ある「世捨て人」のたわごと

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ヤハウェ ウィキペディア(1)

2016年04月28日 | 語学

ヤハウェ ウィキペディア

 

ヤハウェヘブライ語: יהוה‎、フェニキア語: 𐤉𐤄𐤅𐤄古アラム語英語版: 𐡉𐡄𐡅𐡄)は旧約聖書における古代イスラエル唯一神である。

この名はヘブライ語の4つの子音文字で構成され、神聖四文字(テトラグラマトン)と呼ばれる。神聖四文字とこれを「アドナイ」(わが主)と読み替えるための母音記号とを組み合わせた字訳に基づいて Jehovah (イェホヴァ)とも転写され、日本語ではエホヴァエホバ文語訳聖書ではヱホバ)とも表記される。この読み方は16世紀前半にガラティヌス英語版がそのように音訳したのに端を発すると言われている(ただし、Jehova の表記は遅くとも14世紀には使われていた)[1]。近代の研究によって復元された原音に基づいて、これをヤハウェ (Yahweh) と読むのが主流となっている[2]

本項に示す通り、このを指す様々な表現が存在するが、特に意図がある場合を除き、本項での表記は努めてヤハウェに統一する。また本項では、ヤハウェを表す他の語についても述べる。

 

 

普通名詞[編集]

ヤハウェを指して、いくつかの普通名詞もしくはそれに類するものが用いられる場合がある。次にヘブル語表現をカタカナで、また対応する訳語を漢字で示す。

アドナイ
エル(単数形)
エロヒム(複数形)
上帝

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日本語訳聖書では今日、一般に、原文においてヤハウェ יהוה とある箇所を「主」と訳す。

これはおもに、#消失の経緯で後述するユダヤ人慣習による。今日のユダヤ人はヤハウェと読まずに、アドナイ(「わが主」)という別の語を発音するのである。

カトリック系の『バルバロ訳』のほか、『口語訳聖書』(日本聖書協会)などがこれである。また、口語訳聖書を後継する『新共同訳聖書』(同)も、一部の地名(『創世記』第22章14節、#固有名詞で後述)を除き、一貫して「主」とする。

プロテスタント福音派系の『新改訳聖書』では太字で「」とする。これは「文語訳ではエホバ[3]と訳され、学者の間ではヤハウェとされている主の御名を」「訳し」た「」と、これを「代名詞などで受けた場合かまたは通常のを意味することば」とを区別するためである[4]

1893年の時点で日本聖公会は、エホバではなく主の語を用いるべきだとしている[5]

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旧約聖書では、「神」という一般名詞であるエル(古典的なヘブライ語発音でエール)やその複数形エロヒムאלהים: エローヒーム、エロヒーム)などもヤハウェの呼称として用いられる。

一般に、日本語訳聖書ではこれらの音訳は使用せず、これに相当する箇所は漢訳聖書での訳語を踏襲し神とするものが多い。

「全能・満たすもの」を意味するとされるシャダイの語を付してエル・シャダイとした箇所は、全能の神などと訳される。

上帝[編集]

中国語の聖書には、本項の神について「神」という語をあてたもののほか、「上帝」となっているものがかなり存在した。今日もっとも多く使われる和合本という翻訳の聖書も、この語を「神」とした上で1文字分の空白をあけ、2文字の「上帝」と同じ文字送りにしたものが多い[6]

」の字が、「אלהים」または「אלוהים」、古代ギリシャ語「Θεός」、英語「God」の訳語に当てられたのは、近代日本でのキリスト教宣教に先行していたにおけるキリスト教宣教の先駆者である、ロバート・モリソンによる漢文聖書においてであった。[7]

しかしながら訳語としての「神」の妥当性については、ロバート・モリソン死後の1840年代から1850年代にかけて、清における宣教団の間でも議論が割れていた。

大きく分けて「上帝」を推す派と「神」を推す派とが存在したが、和訳聖書の最も重要な資料と推定される、モリソン訳の流れを汲むブリッジマン・カルバートソンによる漢文訳聖書[8][9]は、「神」を採用していた。

ほとんどの日本語訳聖書はこの流れを汲み[10]1938年には「神」という用語についてキリスト教神学者前島潔が論じることはあった[11]ものの、今日に至るまで適訳であるかどうかをほぼ問題とせずに「神」を翻訳語として採用するものが圧倒的多数となっている。

固有名詞[編集]

旧約聖書すなわちヘブライ語聖書の原文には、ヘブライ語で記されたヤハウェの יהוה が6859回登場するとされている。

これは4文字のヘブライ文字からなることから、ギリシャ語ではΤετραγράμματονテトラグラマトン(神聖四字、原義は「四字」)とも呼ばれる。

アラム文字でヘブライ語を記述するようになってからも、この4文字はフェニキア文字で書かれていたとされる[12]

ちなみにこの4文字は、ヘブライ語以外のアルファベットでは、YHVH、YHWH、JHVH、JHWH、IHVHなどと翻字される。

新共同訳聖書』付録には、「神聖四文字YHWH」について次のように記されている。

この語の正確な読み方は分からないが一般にヤーウェまたヤハウェ(文語訳ではエホバ[13])と表記されている。この神名は人名の末尾に「ヤー」という短い形で付加されることが多い(「イザヤ, エレミヤ」)など)

新共同訳聖書』付録30ページ「用語解説」主(しゅ)

なお、同書では「旧約聖書中」とあり、一般にこの固有名詞新約聖書には登場しない。写本などの研究から、原文の新約聖書にも使用されなかったと考えられている。

発音[編集]

もともとヘブライ語は母音表記法を持たなかった。語幹は子音だけから成り活用を母音だけで表すため、文章子音文字のみで記述され、母音の復元はもっぱら読み手の語彙力によった。この方式をアブジャドといい、現代アラビア語などにもみられる。

やがて聖書ヘブライ語が日常言語としては死語になり、ヤハウェにあたる語を何と読むか、正確な発音は消失した。#消失の経緯で後述するように、その発音は人々の口に上らなくなっていたのである。

しかし後に、ニクダーもしくはニクードと呼ばれるいろいろな点々を打つことにより、母音の表記が可能となった。

また、すでにユダヤ人は、詠唱の際にヤハウェの名の登場する箇所をアドナイ(「わが主」、#消失の経緯で後述)[14]と読み替えるようになっていた。

その際、ヤハウェ(の子音字) YHWH יהוה に、アドナイ אֲדֹנָי と同じニクードすなわち -ă -ō -a という母音を示す点々を打って、そう読み慣わした。

これをそのまま読むと、イェホワ (יְהֹוָה YəHōVaH) と読める(文法上、ヘブライ文字yには弱母音のア ă を付けられないため、曖昧母音のエ ə に変化する)。

日本語のエホバ(ヱホバ)、英語の「Jehovah」、および各言語のそれに類する形は、ここに由来するのである。

それらは確率的に正しい読みに偶然に一致する可能性も完全には捨てきれないかもしれないが、あくまで可能性であって、学術的にはヤハウェと推定する見解で今日ほぼ一致している。(異論もある[15])

日本語ではヤハウェの他にヤハヴェ YaHVeH(ヘブライ文字 ו [w]は現代ヘブライ語読みで/v/と発音)、ヤーウェ YaHWe(HのaHを長音として音写)などの表記が用いられることもある。

人名などの要素として用いられる יהוה の略称は「ヤ」 ( יָה [yāh])、「ヤフ」 (יָהוּ [yāhû])等であり、ここから最初の母音はaであったと推測できる。

また、古代教父によるギリシア文字転写形として Ιαουε (イァォウェ)、Ιαβε (イァベ)があり、これらからYHWHの本来の発音は英語式に表記するところの「Yahweh」あるいは「Yahveh」であったと推測されている。

消失の経緯[編集]

#主のセクションにも言及したアドナイ(אֲדֹנַי [’Ăḏōnay][16])の語には、「主 (Lord)[17]」即ちヤハウェを婉曲に指す意味のほか、もともと「私の御主人様 (my master)[18]」即ち奴隷の雇用主など主一般を指す意味がある。

さて、前述の通りユダヤ人は、詠唱の際もアドナイと読み替えるなどして、ヤハウェの名の発音を避けてきた。現在もユダヤ人は一般生活において、ヤハウェをヤハウェと呼ばず、アドナイあるいはハッシェム(הַשֵּׁם [haš Šēm])などと呼ぶ。これらは、ヤハウェとは別の語である。

理由のひとつとして、出エジプト記申命記などにみられるモーセの十戒のうち次に挙げるものについて、直接神の名を口にすることは畏れ多い禁忌である、との解釈が後代に成立したためではないかと考えられている。(同一の箇所である。また、ヱホバとはヤハウェのことである)

汝の神ヱホバの名を妄に口にあぐべからずヱホバはおのれの名を妄にあぐる者を罰せではおかざるべし

あなたは、あなたの神、主の名を、みだりに唱えてはならない。主は、み名をみだりに唱えるものを、罰しないでは置かないであろう。

これは本来その名をみだりに唱え、口にあげること(ヤハウェの名を連呼して呪文とすること、もしくはヤハウェの名を口にあげて誓っておきながら実際には嘘をつくこと)について、「そのようなことをすべきではない」と教えるものであって、名の発音を禁ずる趣旨ではないという説がある[誰によって?]一方で、西暦1世紀にはすでに発音は禁じられており、当時成立した福音書によれば、神の子イエスもこれをはばかって「天の父」などと表現したという。

古くはこの名は自由に口にされていたようである。南ユダ王国崩壊からバビロン捕囚までの時代に書かれた『ラキシュ書簡』にも יהוה は頻繁に現れており、この名がこの時代に至ってもなお口にされていたことがわかる。また、それ以後にもこれを記した史料は散見される。

それがいつ頃から口にされなくなったのか正確には分からない。

しかし、紀元前3世紀初めごろから翻訳の始まった『七十人訳聖書』では、原語のヘブライ語での יהוה が置き換えられ、ほとんどの箇所で「主」を意味するキュリオス (Κύριος) と訳されている。

このことから、この頃にはこの名がアドナイと読み替えられていたのであり、バビロン捕囚以後の300年ほどの間にそのまま発音することが禁忌とされるようになったと考えられる[誰によって?]

This is my Name - יהוה and אהיה (Part 1 of 2)

This is my Name - יהוה and אהיה (Part 2 of 2)

The Pronunciation of the name יהוה (YHWH)

 


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