この記事は、下記のサイトの引用(ご紹介)です。http://www.geocities.jp/winter_hawk_87/Revew1/KingSolomonsMines.html
『ソロモン王の洞窟』(King Solomon's Mines)
著者 ヘンリー・ライダー・ハガード 訳者 大久保 康雄
出版社: 東京創元社 ; ISBN: 448851801X
●ストーリー 名高い冒険家で狩猟家であるアラン・クォーターメンは、弟の行方を捜しているというヘンリー・カーティス卿から協力を要請される。彼等はカーティス卿の友人ジョン・グッド大佐らと共に、アフリカの奥地にあるという、伝説の「ソロモン王の洞窟」を目指して旅立った…! |
●感 想 ヘンリー・ライダー・ハガードの原作は、スティーブンソンの『宝島』に対抗して6週間で書かれたとか。何度も映画化されている秘境冒険小説の名作。冒険家アラン・クォーターメンの手記という形式で、ソロモン王の秘宝をめぐる冒険が描かれる。さすがは元祖インディ・ジョーンズ、波瀾万丈の苦難の旅で飽きさせない。クォーターメンはハンターなので、象とか思いっきり撃ちまくり。いくら象牙が欲しいからって殺しすぎだぞ!他にも土人(←差別用語)と闘ったりするが、昔の小説だから大目に見よう(笑)。序盤はスローペースだが、後半は怒濤の展開で盛り上がる。原作では大規模な軍勢の戦闘シーンや、教授の友人ヘンリー卿の勇敢な闘い等、なかなか燃える場面がある。残念ながら映画『キング・ソロモンの秘宝』(1985)では再現されていない。映画『リーグ・オブ・レジェンド/時空を超えた戦い』でショーン・コネリーが演じていたのが、この主人公アラン・クォーターメンである。 |
H・R・ハガードの“冒険家アラン・クォーターメン”シリーズ 『ソロモン王の洞窟』(King Solomon's Mines) |
『キング・ソロモン』(King Solomon's Mines) 製作年度 1937年 製作国 イギリス 上映時間 80分 |
●解 説 最初の映画化。私は未見。 |
『キング・ソロモン』(King Solomon's Mines) 製作年度 1950年 製作国 アメリカ 上映時間 102分 |
●解 説 二度目の映画化。アラン・クォーターメン役はスチュワート・グレンジャー。狩猟ガイドのクォーターメンのところへ、行方不明の夫を探すため訪れたベスと、彼女の兄ジョン・グッド。キャラクター設定が少々変更されているが、旅の行程は結構原作に忠実。謎の原住民ウンボパもパーティーに加え、ソロモン王の洞窟を目指す。ちゃんとアフリカで現地ロケをしており、雄大な自然描写も美しい。動物の暴走シーンなどはかなりの迫力。原作では象牙目当てに像を大量に殺しまくっていたクォーターメンだが(笑)、映画では動物愛護的な性格に変更されている。ベス役のデボラ・カーは美しいが、ジャングル慣れしてないお嬢様設定なので、どう見ても足手まとい。砂漠を横断し、謎の部族の村へ到達。秘宝の洞窟に閉じこめられるが、秘宝が目的じゃないんであっさり脱出。実は部族の王だったウンボパが、現部族王と対立するところも原作通り。原作ではウンボパ派と現王様派とで大群が激突する合戦シーンがあるのだが、映画ではカット。さすがに予算的に再現は難しいか。ウンボパVS悪い王様の決闘で決着をつけることに。もちろんウンボパが勝ってハッピーエンドなのだが、クライマックスで主人公アランが活躍しないので、少々盛り上がりに欠ける気がする。秘境冒険物としては、かなり真面目に作られた良作だ。 |
『ソロモン王の宝庫』(Watusi) 別題 キングソロモン/魔境の伝説 |
●解 説 三度目の映画化。私は未見。 |
『ロマンシング・アドベンチャー/キング・ソロモンの秘宝』(King Solomon's Mines) 製作年度 1985年 製作国 アメリカ 上映時間 100分 |
●感 想 J・リー・トンプソン監督による四度目の映画化。アラン・クォーターメン役はリチャード・チェンバレン。行方不明になった考古学者の父を探すため、娘ジェシーが冒険家アラン・クォーターメンに協力を依頼する…という設定。カーティス卿やジョン・グッド大佐はカットされてしまって出てこない。ジェシー役はまだ有名じゃない頃のシャロン・ストーン。時期的にいかにも「レイダース便乗企画」って感じのしょぼいB級映画。もちろんストーリー的にも原作とは別物。ぬるいお笑い演出の入ったお気楽秘境冒険ものになっている。まあ、そういう映画だと割り切れば、それなりに楽しめる。しかし今時、土人に捕まって野菜と一緒に鍋で煮られるなんて、どういうセンスだ(笑)。いつも逆さまに暮らしている部族とか、よく分からないキャラクターも登場。全体的に軽いノリでパロディ調というか「お馬鹿っぽい」イメージが漂う。原作ファンにお薦めできる内容ではない。ジェリー・ゴールドスミスのテーマ曲だけは無駄に勇ましくてやたらとカッコいいぞ(笑)。続編『キング・ソロモンの秘宝2/幻の黄金都市を求めて』もあり。 |
『キング・ソロモンの秘宝』(King Solomon's Mines) 製作年度 2004年 製作国 アメリカ 上映時間 180分 |
●解 説 TVミニシリーズ版。アラン・クォーターメン役はパトリック・スウェイジ。 髭はなし(笑)。危険な部族に捕らえられた父・メイトランド教授を助けるため、アラン・クォーターメンに助けを求めるメイトランドの娘エリザベス。彼女の叔父・グッド艦長も旅に同行。クォーターメンの仲間のヘンリー卿も参加。謎の現地人ウンボパも加わる。クォーターメンは『キング・ソロモン』(1950)と同じく動物好き(?)になっており、雌象を撃とうとしたハンターを止めたり、死んだ像に謝ったり…。原作と性格違いすぎだ(笑)!この作品ではイギリスにいる息子が登場。親子のドラマ(?)も少々あり。秘宝探しというより、秘宝の地図を巡っての争いがメイン。ライバルである悪人狩猟ガイドが財宝を狙うロシア人と共に邪魔をするが、イマイチ盛り上がらず。銃撃戦とかクォーターメンが撃ってもなかなか当たらずにイライラ。狩猟の名手じゃなかったのかよクォーターメン!原作にある部族の合戦シーンはこの作品でもカット。まあTVだし仕方ないか。クライマックスでの「決闘」はアラン・クォーターメン本人が、悪い王様側の戦士と闘う。そして秘宝の洞窟でロシア人たちと対決。やはり盛り上がりはいまひとつ。ラストシーンは息子を呼び寄せて幸せな風景でエンド。正直、全体的にタルい演出で、予算不足による安い印象もあり、あんまし面白くはない。 |
http://ameblo.jp/classical-literature/entry-11410292362.html
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