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出エジプト記・・・「出エジプト」は事実か

2016年08月19日 | 語学

出エジブト
世界史の窓より
出典→
 http://www.y-history.net/appendix/wh0101-073.html

 「出エジブト」とは

旧約聖書に物語られている、ヘブライ人がモーセに率いられて、エジプト新王国の支配から逃れてパレスチナに脱出したこと。 

 旧約聖書によれば、パレスチナで牧畜に従事していたユダヤ人(これは後の名称。自らはイスラエル人と称し、エジプトではヘブライ人と言われた)が、飢饉に遭遇し、豊かなエジプトに移動して、農耕生活を営むようになった。
 
しかし新たなエジプトの王(ファラオ)がイスラエル人の豊かな生活をねたみ、奴隷として都の造営などに使役することになった。
ファラオはイスラエル人の反発を恐れ、男の子を皆殺しにすることを命じたが、一人の男の子だけは葦船に乗せられて助けられた。
 
その子が成長してモーセとなる。モーセに率いられたイスラエル人はエジプトから脱出したが紅海を前に追いつめられる。モーセがヤハウェ神に祈ると、紅海がまっぷたつに割れて道が出来、イスラエル人は逃れることができ、エジプト兵があとを追ってその道に踏み込むと、海はもとどおりになって溺れ死んでしまった。エジプトの逃れたイスラエル人は、シナイ半島のシナイ山で神からモーセに十戒が授けられる。<『旧約聖書』出エジプト記> 

「出エジプト」は事実か 

 「出エジプト」(the Exsodus)はヤハウェ神によるユダヤ民族に対する救済であり、ユダヤ教の成立の最も重要な契機とされているものであるが、ヘブライ人(イスラエル人=ユダヤ人)の「出エジプト」は『旧約聖書』の「出エジプト記」に述べられているが、同時代の他の歴史資料には見られない。 
 
また「出エジプト」の前提の「入エジプト」についても事実であるかどうか、確証はない。しかし、全くの虚構であるとは言えない。パレスチナの遊牧民が豊かなエジプトに移住し、建築労働などに従事し、ハピルと言われていたこと、彼らはメソポタミア川の資料に出てくるハベル、またはハピルに対応していることが知られており、ヘブライもそこから出たと考えられるので、あり得ないことではない。
 
ただ、イスラエル人すべてが移住することはあり得ず、その一部がエジプトで奴隷とされたこと、彼らがパレスチナに戻り、その経験がイスラエル人全体の民族的体験に拡大されたことが考えられる。 

「出エジプト」の時期と規模 

 旧約聖書にはヘブライ人は「ピトムとラメセス」の町の建設に従事したとあり、ラメセスとは新王国ラメセス2世が建設した「ラメセスの家」のことと考えられている。そこでヘブライ人がエジプトに板敷きは多くの研究者は前14世紀末~前13世紀の新王国第19王朝の頃としている。 
 
その規模は、旧約聖書によれば、「壮年男子だけで六十万人」だったという。家族を併せれば数百万人規模の大移動だったことになる。 
 
これは言うまでもなく過大な誇張であり、それだけの大移動であれば当時のエジプトの歴史資料で出てこないはずはないが、その痕跡は残っていない。
 
ということは、「出エジプト」は事実であったとしても、旧約聖書に物語られているようなものではなく、ごく小規模な移動であったと思われる。 
 
また、紅海での奇蹟も、そのルートは聖書の記述にも矛盾があり、場所を特定するのは不可能である。<山我哲雄『聖書時代史・旧約編』2003 岩波現代文庫 p.26-35>

出エジプト記 - ウィキペディア→http://bit.ly/1N3J0xv

出エジプト記』(しゅつエジプトき、ヘブライ語: שמות英語: Exodus)は、旧約聖書の二番目の書であり、『創世記』の後を受け、モーセが、虐げられていたユダヤ人を率いてエジプトから脱出する物語を中心に描かれている。モーセ五書(トーラー)のひとつであり、ユダヤ教では本文冒頭の言葉から『シェモース』と呼ぶ。全40章から成る。 

構成

エジプト脱出とシナイ山での契約が二つの大きなテーマとなっている。

  • エジプト脱出
    • ヤコブ後のエジプトにおけるユダヤ人の状況(1章)
    • モーセの物語(2章 - 4章)
 
"エジプト第七の災い"、ジョン・マーティン、1824年
  • 神と民の契約
    • 十戒の授与(20章)
    • 契約の書(20章 - 23章)
    • 契約の締結(24章)
    • 幕屋建設指示とその規定(25章 - 28章)
    • 儀式と安息日の規定(29章 - 31章)
    • 金の子牛(32章 - 33章)
    • 戒めの再授与(34章)
    • 安息日と幕屋の規定(35章 - 39章)
    • 幕屋の建設(40章)

成立

『出エジプト記』はエジプト脱出の物語に後から契約の内容と細かい規定が組み合わされて完成したと考えられている。モーセ五書の配列で『出エジプト記』の次にあたるのは『レビ記』であるが、『レビ記』は全編が宗教的規定に関しての書であるため、『出エジプト記』は内容的にはその次の『民数記』へ繋がっているといえる。

なお、22章18にある「呪術を使う女はこれを生かしておいてはならない」という部分が『欽定訳聖書』では「魔女」(witch)と訳され、この『聖書』が広く読まれたことで、魔女狩りの『聖書』における根拠とみなされることになった。

ちなみにキリスト教において旧約聖書という時、「旧約」すなわち古い契約というのはこのシナイにおける神と民との契約のことをさしている。

 


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