三丁目感想～父ちゃんと息子と六子ちゃん

暖かく、チョッピリ切なく、ノスタルジックなこの作品が僕は大好き。
お気に入りのシーンについて少し書いてみようと思う。

まずは、鈴木オートの父ちゃんと息子と六子ちゃん
父ちゃんの勘違いで六子とトラブッた時。
「大変だ！父ちゃん！！」父親の間違いに気付いた息子は、自分のミスに
慌てて六子の篭城している押入れの前に駆けつける父親に、まるで父の落ち度は自分の落ち度とばかりに父と同じように押入れの前に正座する。
侘びの言葉を言いよどむ父に対して「潔くないぞ！」と抗議の視線をなげたりもして。
普段はヤンチャな子供なんだけど、このときは一人前の大人のように、ケジメをつけろ。
と父親にせまるのだ。
この息子を見ていると、「父ちゃん」がどういう人なのか解る。
キットこの息子は父親に似ているんだろうな。

結局「すまなかった」と六子に詫び、自分も迷っていた、確かに町工場の修理屋だけど
きっといつか、大きな会社になれると信じている。
と自分の思いをを語る時の則文の目も好き。
戦争を経験し、どん底から這い上がってきて希望を捨てずに上を目指してたくましく生きる姿はとても素敵だ。
少々乱暴で強引でも、どんな時にでも前向きに努力できる、頼りがいのある素敵な父ちゃんだ。

「社長さんに酷い事を言った」と泣きながら押入れを開ける六子。
どちらかといえば癇癪を起こした社長に酷い事をされてるのは六子の方なのに
社長に暴言を吐いて彼を傷つけたことに心を痛めて涙を流す彼女の姿にも好感がもてた。
心根の優しい強い子だな。と思う。

自分の非を認めて、謝る。というのは当たり前のことだけれど、中々勇気のいる事だ。
上手く言い逃れして誤魔化してしまいたくなる。
けれどその気持ちに負けずにケジメをつけられる人でいたい。
そう思った。