お母さんと読む英語の絵本

読み聞かせにぴったりな英語絵本から、米国の子どもたちの世界をご紹介
子どもをバイリンガルに…とお考えのお母さんに

復活する ピンクの豚 

2010-01-18 | from Silicon Valley

Source: University of Minnesota, Tax Management Office

「二カ国語を話す人は、バイリンガル(Bilingual)」
「三カ国語を話す人は、トライリンガル(Trilingual)」
じゃあ、まるっきり外国語が話せない人は?
「アメリカン(American)!」
正解!!

アメリカ人の無教養を揶揄して笑うジョークです。けっこう皮肉な毒が含まれているのに、「アメリカ人=外国語不得手」イメージはあまりにもよく知られた事実?!なので、アメリカ人同士までがお互いに言いあっては笑っています。

実際、世界人口の8割以上が英語/米語を使っているこの惑星に住んでいる限り、アメリカ人には外国語を話す”必要”が乏しく、従って”学ぶ”必要もなく、外国語を身につけようというモチベーションもわかないのが現実。かつてはアメリカ人の"外国語・外国文化コンプレックス"の象徴であったパリでも、EU以降はパリっ子までが英語を話すようになりましたし、一方でウェブの普及が『英語/米語=国際標準語』というトレンドにますます拍車をかけていますから、今後も"外国語が得意なアメリカ人"が輩出するとは考えにくいでしょう。

アメリカ人が不得手なのは外国語だけではありません。そう、先週ご紹介した通り、ダイエットも苦手。だから毎年毎年「ホリデイシーズンに太っては、新年にダイエットを誓う」ことをアメリカ人らしい生真面目さで繰り返しています。

さて、アメリカ人がダイエット以上に苦手としているのが貯蓄です。米国の家計貯蓄率はほとんど"伝統的"なまでに低く、OECDの国際比較統計でも常に先進諸国中で堂々の最下位。実際、過去20年の家計貯蓄率のパーセンテージは四捨五入すればゼロになってしまう数値で推移しています。とはいえ実際には貯蓄率の数値が低いのは、アメリカ人が株式や投資信託などのいわゆる貯蓄率には計上されない資産に投資しているからでもあるのですが、それにしても、2005年から2008年までの貯蓄率は1%未満、2005年-06年は貯蓄率がマイナスだったという統計もあるほどで、"貯金大好き"な日本人にはなかなか理解しにくい国民性です。

が、そんなアメリカ人が、最近は"貯め体質"に転じていると言われています。理由は言わずもがな、2007年末からの景気後退で、一昨年には"資産"が大幅に減額してしまったこと。でも、こうと決めたらすぐ実行するのもアメリカ人です。2008年11月の貯蓄率は2.8%に上昇、その後も確実に伸び続け、2010年の終わりまでには7%前後まで上がると予測されています。

そんなトレンドを反映してか、実は、最近「豚の貯金箱(Piggy Bank)」がひそかなブームになっています。英語のPiggy Bankにはもともと"小銭を貯める"という意味があるのですが、その倹約精神と貯金を”形にした”のが「豚の貯金箱」。たいていは陶器製のユーモラスな丸々太った豚で、背中にはお金を入れる細長いスリットがあり、おなか側にはお金を取り出す穴にキャップがはまっています。ちなみに、以前はこうした貯金箱は「目的のために、絶対に開けない/使わない"決心”で貯めるもの」とされていたので、開閉できる穴はなく、必要な時には豚を割ってお金を取り出すものとされていました。

どうして「豚 Piggy」になったんだろう?と調べてみたら、実は、これ、もともとはPiggy Bankではなくて、Pigg Bankだったのだそうです。piggというのは豚ではなくて、陶器を作る粘土の一種。外出から帰った時に、ポケットから出した小銭をざらっと手近なものに入れるってことありますよね?昔そういう小銭受けとして、このpiggで作られた容器(money vaseと呼ばれていたらしい)が普及していたようです。その素材で、ただの小銭受け皿ではなく、貯金箱(Money Box)を作ったのがPigg Bankのはじまり。誰かがPigg(粘土)⇒Piggy⇒Pig(豚)とユーモラスにもじり、Piggy Bankの愛称とともに豚型に進化させた、ということのようです。




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