ある「世捨て人」のたわごと

「歌声列車IN房総半島横断鉄道」の夢を見続けている男・・・ 私の残された時間の使い方など

男が心をきめたら、なしとげられない旅は、この世にはない・・「ソロモン王の洞窟」第5章から

2013年12月04日 | 好きな歌

 「いちうたグループ」オリジナル・イメージソング集

  

思い出の語句
私たちは闇からきて、闇の中へ去って行くのだ。夜、嵐に吹かれて、どこからともなくやってきた小鳥のように、私たちの羽ばたきは、一瞬、灯火のなかに見えるが、それもつかの間、あっという間に、ふたたび私たちは、いずこへともなく飛び去って行く・・

ひとたび男が心をきめてかかったら、なしとげられない旅は、この世にはないはずだ。愛に憑かれ、自己の生命をかえりみず、生きるも死ぬも神の摂理にまかせるならば、登れぬ山、超えられぬ砂漠は存在しないのだよ、ウンボパ。
ただ一つ、おまえの知らないあの山と砂漠を除けばな」

 「ソロモン王の洞窟」第5章から

 これまではH. Riderr Haggrd ヘンリー・ライダー・ハガード原作の「洞窟の女王」にある言葉と信じ込み、丹念に読んだが、懐かしい語句は探せなかった。翻訳者が異なるためでもなかった。

私が須賀川商業学校(現在の福島県立須賀川高等学校)の3年の頃、国語担当の大中一郎先生(作曲家大中寅二さんの兄)の指導を受けていた。
卒業を前にして「愛読書の読後感」という作文を書きなさいという宿題が出された。

 これまでに何度も同じことを、ブログに書いたので繰り返しになり「またか」と思われるが、提出した宿題が三重丸を付けられて返された。

その元になる文言を探し続けていたが、60年ぶりで出逢うことが出来た・・・、ということで、「今日という日は最高に素晴らしい日である」と思ったのだ。

今朝の4時頃である。眠れない身をベッドに横たえながら、ラジオ深夜便で流れる、芹洋子さんの「穂高よ、さらば」をイヤホンで聴いていた。[*]

そして「洞窟の女王」と同じ作家ハガードの「ソロモン王の洞窟」第5章を読んでいた。・・・というよりは「ページを開いていた」が正しいかも知れない。

[*]ちなみに、放送はされなかったが、雷撃隊出動の歌~「穂高よさらば」の元歌がYouTubeで公開されている。・・・・続きは穂高よさらば」の下をご覧下さい。

 

穂高よさらば 横内正&山の仲間達
https://www.youtube.com/watch?feature=player_detailpage&v=QXb4CTiv4wQ

 穂高よさらば
吉野満彦・作詞 古関裕而・作曲
歌 横内正&山の仲間達

 (1) 穂高よさらば 又来る日まで
  奥穂に映ゆる あかね雲
  返り見すれば 遠ざかる
  まぶたに残る ジャンダルム

 (2) 滝谷さらば 又来る日まで
  北穂へ続く 雪の道
  返り見すれば 遠ざかる
  まぶたに残る 槍ヶ岳

 (3) 涸沢さらば 又来る日まで
  横尾へ続く 雪の道
  返り見すれば 遠ざかる
  まぶたに残る 屏風岩

 (4) 岳沢さらば 又来る日まで
  前穂を後に 河童橋
  返り見すれば 遠ざかる
  まぶたに残る 畳岩

 ※ 作詞者の表記は「吉野満彦」となっているが、RCCⅡを創設した「芳野満彦」氏のよう­だ。芳野氏が作詞したのは第一聯だけで、後から「田村扇吉」氏を始めとする何人かによ­り次々と歌詞が付け加えられて出来上がったという。
 本歌は軍歌「雷撃隊出動の歌」

 

・・・・・そんな半分は眠っている状態のときに、ハッと気づいたのがこの文言(抜粋)である・・・・。

嬉しいことに今朝になって、その「思い出の語句」と、実に60年ぶりに出逢うことが出来た。
(翻訳者は異なりますが・・・)

「思い出の語句」は大久保康雄訳・創玄推理文庫「ソロモン王の洞窟」第5章
(1972年8月25日・82ページ)の文章でした。 

ウンボパは、ほとんど英語を話さないが、聞いて理解することはできた。
「遠い旅だよ、インクブ」と彼は言った。 私はそれを通訳した。

「わかっている」とヘンリー卿は答えた。
「遠い旅だ。
しかし、ひとたび男が心をきめてかかったら、なしとげられない旅は、この世にはないはずだ。愛に憑かれ、自己の生命をかえりみず、生きるも死ぬも神の摂理にまかせるならば、登れぬ山、超えられぬ砂漠は存在しないのだよ、ウンボパ。
ただ一つ、おまえの知らないあの山と砂漠を除けばな」

私はそれを通訳した。

「すばらしい言葉だ」と、このズールー人は言った。(彼は本当はズールー人ではなかったが、私はいつも彼をそう呼んでいた)。「立派な偉大な言葉だ。これこそ男が口にするにふさわしい言葉だ。まったくあんたのいうとおりだ、インクブ。私のいうことも聞いてもらいたい。生命とは何か。それは羽毛だ。草の種だ。風であちらこちらに吹きとばされ、ときには子孫をふやし、ときには枯れ死に、ときには天国まで運び去られる。しかし、もしそれがいい種であれば、希望する道を、わずかながらでも進むことができるだろう。自分の行くべき道を進み、風雨にさらされるのはいいことだ。人間は死ななければならない。最悪の場合でも死ぬのが少々早くなるだけのことだ。私は途中で地に倒れることがないかぎり、砂漠を渡り山を超えて、あんたといっしょに行く」

彼は、しばらく間をおいてから、ふたたびズールー人特有の雄弁をふるいはじめた。その雄弁は、意味のない言葉のくりかえしにすぎなかったが、この種族に詩的本能と知的能力が欠けていないことを示すには十分だった。

「生命とは何か。教えてくれ、白人よ。世界の秘密、星の秘密、星の周囲の世界を知っている賢明な白人よ。声を出さずに遠方から一瞬のうちに言葉を送ることのできる白人よ。教えてくれ、私たちの生命の秘密をーーそれはどこへ行き、どこからくるのか!

それはあんたがたにも答えられないだろう。あんたがたは知らないのだ。聞いてくれ、私が答えよう。
私たちは闇からきて、闇の中へ去って行くのだ。夜、嵐に吹かれて、どこからともなくやってきた小鳥のように、私たちの羽ばたきは、一瞬、灯火のなかに見えるが、それもつかの間、あっという間に、ふたたび私たちは、いずこへともなく飛び去って行く。
生命は無だ。だが同時に生命はすべてだ。生命とは私たちが死を押しのけようとする手だ。生命とは、夜は光るが、朝になると黒くなる蛍だ。冬に牛がはく白い息だ。草原をよぎって走りまわり、日没と共に消えうせる小さな日影だ」

king solomon's mines (opening)
http://www.youtube.com/watch?feature=player_detailpage&v=hkwL9-_IpCA 

 


   こちらは、世界大衆小説全集(小山書店版)・第1期・第5巻「ソロモン王の宝窟・洞窟の女王」1955年2月25日発行有限会社生活百科刊行会・大木淳夫訳 45ページの文章です。

ウンボパは、めったに英語で話さなかったけれど、わかることはわかった。
「遠い旅ですよ、象の旦那」とウンボパが口を出したので私はそれを通訳した。
「そうだ、遠いとも」ヘンリー卿がそれに答えた。
「しかし、人間がやろうと思ったら、やれないような旅は地球上にないよ。ウンボパ、人間にできないってことはないよ。人間に登れない山はないよ。人間に越せない砂漠はないよ。
山や砂漠についての知識がとぼしいなら別の話だが、そうでないかぎり、人間が愛の力にみちびかれて、生命(いのち)を無にしてかかり、生きるも死ぬもすべて神の思召(おぼしめし)のままという覚悟でいれば、何だって人間にできないことはないよ。」

私がそれを通訳した。

「えらいことばです」と、このズル人は答えたーーウンボパは、ほんとうはズル人ではないのだが、私はいつも奴のことをズル人と呼んでいたのである。

「いかにも男らしい、りっぱなことばです。まったく、あなたのおっしゃるとおりです。象の旦那。まあ、きいてください。生命(いのち)とは何でしょう?羽毛(はね)です。草の種子(たね)です。風に吹かれてあっちへ飛び、こっちへ飛び、時には増え、時には死に、時には天まで運んでゆかれます。人間どうせ一度はしななきゃなりません。いくらわるくたって、すこしばかり早く死ぬだけのことです。ひょっとして途中でへたばるようなことのないかぎり、砂漠を越え、山を超えて、その向こうまでも、私はあなたといっしょに行きますよ、旦那」

ウンボパはしばらく黙ったが、こんどは例の美文調で滔々(とうとう)とまくしたてた。ズル人種がともすれば溺れきってやるやつだ。それは、私の見るところでは、やたらと同じことをくりかえすにすぎないのだが、この人種にも詩的本能と知的本能とがけっして欠けていない証拠である。

「生命(いのち)とは何です?お偉くて、世界の秘密も、星の世界も、星の上や、ぐるりにある世界までも知っておられる白人の方々、話してください。遠くから声もなく、あなたのことばをつたえることのできる白人の方々、生命の秘密を話してください、白人の方々ーーいったいそれは、どこからきて、どこへ行くのですか?

「あなた方は答えることができません。知っておられないのです。おききなさい。
私が答えましょう。
われわれは闇からきて、闇の中へ行くのです。夜、嵐に吹かれて来た鳥のように、われわれは、どこからともなく飛んできたのです。われわれの翼が、火の光でみえますけれど、ああ、われわれはまた、どこへともなく飛び去って行くのです。
生命(いのち)は無です。いっさいです。それは、われわれが『死』を追いはらう『手』なのです。夜は光り、朝は黒くなる蛍(ほたる)です。冬に牛の吐く白い息です。草の上をかすめて走り、日が沈むと、消えてしまう小さな影です」

King Solomon's Mines (Beginning)
http://www.youtube.com/watch?feature=player_detailpage&v=bf9PgJ5TZ9c 

 


  こちらは ソロモン王の寶窟(訳:平林初之輔)からの文章 

クリックして、目次の第5章を開いてください。 

目次 

以下略

 

ご注意:下記の本①②とは訳文が違います。 

①大久保康雄訳・創玄推理文庫(1972年8月25日発行・82ページ(現在販売中)

②大木淳夫訳・世界大衆小説全集(小山書店版)・第1期・第5巻「ソロモン王の宝窟・洞窟の女王」1955年2月25日発行・有限会社生活百科刊行会・45ページ(中古本)

 ソロモン王の寶窟(訳:平林初之輔)

第五章 「沙漠に向ふ」からの抜粋

ウムボパは、英語の話はあまりできなかつたが、英語を聞くことはできた。
「遠い旅ですよ」と彼は口を挾んだ。 

「さうだ」とサー・ヘンリイは答へた。「遠いには遠いが、
人間がやらうと思つてやれない旅はない。 人間にできないことはないよ、ウムボバ。人間に登れない山つてないよ。 越せない沙漠つてないよ。愛に導かれて、命を捨てゝかゝれば、何だつて人間にできないことはない。」

私はそれを通譯した。 

「えらい」とウムボパは答へた。「あなたの口によく似合つた言葉です。あなたの仰有る通りですよ。 命なんて何物です?命なんて羽毛《はね》のやうなものぢやありませんか。 風のまに〜吹きとばされる草の實のやうなものです。どうせ人間は一度は死なゝくちやなりません。 まかりまちがつたつて、少しばかり早く死ぬといふだけです。私は、 途中でへたばつてしまふまでは、沙漠をこえて山の向うまであなたについて行きます。」 

彼はしばらく言葉を切つたが、それからズル人に特有の雄辯を揮《ふる》つて滔々と語り出した。 その話には隨分無駄な反復もあつたが、この民族にも詩的本能と、智力が無いではないといふことを示してゐた。

 「命とは何です?物識りで、世界の祕密も、星の世界も、星の向うにある世界も知つてゐなさる白人の方々、 教へて下さい。生命《いのち》の祕密を教へて下さい。生命《いのち》といふものは何處から來て何處へ行くのです? 

「あなた方には返事ができませんね。あなた方は御存じないのです。聽きなさい。 私が答へませう。
吾々は闇の中から來て闇の中へ行くのです。夜、嵐に吹かれて飛んで來た鳥のやうに、 吾々はどこからともなく飛んで來たのです。そして、しばらくの間吾々の翼は火の光りで見えますが、 またどこへともなく飛び去つてしまふのです。生命《いのち》は何でもないものであり、 また凡てゞあるのです。それは吾々が死を追ひ拂ふための手です。 夜光つて朝になると黒くなる螢です。冬、牛の吐く息です。 草の上を這つて日が沈むと消えてしまふ影です。」

  以上はソロモン王の寶窟(訳:平林初之輔)からの抜粋です。

 驚いたことに、この本を丸ごとPDFにしたものがインターネット・アーカイブのサイトで公開されています。

下のURLをクリックすると、改造社版「洞窟の女王」平林初之輔先生訳のPDF(各ページ・表紙・本文1~310ページ・裏表紙・日本語)を見ることが可能です。
前ページをに戻ったり、次のページを開くなど、あたかも自分の手元に実物があるようです。(ダウンロードに約4分かかります)
http://archive.wul.waseda.ac.jp/tomon/tomon_19258/tomon_19258.pdf

 以上はソロモン王の寶窟(訳:平林初之輔)からの抜粋ですが、英語のインターネット・アーカイブも利用できます。

 以下もアーカイブサイトで公開されていますが(オンライン・リーデング)は原書(英語版)です。クリックすると、直ぐにダウンロード出来て便利です。

ソロモン王の洞窟
 https://archive.org/stream/kingsolomonsmine00hagguoft#page/n5/mode/2up

 


  
参考までに、こちらのアーカイブ(英語版)もどうぞ・・・・

She 洞窟の女王
http://archive.org/stream/cu31924098819562#page/n59/mode/2up

Allan Quatermain 二人の女王https://archive.org/stream/allanquatermains82hagg#page/8/mode/2up

 
Ayesha, the Return of She 女王の復活
https://archive.org/stream/ayeshareturnshe00hagggoog#page/n8/mode/2up

  


  原文(英語)

Umbopa understood English, though he rarely spoke it.

"It is a far journey, Incubu," he put in, and I translated his remark.

"Yes," answered Sir Henry, "it is far. But there is no journey upon this earth that a man may not make if he sets his heart to it. There is nothing, Umbopa, that he cannot do, there are no mountains he may not climb, there are no deserts he cannot cross, save a mountain and a desert of which you are spared the knowledge, if love leads him and he holds his life in his hands counting it as nothing, ready to keep it or lose it as Heaven above may order."

I translated.

"Great words, my father," answered the Zulu—I always called him a Zulu, though he was not really one—"great swelling words fit to fill the mouth of a man. Thou art right, my father Incubu. Listen! what is life? It is a feather, it is the seed of the grass, blown hither and thither, sometimes multiplying itself and dying in the act, sometimes carried away into the heavens. But if that seed be good and heavy it may perchance travel a little way on the road it wills. It is well to try and journey one's road and to fight with the air. Man must die. At the worst he can but die a little sooner. I will go with thee across the desert and over the mountains, unless perchance I fall to the ground on the way, my father."

He paused awhile, and then went on with one of those strange bursts of rhetorical eloquence that Zulus sometimes indulge in, which to my mind, full though they are of vain repetitions, show that the race is by no means devoid of poetic instinct and of intellectual power.

"What is life? Tell me, O white men, who are wise, who know the secrets of the world, and of the world of stars, and the world that lies above and around the stars; who flash your words from afar without a voice; tell me, white men, the secret of our life—whither it goes and whence it comes!

"You cannot answer me; you know not. Listen, I will answer.
Out of the dark we came, into the dark we go. Like a storm-driven bird at night we fly out of the Nowhere; for a moment our wings are seen in the light of the fire, and, lo! we are gone again into the Nowhere. Life is nothing. Life is all. It is the Hand with which we hold off Death. It is the glow-worm that shines in the night- time and is black in the morning; it is the white breath of the oxen in winter; it is the little shadow that runs across the grass and loses itself at sunset."

  OUR MARCH INTO THE DESERT
 http://freeread.com.au/@RGLibrary/HRiderHaggard/Quatermain/KingSolomonsMines.html#chap5

 以下の格言は、H. Riderr Haggrd ヘンリー・ライダー・ハガード版と酷似ですね。

やる気があれば何でも簡単に

All things are easy, that are done willingly.《進んでやれば何でも簡単である》

物事の成功のためには、まず何かをやり遂げようとする意欲がなければなりません。意欲さえあれば、大抵のことはできるものだし、また苦労も苦労とは思わないものです。

(a) Faith will move mountains.《信念は山をも動かす》
(b) A willing burden is no burden.《喜び勇んでする苦労は苦労でない》
(c) Where your will is ready, your feet are light.《気持ちの準備ができていれば心は軽い》
(d) Where there is a will, there is a way.《意志のあるところには方法がある》

「精神一到何ごとか成らざらん」
「為せば成る為さねばならぬ何事も成らぬは人の為さぬなりけり」(江戸時代、米沢藩主の上杉鷹山が家臣に示した歌)

 


 King Solomons Mines.
http://www.youtube.com/watch?feature=player_detailpage&v=bl6RTq3kTp8 

King Solomon's Mines (1937) full movie
http://www.youtube.com/watch?feature=player_detailpage&v=xoW3MnrQnEQ 


 参考

第十回『ソロモン王の洞窟』の巻(執筆者・東京創元社S) - 翻訳ミステリー ...

以下抜粋

先日翻訳ミステリー大賞シンジケート事務局の方から教えていただいたのですが、前回の『狼殺し』の原稿アップ後、シンジケートのサイト経由でamazonの古書が五冊売れたそうです! え、それは親切で心の広い慈愛に満ちた神様のような方々が、私の記事を読んで興味を持ってくださったということ……? 大変うれしいお知らせでした。ありがとうございます! 今回の課題は我が社の本、ということで、こちらも頑張って書けば少しは売り上げにつながるのかしら? と思ったり思わなかったり本音を言えばちょっと期待しちゃったりしてるんですが、欲を出すのはいかんと思うのでいつもどおりのテンションで書きたいと思います。

  さて、そんな今回の作品はH・R・ハガードのソロモン王の洞窟です! 

 ソロモン王の洞窟 (創元推理文庫 518-1)

ソロモン王の洞窟 (創元推理文庫 518-1)

 ◆あらすじ◆

 ソロモン王の時代から、暗黒大陸アフリカの奥地に眠り続けるという莫大な財宝を求めてカーティス卿とアラン・クォーターメンの一行は、一枚の地図をたよりにして出発した。砂漠の焦熱地獄を乗り越えてようやくソロモン街道にたどり着いた一行を待っていたのは……。雄渾な筆致と奔放な想像力で描く不滅の秘境大冒険小説!

(東京創元社ホームページより)

 ソロモン王の洞窟は1972年初版刊行の本ですが、未だに版を重ねているロングセラーの作品です。ちょうど編集部に初版本があったのでそのまま読みましたが、訳文もすごく読みやすく、いろいろな味わいのある面白い本でした。

  物語は著名な探検家アラン・クォーターメンのところに、英国の貴族ヘンリー・カーティス卿が訪ねてくるところから始まります。ヘンリー卿は行方不明の弟を探して莫大な財産が眠っているというアフリカの奥地へ行くつもりで、経験豊かなクォーターメンに案内を頼んだのでした。この作品はクォーターメンさんの回想記という形式で、彼らの冒険をあますところなく描いています。

  読み始めてまず、好きだな~と思ったのが、波瀾万丈な展開です。クォーターメン一行は旅の途中でさまざまな困難にぶつかります。灼熱の砂漠で一滴の水も飲めなくなってしまったり、ライオン狩りの最中に仲間が死んでしまったり。怪しげな魔女のような老婆がいたり、残虐な殺戮を繰り返すアフリカ原住民の王様と戦ったり。そのような異国情緒(?)あふれる出来事がいかにも「秘境冒険!」という感じで、読んでいてとてもわくわくしました。まぁインディー・ジョーンズの世界ですよね。やっぱり頼もしい仲間が集まって伝説の秘宝を求めて旅をするというのは、王道かつ魅力的だなーと思いました。

 以下略

詳しくは、こちらをご参照ください。

第十回『ソロモン王の洞窟』の巻(執筆者・東京創元社S) - 翻訳ミステリー ...

 「いちうたグループ」オリジナル・イメージソング集

 


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