海・まち・デザイン

市民のまちづくりの会

貴方の思いを「街づくり」に!

2007年11月20日 | 趣意書
貴方の思いを「街づくり」に!
「新町の街づくりを考える市民の集い」趣意書 

 私たちの住む浦安市は、都心へ20分という好立地にありながら、広い空と海を身近に感ずることができる全国でも珍しい快適な住宅地です。三方を海に囲まれ、広々した緑地の向こうに海が広がります。ベッドタウンと呼ばれる「寝に帰る街」ではなく、太陽と風を感じながら家族と日常を楽しむ条件を満たす街です。中央政府からの交付金に頼らない財政基盤を持ち、子供を含め人口が増え続ける未来のある若い街でもあります。

 とりわけ「新町地区」は、埋め立て地という条件を生かし、白地に絵を描くような大胆な都市計画が進められてきました。しかし、その開発もいよいよ最終段階を迎えています。8月15日の「広報うらやす」に「新町地域の土地利用計画変更(案)」が示されました。未利用地も極わずかになりフロンティアに快適空間を託してきた浦安も、いよいよ拡大に終止符が打たれようとしています。人に例えれば成長期で伸びてきた身長がとまり、骨格や心臓や肺の機能がほぼ固まる時期です。浦安は街づくりでの「将来を展望した仕上げ」がいま問われているのです。
 気がかりなことがあります。浦安の開発は住宅公団(現都市再生機構)と千葉県企業庁がエンジンになって進められてきました。両組織ともデベロッパーとして「日本に例がない快適な街を浦安に」と意気込んで取り組んできましたが、現都市再生機構は平成20年までに浦安地区の開発事業を終了させ、企業庁は年に平成24年に解体することが決まっています。

 「街づくり」の担い手だった二つの組織が、「手じまい」に入り、未来を語る元気をなくしています。「官から民へ」の流れでしょうが、所有する土地を民間業者に高く売却することに関心が移っている、とも言われています。私たちにとっては、未利用地がいくらで売れるかより、暮らしがより豊になる土地利用を真剣に考えてもらいたいものです。

 住民の多くは移り住んできた人たちです。お役所やデベロッパーが創った街に根付くとことに懸命で、自分たちから「こんな街にしよう」という提案をする機会はほとんどありませんでした。しかし暮らしの視点で見ると、綺麗な街に潜む不便さや、無機質な都市空間がもたらす潤いのなさが気になることがあります。

 街は人が使い込んで熟成するものです。人が集まり、交流し、充実した暮らしを楽しむ。美しくて人臭い、そんな空間をこの街に増やして行くことが、これからの浦安の価値を高めることになるのではないでしょうか。「与えられた街」から「参加する街」へ。我々の声を街づくりに反映する、きわめて大事な時が今なのです。

企業庁、現都市再生機構、浦安市が中心になってまとめた「土地利用変更(案)」は、公聴会など住民の意見を踏まえ来年3月には都市計画としてまとめられます。行政は「住民の声を聞いた」という手続きを形だけ済ませて、内部で決めた規定方針沿ってことを進める、ということがしばしばあります。ましてや、店じまい寸前の企業庁や賃貸住宅オーナーになった現都市再生機構がどれほど住民の利益に立つのか。両者が土地の所有者であるだけに、浦安市に頑ってもらうのも限度があるかもしれません。ここは市民と行政が一体となって、街づくりに取り組むしかないと思います。

 「わが街・浦安の街づくりに私たちの声を」。多くの参加を希望してやみません。
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 この集まりは、特定の考えを参加者に押しつけるものではありません。私だったらこんな街にしたい、というグランドデザインを語り合い人と人の触発をテコに街への関心を高め、都市計画策定に住民の声を集約し、盛り込むことを目指したいと思っています。