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プラムフィールズ27番地。

本・映画・美術・仙台89ers・フィギュアスケートについての四方山話。

◇ イザベル・アジェンデ「エバ・ルーナのお話」

2025年06月23日 | ◇読んだ本の感想。
まず一言文句を言っておきたい。
まさか「エバ・ルーナ」と「エバ・ルーナのお話」が違う作品だとは思わないじゃないですか!
なので「エバ・ルーナ」を読む前に「お話」の方を読んでしまった!
……まあ特に支障というほどのことはないようですが。でも順番に読んだ方が
面白かったそうなんだよね。


シェヘラザードになぞらえた、短い話の連続。
白水Uブックスだから、これは新書と同じ大きさですか?
およそ350pだけど、各話10ページから長くても20ページくらいの連続なので、
読みやすかった。こういうの苦手な人はいるだろうけど。

「こういうの」とは何を指すかというと、マジックリアリズムってことですかね。
なんというか、呪術や精霊や魔法が当然のようにある世界で(しかしそれらを特に
取り上げることはなく)、展開される濃密な話。

わたしはこの人の「精霊たちの家」を何年も前に読んで、すごく面白いと思った。
……細かい内容は忘れてますけどね。でも世界文学で、名前も知らずに読んで
一番面白く思った作品じゃなかったかな。作家として好きになった。
なので今回はツブすことを目的にラインナップ。

ただ、短編が延々と続いていく(ごくたまに複数話に出て来る人もいるけど)だけなので、
特に話として取り上げたいものはなかったです。
こういう系の話は、読んでいる間の時間を楽しむ。読み終わった後に考えることは
あまりない。少なくともわたしは。

この本の表紙にルソーの「蛇使いの女」が使われているのが本当にぴったりだよね!
まさにこういう話だと思うよ。
――ちなみに余談だが、ルソーは非常にヘタクソな絵と、詩情漂う絵の乖離がものすごく
激しくて、一体なんなんだと。ヘタなのが上手くなっていくわけじゃないところが謎。
ルソーは実は2人いたんじゃないのか。


これからイザベル・アジェンデは全部読んでいくつもりだが、
わが自治体内の図書館には邦訳が全部揃っているわけではないようで……
そもそも邦訳されていないものもそこそこある。文学作品にしては(?)出版点数多いが
まだ3分の2くらいかねえ。いずれは全部訳されていくと思うんだが。

数少ない、友達付き合いが出来る世界文学。今後ともよろしくお願いします。

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