展覧会のブログは会期中に書くようにしており、終わった展覧会の事は書かぬのでございます。
が、昨日偶然入った最終日の個展がたいそうツボじゃったゆえ、書いておく事にしましたのじゃ。
銀座奥野ビル306号室「押田美保 陶展 都会の飛べない鳥たち」(11月24日に会期終了)
https://room306project.tokyo/
(写真撮影は許可を得ておりまする)
奥野ビルで、別のギャラリーへ行くべく階段を上っておると、ここが「開室」になっておるのに気づき、入ってみる事に。
昭和60年代まで「スダ美容室」として開業していたという306号室、わたくしが行く時はタイミング悪く閉まっておる事が多いからのぅ。
入って仰天。無人の部屋にたくさんの陶の鳥たちがいるではありませぬか。
暫しボ~ッと眺めておると、作者ご本人がいらっしゃりました。
写真に疎いわたくしは存じ上げなかったのじゃが、写真家で陶芸家でもあるそうな。
初日は何と、122羽もの鳥が部屋を埋め尽くしていたんじゃと。
購入したら即お持ち帰り可でどんどん減り、ピンクや黄色などカラフルな鳥もいなくなり、部屋の半分だけの展示になったそうでございます。
2年がかりで作られた鳥たちは、わたくしの写真では小さく見えまするが、実際はけっこう大きく、手に持つとずっしり重いのじゃ。
まるで生きておるようで、餌をついばんだり水浴びをしたりなど、思い思いに過ごしておりまする。
ちっちゃな餌も陶で作られておるが、本物の穀類かと思うたぞよ。
鳥の細~い足も陶で作られていて驚愕。
持ち運ぶ時に割れぬよう取り外しができ、鳥を連れ帰る時に好きな色の足を選べるのじゃ。
こちらの棚には、陶のボタンが「ご自由にお持ち下さい」状態で置かれておりまする。
最初は数もたくさん、色も色々あったそうじゃが、どんどん減ってこれだけになったとか。
このようにボタンに糸を通して、おめかしもできるのじゃ。
全ての鳥の裏には、サインと共に作品番号が記されておりまする。
2年間のうち、最初の鳥たちは有田焼の土で作り、途中から泉陶料なる粘土に変えたそうな。
どの鳥も可愛くて全部連れ帰りたいところなれど、迷いに迷って2羽選んだぞよ。
どちらも有田焼の土で作られた鳥じゃよ。
ピンク色とクリーム色の足を一対ずつと、ボタンも2つ。
作者が「家に帰ったら餌をやってくださいね。」と、陶の穀物も下さりました。
鳥だけでなく、食器もございます。
ひと目で惹かれた直径23.5㎝のお皿をお迎え。
色合いも美しい絵は、九谷焼の絵具で描いたんだそうな。
裏のサインにも鳥の印。
1羽1羽じっくり観るのも、鳥好きの作者にお話をお伺いするのも、たいそう楽しゅうござりました。
作者は今回、鳥を販売する気は全くなく、展示だけの予定だったそうでございます。
が、初日にいらしたお客様(小さなお子様)にどうしても欲しいと請われ、ギャラリーに設置されている募金箱に代金を入れてもらう事にしたらば、後からいらしたお客様も次々と購入したんだそうな。
何やら申し訳ない気もいたしますが、わたくしも鳥2羽とお皿1点、募金して連れ帰ったのでありました。
帰宅してすぐ陶の餌もやりましたぞ。大切に育てる所存にござります。
最初に書いた通り、会期は昨日11月24日までじゃった。
会期前に知っておれば、初日にお伺いして122羽が勢揃いした所が観られたのにのぅ。
でも最終日に滑り込めて幸運でありました。
ここですっかり長居してしまい、奥野ビルで行こうとしたギャラリーを観る時間はなくなったのじゃった。
昨日は午前中にも2つの展覧会を観たので、また後日書きまする。
さて、奥野ビルへ行く前に、ジョナサンへまいりましたのじゃ。
洋梨と渋皮マロンのモンブランパフェをお願いいたしまする~。
ホイップクリーム、マロンクリーム、マロンアイス、ソフトクリームなど。
その下のコーヒーゼリーは殆ど甘くなく、大人なお味じゃった。
洋梨が熟れてなくて固いのがちと残念じゃが、おかわりを持ってまいれ~!