プラムフィールズ27番地。

本・映画・美術・仙台89ers・フィギュアスケートについての四方山話。

< 蜜蜂と遠雷 (1時間20分まで) >

2022年12月31日 | テレビで見た映画。
率直に言って退屈な映画でした。

この原作はちょうど1年くらい前に読んだんだよね。
記憶に新しいところのはずだが、自慢じゃないが登場人物はきれいに忘れている。
本作の主人公が誰なのか微妙なところだろうが、
唯一覚えていたのが主人公と思われる少年のことだけ。

原作のモチーフは「ピアノの国際コンクール」なんだよね。
しかし実際に何を書いているかというと、こういうことだと思う。
なので、映画向きな原作であるように見えて、実は違うのではないか。

そしてその「映画向きなように見えて映画向きではない原作」を、
けっこう誠実に作ってしまったから、退屈な映画になってしまった気がする。
だって描いているのが音楽。――音楽を文字で書くことも難しいが、
音楽を映像で描くというのは輪をかけて難しいことでしょう。

必然的に演奏シーンが長い。演奏自体は良かったと思う。
が、これほど演奏に尺を割くのなら、実在のコンクールのドキュメンタリーを
見ていた方が良くない?いい演奏は必須だから必然的に演奏吹替でしょう?
もう素直にリアルな演奏者の演奏として見たかった。

演奏以外の話部分、そこからの演技部分が全然面白くなかった。
そもそも原作の弱点でもあると思う。一応4人のコンテスタントにフォーカスしてるが
それがストーリーとしてほとんど面白くないんだよなあ。
それを映画にして面白くするのは至難の業。

特に、主人公の少年にはファンタジーこの上ない設定からのリアリティが
必要とされるから、相当難しい役のはずなんですよ。
今回の演者にそこまでを期待するのは無理だったと思う。
若い頃の岡田将生(に今の演技力があったとして)だったらイメージに合ったかなー。

そして松坂桃李が明石にキャスティングされていることが観客のミスリードを誘う。
明石は、脇役とはいわないがそんなに目立つべきではない役。
松坂桃李が明石を演じると、必要以上に役に重みが出ちゃうじゃないですか。

1時間20分は我慢して見たが、どうにも無理になり、そこで視聴終了した。


ただ映画として良かったのは、画の美しさ。
画はきれいだったね。とても美しかった。
――だがここまで美しさが必要とされたかというと疑問。
美しければ美しいだけいいもんかとも思うけれど、画の美しさに比べて
話の退屈さが一層際立ってしまう。

オープニングの数分も画自体は美しかったが、
イメージ映像にここまでの尺を割くかと疑問。
うーん。全体的に話をもっと見たかったな。
そもそも原作にあまり話がないところで、いかに映画として話を作るか。
そういう方向が必要だったと思う。

松岡茉優はわりと見ている女優。すごく好きなわけではないが、いい役をやってますね。
今回のこれも、演技的には頷ける。あとは脚本の問題。

斉藤由貴は基本的に好きだが、今回はあまりにつきすぎた人物造型だったかな。
そこまでスカさなくても良かったと思う。もう少し素直にいい人でも。

平田満の醸し出す雰囲気が良かった。


まあ途中までしか見てない感想だが、途中までしか見られなかった事実も含めて感想。
いまいち。

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