる。
・外部の問題は自分で変えられないことが多い。これに対して、自分自身の問題は自分の決意次第で変えられるものである。
◇引用元:松下幸之助「経営心得帖」PHP文庫

君子のふみ行うべき道は、たとえば遠方の土地に行くのも必ず近くから

2016-03-15 | 自分自身
君子のふみ行うべき道は、たとえば遠方の土地に行くのも必ず近くから始めるようなものであり、たとえば高いところへ登るのも必ず低いところから始めるようなものである(中庸)。

◇読んで思ったこと:極端で遠大な目標を立てるのではなく、身近なところからひとつづつやり遂げてゆけばよい。目標が大きすぎるとすぐに挫折する。
もし目標達成のための道筋に階段があるのなら、一段づつ着実に登るようにする。階段を一段飛ばし、二段飛ばしと先を急いでも、結局は先々つまづいて、階段を登り直すはめになる。
◇引用元:金谷治訳注「中庸」岩波文庫

達とは行を積み徳をかさね、それが他の人々を感動させることである

2016-03-08 | 自分自身
達とは行を積み徳をかさね、それが他の人々を感動させることである(吉田松陰)。

◇読んで思ったこと:うまくいかない原因を他人他物に求めたり、努力もしないで人の助けを期待しているうちは、何事も成就することはない。すべて原因は自分自身の心の中にあるのであって、自分と向き合って解決策を考えていかなければ、環境は改善されない。また、まず自分自身が目一杯努力すべきであり、他人の助けは考えず、自分のできることに集中することが大切である。そのように取り組んでいると、そのうち強力な協力者が現れて、ついに物事を成し遂げるのである。古語にある「至誠は人の心を動かす」というのは、こういうことをいうのだ。
◇引用元:近藤啓吾「吉田松陰『講孟劄記』」講談社学術文庫