お母さんと読む英語の絵本

読み聞かせにぴったりな英語絵本から、米国の子どもたちの世界をご紹介
子どもをバイリンガルに…とお考えのお母さんに

併読のパワー:じゃんけんぽん

2010-07-22 | about 英語の絵本

Jankenpon

今日の絵本は、せなけいこ作「じゃんけんぽん」です。この絵本、アメリカのアマゾンでは日本語のまま輸入販売されています。

子どもが集まると、しょっちゅう順番争いがあり、モノの取りっこになり‥‥そんなとき登場するのが「じゃんけん」では? ですよね?

言わずもがな、じゃんけんは、片手で『グー、チョキ、パー』をつくり、勝ち負けを決める手遊び。グーはチョキに、チョキはパーに、パーはグーに勝つ(上記の逆回りが負け)というのがルール。
「じゃん、けん」と掛け声をかけ、間合いをはかり、タイミングをそろえて、「ぽん」で全員が同時に出し、瞬間に勝負を決めます。早く出し過ぎても、遅すぎてもだめ。こうしてあらためて考えてみると、結構コーディネーションのセンスが必要な洗練された手遊びです。

日本人ならほぼ誰でもできる"国民的教養"というべき手遊びですから、もちろん、私も物心ついた時には、もうできるようになっていましたが、でも、どこで、いつ憶えたものやら、全然記憶にありません。うちの娘もいつ、どこで憶えたものやら、いつの間にかできるようになってました。

単に勝ち負けを競って連勝の数を比べて遊ぶというようなこともしますが、一般には、順番を決めたり、その場で簡単な勝ち負けを決めたりするようなときに使います。コインを投げて裏表をあてるコイントスやあみだくじなどのくじ引きなどと同じコンセプトですが、手だけ使えばよく、道具がいらないので便利。

タイミングをそろえるための「じゃんけん」の掛け声には地域によって若干の差があるようです。最近、東京辺りでは(もしかして全国的なのか)「最初はグー。じゃん、けん、ぽん!」と言って、皆がグーを作った手を出してから始めるとか。この「最初はグー」は私も娘も知りませんでした。やっぱり気付かないうちに、どこか浦島太郎になってます。

アメリカにもじゃんけんがあるのですが、でも改めて考えたら、なんと呼ばれているのか知りませんでした。そこで「アメリカ人もじゃんけんするけど、あれ、英語でなんて言うの?」と娘に聞いたところ、「『Rock, Paper, Scissors』って言うのよ」。そうか、やっぱり「石、紙、はさみ」なんだ。じゃあ「じゃんけんを始める時の”かけ声”はなんて言うの?」「だからそれも『Rock, Paper, Scissors!』って言って、手をパッと出すのよ」ふ~ん、そうなんだ。

アメリカのWikipediaで「Rock, Paper, Scissors(じゃんけんぽん)」の起源を調べてみると、どうやらこれは日本発のゲームのもよう。ところが日本語版のWikipediaにはそんなことには全くふれられていません。日本人独特の奥ゆかしさはともかく、もっと声高に「日本発!」を言ってもいいのに、と思うのは、実はこの「じゃんけんぽん」は世界に共通する素晴らしい『コンテンツ』だからです。

日本でも、ゲームに始まり、本や雑誌、テレビのコンテンツに使われていますが、アメリカでも同様。さらに最近では、ソーシャルネットワークの普及に伴って「じゃんけんぽん」がその仕組みの中に広く取り入れられているというのです。

カナダでは最近、Rock Paper Scissors Society(通称"RPS Society":じゃんけん協会)が設立されました。世界的に普及した"Rock Paper Scissors"に世界標準の共通ルールを確立し、それによって、じゃんけんを世界中の人がともに楽しめるゲームに進化させようというもの。2002年からは毎年、世界大会が開催されています。協会のHPでは意匠を凝らしたデザインのTシャツなどさまざまな『じゃんけんグッズ』も売られています。

たかが『じゃんけん』、されど‥‥なのです。これを絵本にした、せなさんの発想とセンスはきわめてグローバルと言うべきでしょう。




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