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プラムフィールズ27番地。

本・映画・美術・仙台89ers・フィギュアスケートについての四方山話。

< 引っ越し大名! >

2023年08月19日 | テレビで見た映画。
これも面白くはなかったなあ。

そんなにハードル上げて見ているわけでもないんだけどね?
1時間半、笑わせてくれればいいだけなんだけどね?
時代劇的考証もそこまで厳しく求めているわけでもない。
――でもこんなユルく作られちゃうと全然楽しめないわけで。

これ、実際に松平直矩という人が引越し大名だったとしたら、もっと史実を描いた方が
いいと思うよ。史実ベースの方が面白い作品になりそう。

そういう地道な勉強をあっさり通り過ぎてガワだけ使った話だったんだろうな。
まあじっくり時間をかけて作る映画を狙っていたとは思えないが、
もう少し知識を溜めて、そういうのも映画の内容に反映させてたら、
もっと面白いものになっただろう。

星野源は役者としては初めて見たか。悪くはないですよね。
高橋一生は脳筋キャラじゃ間違ってもないだろう、という根本的なツッコミを除けば
まあ普通。脇役だからこのくらいでいいかも。
高畑充希はあんまり好きなタイプじゃないことを前提にした上で、普通。

まあ役者のいい悪いをいうほどしっかりしていた映画ではなかった気がする。
わたしは時代劇は今後もずっと残って欲しいんだけど、
「ちょんまげと刀を出してれば時代劇」ってことにされても困るんだよな。
まあ変質は不可避だとは思うがね……

でもこれとか、嫌いじゃないけど「超高速!参勤交代」とかの
「なんちゃって時代劇」しか見てない層が、本来の時代劇の核がない上で作る
時代劇しか存在しない世界も、もうそう遠くはないんだよね。



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< 漁港の肉子ちゃん >

2023年01月22日 | テレビで見た映画。
5、6年前に小説は読んだんだよなあ。
けっこう面白かった記憶があるし、人と喋った記憶もあるが、
ここに書いてないのということは、語るべきことはそれほどなかったんだろう。
ストーリーは全然覚えていなかったので、こんな話だったかなあ……と
思いながら見ていた。

映画は、始まってから30分くらい過ぎて、ようやく面白くなってきた。
それまでは設定を延々と続ける「説明タイプ」で退屈だったけど、
30分くらいでようやく男の子が出て来て、話が動き始めたと感じた。

後半は面白く見たけどね。番組の終盤、サッサンの台詞からはずっと泣いていた。
まあファンタジー。この世のどこにも、いないだろうと思う人たち。
それはそれでいいけれども。

気持ちよく見終わったんだけど、でも肉子ちゃんが騙される可能性は
全然減ってないからね。サッサンが見守っててくれるとはいえ、
肉子ちゃんが利口になったわけではないし。
キクリンの洞察力をもってしても、親子の関係が蜜月状態で続くとは思えない。

と、話を考えていくとメデタシにはならん気がする。



西加奈子は「漁港の肉子ちゃん」を読んだ時に課題図書に載せて、
最近順番が回ってきて他の作品も読んだんだけど、
何を読んだか忘れるほどに印象が薄い。「きりこについて」だったか。

読んで面白くないわけではないんだが、薄いのかなあ。
迷った末に感想を残すまでではない、と感じて書かないんだよね。
「きりこ」も確か、変な人だけどひたすら善人なきりこが徐々に周りの人を
幸せにする、という話だった気がする。

デブだったりブスだったり、欠点がある人間でも人に好かれ、人を幸せにすることが
出来るんだよという話なのかなあ。
それはそれで救いがあるといえないことはないが、それでいいのかという気もする。

アニメとして良かったのは色彩の美しさだね。
ポップで賑やかな色使いだったけれど、気に障ることもなく。
能力のある人が存分に腕をふるっているんだろうなあという気がした。
風景の美しさもあったしね。絵力はすごかった。魅力の6割5分は絵。

大竹しのぶの声が別人でびっくり。演技ですねえ。
二宮の声が花江夏樹ですか。キャラクターとしては食い足りない人物だったけど、
話を進めてくれたのは感謝する。

明石家さんまがプロデュースということで少し先入観があったが、
普通に楽しめるエンタメ映画でした。

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< ライオンキング(CG版) >

2023年01月16日 | テレビで見た映画。
最初の20分しか見れなかった。
20分で語ってはいかんのだろうけれども、残しとかないとまた数年後に放映した時に
忘れて見ちゃうしね。

というか、わたしはもともとアニメのつもりで録画したのよね。
多分アニメ版、見てないんだよなー。
ライオンキングはずーっと昔にニューヨークでミュージカルの舞台を見たのみ。
当時は人気最盛期の終わりの始まり、といった時期だったが
チケット取るのはちょっと難しかったですよ。

普通の劇場窓口では売り切れてて、ホテルのコンシェルジュから買ったはず。
多少高めで。立見席だったけど1万円前後だった気がするなあ。
立見席で1万かあ……とだいぶ迷った気がする。

ただ立見席は日本のようにハコの一番後ろというわけではなくて、
平土間席?の最後の列のすぐ後ろ。そこがバーカウンターのようになっていて、
そこに腕を置いて見られるので楽。……なのだろう、アメリカ人の平均身長ならば。

わたしは平均よりは背の高い方ではあるんだけど、あのカウンターは少し高すぎた。
だいたい胸のあたりまで来てしまうので、なんだかカウンターにつかまりながら
見ている感じだった。

立見席は立見席で満杯だったので(しかしちゃんとスペースは確保されている)、
左右に知らない人がずらりと並んで、バーカウンターにかじりついている図が
面白かった。


余談はそんな感じで。映画の話です。

――この映画、よく「実写版」と言われるけど、実写じゃないやん。
CGですよね?CGと実写は違いますよ。
たしかにCGもここまで来たか……という出来ではあるんだけど、
それとは別に、この話でCG版を作る意味がさっぱりわからないよ!

というか、あんまり話はわかってない。
「ジャングル大帝レオ」ってことでよろしいか?

ライオンキングってファンタジーなんでしょう。ですよね?
たった一頭のライオンがアフリカの平原の王って、ファンタジー以外の何ものでもない。
しかしそれを実物と見紛うCGで作るとさ。話が破綻するんや。

シマウマにとってはライオンは捕食者。間違っても心から王と讃えるとは思えない。
マンドリルが仔ライオンを受け取って額に赤い印をつけるか?
ライオンなんて一度に複数頭仔を産むだろう。シンバだけが後継ぎ扱いされる理由は?

こういうのって、アニメだからこそお話として乗り越えられる設定なのであって、
これを実写……もとい、CGでやっても違和感が大きくなるだけ。

王国の動物たちは食い合わないなんて不可能だよね。
生きなきゃいけないし、食べなきゃいけないんだから。
もしそういう王国があったとして、その王国の臣民たちは早々に餓死するか、
王国から出なければ生き延びられなくて、王国には早晩人っ子一人いなくなる。
根本的に無理がある。

その無理がある設定を、何が悲しくてCGで作る必要があるのか。


これだったらナショナルジオグラフィックを見ていた方がなんぼか面白い。
むしろ野生動物の姿はドキュメンタリーで見せてくれ。
話はファンタジーで、キャラクターがリアルというのは、まったく間違ってる。

20分見ていてもそもそもそこらへんが飲み込めないので、全然面白くない。
途中で止めた所以。

兄ライオンに嫉妬する弟ライオンというのもなあ……。
しかもシンバがスカーに言う台詞の煽り具合といったら、なんね?といいたくなる。
もう全然だめ。耐えられない。20分で視聴中止しました。


まあわたしはライオンキングの衣装……というか、セット?と
「サークル・オブ・ライフ」の曲だけで、ライオンキングの魅力とする。
他はいいや。アニメ版は機会があったら見てみるとしても。





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< キングダム >

2023年01月05日 | テレビで見た映画。
なんとなくアニメだと思い込んでいたので、実写の映画が始まった時は肩透かし。
いや、別にいいけど。


根本的に疑問なんだが、これはアクション映画にしていい話なの?

原作は読んでない。人気なんでしょう?始皇帝の話と聞いた気がするが。
始皇帝の話でここまでアクションにするのか……と思いながら見ていた。
まあ歴史をそのまま辿っても少年漫画としては訴求しないだろうが。
呂不韋とか出て来ないのが解せん。
弟と国を分けた対決になりますっけ?

始皇帝について詳しいわけではないが、相当なファンタジーと感じた。
ファンタジーはファンタジーでいいんだけど、山の民とか出て来てもなあ。
わたしは歴史上の人物を使ってのファンタジーって、ちょっとずるいと思うんだよね。
虎の威を借る狐というのとも違うが、魅力的な〇〇の力を借りて
普通の話を魅力的に見せかけるというか。

映画としては全体的に既視感のあった。
中国映画の歴史物ってだいたいこんな感じ。たしかにわたしもそういうのを見て、
日本映画でこの雄大な風景が実現できないのを残念に思ったこともあるけど、
実際に日本映画で巨大な中国城塞とか山野とかを見せられると、釈然としない。
中国歴史物でさんざん見たでー、この風景。

中国歴史物の他に、「指輪」の影響も濃厚に感じてしまった。
この色合い。指輪じゃない?あの化け物も濃厚に指輪。いや、ハリポタだったか?
他の映画の影響を受けるなとも言えないけれど、あまりにダイレクトに感じて。


とはいえ、見てて悪くはなかったですけれどね。
役者はがんばってたと思うし。山崎賢人はどうかなーと思う部分はあれど、
がんばってたことに変わりはない。出来る限りはスタントだろうが、
最小限に抑えたとしてもすっごく大変なアクションシーンの連続。

吉沢亮は相変わらずいい顔。人にあった役柄でした。

長澤まさみはそんなに好きな女優さんではないけれど、今回はすごく美しく見えた。
正体を明かした時には美しさが活きてましたな。
話の中ではそこまで活躍しないんだけどね。まあこういう作品は大どころが
動けばいい話なので、一人一人を繊細に描けというのも筋違いか。


……しかし!映画だけ見てると名前が覚えられないんじゃ!

中国物は……いや、それ以外でも、固有名詞は字幕を出して欲しいよ。
特に中国物はね。エイセイはかろうじていけるとして(しかし漢字が難しすぎる)
シンは信なのか申なのか辛なのかと思うし、ヒョウも漢字で覚えたい気がするし、
大臣の名前も、山の王の名前も、橋本環奈の名前も、漢字が出ないと覚えられない。

名前が覚えられないと、関係性がわからず、ひいては話がよくわかりません。
そう。要は話がよくわからなかったのだ。
兄と弟が争い、それぞれに敵味方がついてわちゃわちゃしているということは
わかったが、それ以上の細かいところは無理。

歴史物は政治物という側面もあるから、そこで登場人物が掴めないと魅力半減ですな。
名前だけで出て来る人が多いから、記憶に定着しづらい。

予習をしておけばもっと面白かったかもね。
でも予習を必要とする映画はエンタメとしてはいまいちだと思うんだよな。
たとえ原作があろうとも、原作を知らない人でも楽しめるように作るべき。

「キングダム2」がテレビ放映したら見るかもしれないけど、
それまで1の話を覚えている自信はまったくない。
というより、覚えるほどの細部を最初からわかってないから、却っていいのかな。
覚えていたら見るでしょう。きっと。

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< 蜜蜂と遠雷 (1時間20分まで) >

2022年12月31日 | テレビで見た映画。
率直に言って退屈な映画でした。

この原作はちょうど1年くらい前に読んだんだよね。
記憶に新しいところのはずだが、自慢じゃないが登場人物はきれいに忘れている。
本作の主人公が誰なのか微妙なところだろうが、
唯一覚えていたのが主人公と思われる少年のことだけ。

原作のモチーフは「ピアノの国際コンクール」なんだよね。
しかし実際に何を書いているかというと、こういうことだと思う。
なので、映画向きな原作であるように見えて、実は違うのではないか。

そしてその「映画向きなように見えて映画向きではない原作」を、
けっこう誠実に作ってしまったから、退屈な映画になってしまった気がする。
だって描いているのが音楽。――音楽を文字で書くことも難しいが、
音楽を映像で描くというのは輪をかけて難しいことでしょう。

必然的に演奏シーンが長い。演奏自体は良かったと思う。
が、これほど演奏に尺を割くのなら、実在のコンクールのドキュメンタリーを
見ていた方が良くない?いい演奏は必須だから必然的に演奏吹替でしょう?
もう素直にリアルな演奏者の演奏として見たかった。

演奏以外の話部分、そこからの演技部分が全然面白くなかった。
そもそも原作の弱点でもあると思う。一応4人のコンテスタントにフォーカスしてるが
それがストーリーとしてほとんど面白くないんだよなあ。
それを映画にして面白くするのは至難の業。

特に、主人公の少年にはファンタジーこの上ない設定からのリアリティが
必要とされるから、相当難しい役のはずなんですよ。
今回の演者にそこまでを期待するのは無理だったと思う。
若い頃の岡田将生(に今の演技力があったとして)だったらイメージに合ったかなー。

そして松坂桃李が明石にキャスティングされていることが観客のミスリードを誘う。
明石は、脇役とはいわないがそんなに目立つべきではない役。
松坂桃李が明石を演じると、必要以上に役に重みが出ちゃうじゃないですか。

1時間20分は我慢して見たが、どうにも無理になり、そこで視聴終了した。


ただ映画として良かったのは、画の美しさ。
画はきれいだったね。とても美しかった。
――だがここまで美しさが必要とされたかというと疑問。
美しければ美しいだけいいもんかとも思うけれど、画の美しさに比べて
話の退屈さが一層際立ってしまう。

オープニングの数分も画自体は美しかったが、
イメージ映像にここまでの尺を割くかと疑問。
うーん。全体的に話をもっと見たかったな。
そもそも原作にあまり話がないところで、いかに映画として話を作るか。
そういう方向が必要だったと思う。

松岡茉優はわりと見ている女優。すごく好きなわけではないが、いい役をやってますね。
今回のこれも、演技的には頷ける。あとは脚本の問題。

斉藤由貴は基本的に好きだが、今回はあまりにつきすぎた人物造型だったかな。
そこまでスカさなくても良かったと思う。もう少し素直にいい人でも。

平田満の醸し出す雰囲気が良かった。


まあ途中までしか見てない感想だが、途中までしか見られなかった事実も含めて感想。
いまいち。

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< Mr.&Mrs.スミス >

2022年11月26日 | テレビで見た映画。
かなり昔の映画で、これ劇場に見に行こうかどうしようか、
けっこう迷ったのを覚えている。
そのわりにはテレビで放映されても見ることもせず、今回初めての視聴。
なかなか面白かった。

よく作ってあるよね。特に前半。
実によくありそうな夫婦の問題。ここを、本筋的にはあっさり描いても
いいくらいだろうに、けっこう丹念に撮っていて。これが最後まで飽きさせない要因。

でも後半はずーーーーーーーっと(驚くくらいずーっと)アクションで、
わたし的には少々だれましたけどね。アクションとしてはすごいと思うし、
好きな人はここで十分楽しめるんだろうけど、わたしはドンパチが好きではない。
自宅が全破されるあたりまでは良かったが。
アクションメインの部分は少々退屈になりました。

この映画でこの人たちは出会い、結婚したのかあ。
ビッグ・カップルでしたね。事実婚の時代が長かったんですね。
チャリティのイメージが強いな。養子を何人も取ったりとか。
アンジェリーナ・ジョリーの方がイニシアティブをとっていたイメージ。
ブラピは人気全盛の頃はマッチョすぎて好きじゃなかったけど、
ここのところ「ロストシティ」「ブレット・トレイン」を見て、
落ち着きというか、いい意味のもったり感が出て来てけっこう気に入っている。

ただ、あの状況からあの夫婦が助かるとは思えないよねー。
双方の組織には死ぬまで追われるのではないか。諦めないのではないか。
それが同じカウンセラーに通えるほど、日常を続けられるとは。
まあ2人が死んじゃうバッド・エンドじゃなくて良かったよ。
こんなアクションコメディで主役2人が死んじゃったら目も当てられない。

洋画が面白かった頃かもしれませんね。
昨今の洋画で食指がうごくのがめっきり減って……。




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< アラベスク >

2022年11月14日 | テレビで見た映画。
1966年の映画。
初めから終わりまで、これでもかというほど全編これサスペンス。
ここまで来るといっそ潔いわ。楽しく見ました。

40分くらいから最後の20分くらいまでは若干中だるみしたかなー。
もうだいたいどんでんは返しつくしただろうと思ったので。
だが結局、最後の最後までどんでんは続くので、後になるとまた面白くなりますよ。
リアリティはない&最後整合性をもって終わるわけではないが。

とにかく絵作りが徹底してたねー。
オープニングからして、サイケデリックな機械的抽象デザインがおどるという
時代を感じさせるデザイン。多分当時は最先端にモダン。

冒頭の眼科のシーンが、もう本当に上手いね。これでもかというサスペンス。
間のサスペンスというか、普通さにひそむ異常性というか。
で、絵面はこってりがっつりサスペンスでしょ。よくやる。ここまでやる。

ザ・サスペンスを見たい向きにはおすすめ。

役者はグレゴリー・ペックとソフィア・ローレン。
ペックは「ローマの休日」の人。この頃は相当に中年で、線や雰囲気が
だいぶ緩んでいるんだけど、それがこの映画の味でもある。
ソフィア・ローレンはイタリアの大女優――しかし見た記憶は少ない。
うん。見てないな。主演作品は見てない。脇役の作品は見たと思うけど。
この人を素直な意味での美人だとは思わないが、存在が艶やかですね。

時代を感じる、いい映画でした。まあわたしは昔の映画でももう少しエレガントな、
ヘップバーンとかが可愛い映画が好きだけど。
あ、そういえば「シャレード」と同じ監督なんだって。
「シャレード」を見たのもずいぶん前だが、言われてみれば。
「シャレード」よりは正統的なアドベンチャーですかね。
素直に見て吉。馬に乗って逃げるシーンが好きだった。



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< アレキサンダー大王(1956年) >

2022年10月07日 | テレビで見た映画。
ハリウッドのこの頃の映画はだいたいあんな感じでしょーと
録画見るの止めようかなと思ったが、見てみたらいつものハリウッドとは
一味違ったように感じた。英雄を描いたわりにはわりと葛藤満載でしたよね。

お父さんとしっくりきていなかったという話は、たしか昔、塩野七生の意見として
読んで、ほーと思った記憶があるが。
でもここまで心が離れているように描くのは意外だった。
西洋人的にはその辺は通説なんですか?まあお母さんを離婚しているという
史実があるから、その息子をうとんじたという想像は出来るけどなあ。

幸いなことにアレクサンダーは個別認識が出来た。
この人がかの有名なリチャード・バートンか。
ああ、「クレオパトラ」でアントニウスか。これは見たはずだ。

他の友人連が認識出来なかったなあ。相変わらず人物の認識が出来ない。
数が多すぎてさー。もう少し減らして欲しい。モブとしての友人連はいらんのだ。

そしてバルシネもよくわからなかった。
友人の妻と不倫?でもアレクサンダーはロクサーヌとも、父の若い妻とも
ナニゴトかありそうな雰囲気を醸し出していたので、バルシネの存在が
効いていた気がしない。何かどーんと恋バナがあっても良かったと思うけど。

後半は若干早回しで見たが、前半は面白かったしまあまあ印象がいい。
それにしてもCGがない時代の映画は全部まるまる撮ったんだもんねえ。
こんな大戦シーンも。
戦車を全速力で走らせるなんて怖いよねえ。

この時代の映画は正直いえば少々タルいが、努力して見ていくようにしたい。


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< ある天文学者の恋文 >

2022年06月24日 | テレビで見た映画。
予備知識全くなしで見始めた。
期待としては、フェルメールの「天文学者」を基にした時代物とかだったら
嬉しいなーと思ったが、残念ながら現代物。
しかもしょっぱなから不倫カップルの話かい。

そして突然アクション映画になる。てっきりCMに入ったもんだと思って
録画を飛ばそうとリモコンを手に取ったが、危ういところで正編だと気がついた。
この段階でこの男女の関係性がよくわからず、いろいろ疑問もあったのだが、
ながら見ながらけっこう引き込まれて見ていた。

空気感が好きだったですね。
不倫じゃなかったらもっといいなあと思ったが。
「奥さんに悪いわ」という台詞があった気がするから、全然出て来ないけど
奥さんはいて、ただの不倫だと思う。

それで死後、娘しか登場しないというのがおかしいけどね。
奥さんが死んでいて、しかし娘が自分と同じ年の相手と付き合うことに
嫌悪感を示しているという話にも出来たと思うけど。
しかも息子が相当小さいので、わたしは娘ではなく、あれが奥さんだと思ってた。
見た感じ、同じ年に見えない2人だったし。

まあ関係性の設定には否定的だが、描いてある内容は良かった。
序盤はミステリアスなんだよね。
「教授は亡くなりました」と教室で聞いているその直前にラインが来ている
状況がシュール。ここ、けっこうぞくぞくした。
そして教授が本当に死んでいるのか確認する行動も。
もうちょっと直接的な行動があるだろうとは思うが、
ここから実は教授という存在はいなかった、とか謎追及の話になるのかと思ったり。

結局そこまでではなく、普通にラブロマンスになるんだけど。
主役二人の演技が魅力的だったのでけっこう見入っていた。
いや、そこまで行動は読めないやろ、というつっこみはしつつ。

むしろ気になったのは、主人公の女性がどこに住んでるのかということだね。
いるのはイギリス?ロンドン?
教授はエディンバラ在住だよね?
で、別荘はイタリア?ロンドンーミラノ間は、日本でいえばせいぜい
東京ー福岡間の距離感だろうが、それでも学生の分際で何度も何度も
その飛行機代を出すのはすごいというか……

結局空気感なんだよな。気に入ったのは。
別荘の風景も美しい。全体的に青い風景。
わたしは映画などは話で評価することが多いけど、この映画は空気感を見て吉。

最後はあれで良かったですか。ちょっと不満だよ。少しぶん投げた感がある。
しかしかっちりきっちり締める話でもないか。

天文学者というのが効いてる。数学者でも行けたかもしれないが。
ただヒロインの論文のタイトルは甘さだけが前面に出て、何の研究なんだよとは思った。
理系の学生でバイトでスタントというのも、時間的に両立するだろうか。

ジェレミー・アイアンズはいいですねえ。
ちょっと拾い物の映画。同じ監督の「海の上のピアニスト」も見てみようかなあ。


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< 嵐が丘(1939年版) >

2022年06月18日 | テレビで見た映画。
多分1992年版の「嵐が丘」は見た気がするなあ。内容は記憶にないけど。

1939年版はさすがに古い。わたしは古い映画が好きな方だけど、
「嵐が丘」をこれで見るのは辛いのではないか……
見続けようかどうしようか迷いながら、始まってから45分くらい経って、
ようやく話に入れた。その後は引き込まれて見た。
ヒースクリフが戻って来たところからですね。

小説の嵐が丘は中学生の時に読んだが、理解できなかった記憶がある。
今回の映画でも納得は出来ず……

お父さんが急に年の近い子供を拾ってきて、なんの心の準備もなく引き合わされたら
敵意を持つのは当然だろう。
せめてお父さんは、ヒースクリフに入浴させ、ぼろぼろの衣服を着替えさせた上で
子どもたちに会わせるべきなのではないか。
その間に子どもたちにこういう経緯で拾って来た、これからどうするつもりだ、
と説明が必要なのではないか。
そしてとっとと死んでしまうなら、子どもたちとヒースクリフの幸福のために、
彼の立場をもっと早く確立させてやるべきだった。

突然そういう子供を連れて来て急に「仲よくしろ」なんて無理だよなあ。
特にヒンドリーに同情する。父親の愛情を奪い合う、
既得権益を侵害する、妹のキャサリンを取られる、
ヒンドリーにとってヒースクリフの存在は自分の立場を危うくするものだろう。

原作でも、キャサリンの心の揺れは納得出来なかった気がする。
華やかさと地位に憧れる浮ついた心と、ヒースクリフへの愛と。
納得出来るようには書いてくれなかった。
キャサリンとヒースクリフの関係性も、「愛しているならもう少しお互い
優しくするもんじゃないのか?」と思った。

映画では、リントン夫人として完全に幸福であるように見えるから、
もっと納得出来ない。
キャサリン役の女優さんはきれいで上手かったから、それで若干の説得力は
付与できたけど、話としてはなあ。臨終の床であんな手のひら返しは……

ローレンス・オリヴィエは無表情ぶりが良かったですな。
ヒースクリフっぽかった。
この2人は実生活ではものすごく嫌いあっていたようですよ。
当時のローレンス・オリヴィエの愛人、ヴィヴィアン・リーが散々愚痴を聞かされたそう。
ヴィヴィアン・リーでも良かった気がするよね。キャシー役は。

妹役の女優さんも、前半非常に存在が空気だけれども、後半は見ごたえがあった。


ただ、わたしはアメリカ人に偏見があるので、ハリウッド映画で「嵐が丘」は
無理なんじゃないかと思った。時代もあるけれども。
イギリス人俳優を使ったとはいえ、一癖も二癖もある原作をあれほど素直に作っては。
わかりやすいのは良かったけど。
文芸大作として作るべき原作だったでしょう。

1939年制作の映画にいうのは酷かもしれないけど、ロケ地の空気感も。
あれはイギリス北部の空気感じゃないよなー。
セットとアメリカの草原だと思う。あんな暑さを感じる光じゃないんだよ、ヒースは。
この話はヒースが陰の主役なんだから、それも違和感。

「ラスト・サムライ」の村の光景がどう見ても日本じゃないところで撮ってた
ことを思い出した。
わたしたち牧畜しないので、あんな草原地帯の見晴らしのいいところに
一ヶ所だけ家を建てるってあり得ないんだよなあ。
あれは完全に農場である。



後半は面白かったけれども。
もう一度見たい作品かというとそうでもない。

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