現代の生活では日常的に五感を使うことが少ないと患者さんを見ていて思います。
お料理をする方はそれで十分に五感を使っているのですが
一人暮らしで外食ばかり、会社との往復の日々という方々は
意図的に五感を使い、手を使って創造することを日々の中に入れておかないと
気付くと心がぐったりしてしまい、どんよりしがちです。
お料理は素材を触りながらそれぞれの感触を手で感じ
材料を切る、混ぜる、盛りつけるなどで目と手指腕の繊細さを磨き
煮えてきたり、焼けてきたときの音に耳を澄ませ
「できたかな~、いいにおい♪」と嗅覚で感知し
味見をしながら味覚を養い、最後は味わって食べるという
一連の中で、仕事とは違った脳の使い方もしています。
花を活けるのもまた然り。
生花を選ぶ所から既に感覚の世界への扉が開きます。
毎日少しずつ茎を切って活け直す作業は
ほんのり立ち上がる茎の青い香りや花のうっすらとした
甘い香りなどなど、五感を揺るがすものがたんまり入っています。
私は普段から精油に馴染んでいるので
生花の柔らかい自然な香りにしびれます(笑)。
犬のように花に鼻を突っ込んでは深呼吸。
この瞬間で相当非日常的時空間を堪能できます。
こうやって、忙しさから少し外れる扉を何個も毎日の中に持っていると
旅に出ずとも、すぐに脳内ワープできますよ。