8月。日本は夏本番。
アメリカでは、8月に入ったと聞くや、子どもたちは「あ~、もう夏も終わりかぁ」とため息をつきます。6月から(早い学校は5月から)はじまったバケーションも、あとわずか。もうすぐ新学期。アメリカの8月は「秋のはじまり」です。
9月の新学期を「学校に戻る(Back to School)」と言いますが、3ヶ月もの長いバケーションの後とあっては「戻る」という表現がぴったり。ほとんど忘れてしまった学校生活・・・すこしリハビリして、助走しないと・・・戻れないかも・・・。
なにごともマーケット・メカニズムのアメリカでは、”Back to School”のリハビリも市場原理。そう、まずはお買い物!です。というわけで、8月は全米のお子様産業が多額の広告費を計上してくりひろげる新学期商戦 (Back to School Shopping)月間。
たかが子どもの買い物、と侮れない規模です。連邦統計局の調査ではアメリカ人が2009年8月に子どもの新学期準備で洋服や靴に使ったお金は合計で7.7ビリオンドル(約8千億円)。ミリオンでなく、ビリオンです。8月1ヶ月に親子が立ち寄った衣料品店は約7万店、靴屋さんは2万6千店以上。
新学期に必要なのは洋服や靴だけではありません。文房具も、ランチボックスも、バックパックも。もしかしたら、入学を機に携帯電話も?iPadも?
教科書や副読本も必需品。書籍のデジタル化で客足が遠のいた本屋さんにも、8月にはたくさんの買い物客が訪れます。書店の2009年の新学期関連の売り上げは総額2.4ビリオンドル。定番図書「ライ麦畑でつかまえて」(日本でも村上春樹さんの訳が出て改めて話題に?)は8月1ヶ月で1万冊以上売れたそうです。
2009年のアメリカといえば、リーマンショック後の不況で連日失業率が更新されていた時期です。そんな年でも”Back to School Shopping”は健在だった・・・やっぱり親心!です。さて、景気の回復がようやく実感されてきた2013年。新学期商戦やいかに?
さて、"The Night Before Preschool”は、はじめてプリスク-ルに行く男の子のお話です。何を買ってもらったかな? 新しいシャツとズボンがハンガーにかかっていますね。真新しいバックパックに彼が詰め込んでいるのは赤ちゃん時代からのバディー:ジェローム。実は、ジェロームがいないと寝つけません。
![]() | The Night Before Preschool |
Grosset & Dunlap |
こちらは、明日から幼稚園という女の子が主人公の絵本"The Night Before Kindergarten"です。新しいバッグに入れて幼稚園に持って行くものをベッドに並べて犬に見せ、幼稚園ってね・・・と説明しています。実は、自分にも言い聞かせながら。
![]() | The Night Before Kindergarten |
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