ウェネトさまの館

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「エドワード・ゴーリーの優雅な秘密」(八王子市夢美術館)

2018年08月23日 06時17分32秒 | 展覧会・美術関連

一昨日は、まちかんさん&ねこもんじ君と、八王子市夢美術館「エドワード・ゴーリーの優雅な秘密」を観たのでございます。
http://www.yumebi.com/exb.html


 

この美術館、家から遠いゆえ行きそびれる事が多く、何と2年近くもご無沙汰じゃった。
昨年は、大好きな清原啓子の没後30年展も観逃してしもうたしのぅ。

なれど、エドワード・ゴーリーは観ておかねばなりませぬ。
『うろんな客』くらいしか読んだ事はないのじゃが、モノトーンの挿絵の線描や奇妙な生き物がツボだった上、古語の短歌チックな文章とシュールなストーリーも強烈に印象に残り、原画を観てみたかったからの。

原画、草稿、書籍、ポスター、資料などなど約350点の展示。
作品に登場するキャラクターたちがあちこちにいたり、本が何冊も置かれて座って読めるコーナーがあるのもワクワクいたします。

構成は以下の3章。

【第1章:主著 ゴーリーによるゴーリーの世界】

ゴーリーが文章と絵の両方を手がけた本は、何と100冊を超えるそうな。

展示されたたくさんの原画、まず驚いたのがその小ささと緻密さ。
ゴーリーが使っていたペン先とインクも展示されておりますが、ペン先が細っ!

その細いペンと黒インクでみっしり描き込まれた原画は、壁紙や家具など室内のインテリアや、人物の衣装もツボ。
例えばオペラを主題にした《青いアスピック》のアール・デコなドレスなど、素敵でございます。

しかしストーリーは、陰惨で救いのないものも多いのじゃ。

例えば、『不幸な子供』
悪い事をした子供にバチが当たる話はよくあれど、何の落ち度もない子供が『小公女』の如く次々と不幸な目に遭い、最後だけはハッピーエンドかと思いきや、死んでしまうという・・・

『おそましい二人』は、実際にあった事件を元にした話で、子供達を次々と誘拐して殺すという・・・
『錯乱のいとこたち、あるいは何でもいい』は、いとこたちが殺し合って、全員死んでしまうという・・・

もちろん、悲惨でないお話もございます。
タイトルの翻訳も秀逸な『うろんな客』は、「17年も居て、まだ“うろんな客”のままなのかいっ!」と言いたくはなるものの、悲惨さはナシ。

各国で翻訳された絵本や、うろんさんのぬいぐるみも展示されてございます。
ぬいぐるみ、欲しいぞよ~!

【第2章:イギリスのナンセンス詩や文学とゴーリーの挿絵】

エドワード・リアのナンセンス詩につけた挿絵の原画や、ミュージカル「キャッツ」の原作となったT.S.エリオット『キャッツ ポッサムおじさんの実用猫百科』の表紙と挿絵の原画など。
ちなみにゴーリー、大の猫好きだったそうな。

【第3章:ゴーリーの多彩な創作と舞台美術】

演劇やバレエなどの舞台や衣装デザイン、そのポスターも数多く手がけましたのじゃ。
特にバレエがたいそうお好きだったそうな。

ここではカラフルな原画が多うございます。
オペレッタ『ミカド』の和洋折衷な奇妙な衣装デザインの数々は、まさかウケ狙いではあるまいの。ぷぷぷ

最後は、ポスターがずらり並んでおりました。

ショップでは、うろんさんの絵葉書やぬいぐるみがあれば欲しかったのじゃが、元々ないのか品切れなのか見当たらず、小型のクリアファイルのみ購入。

受付の横の、以前カフェがあった場所にもゴーリーの本が置かれ、座って読めまする。
暫く行かぬ間に、カフェはなくなったのかの?

ゴーリー氏に案内されて中へ。(ここは写真撮影可)


 

うろんさ~ん♪


 

うろんさんてば、足がバレエの第1ポジションw


 

その靴でポワントかの?とツッコミ入れたら、追い出されてしもうた。


 

会期は9月2日まで。ご興味ある方はぜひ。


 

常設展「第2期収蔵品展示」では、大好きな清原啓子の銅版画が4点展示されているのが嬉しゅうござりました。
エッチング・アクアチントの《絵画》の下には、この作品をカバー装画にした山尾悠子の新刊『飛ぶ孔雀』も展示。
こちらの会期は9月9日まで。

さて展覧会の前に、以前から噂に聞いて気になっていた古城チックなカフェ、パペルブルグに初潜入。
(写真撮影は許可を得ておりまする)

駅から遠くてずっと行きそびれていたのじゃが、今回は車で連れていって頂いたのでございます。
ありがとうござりまする~。

入口に魔女が描かれておるが、もしや魔女の館かの?


 

おお~!中世の騎士の館じゃ。


 

他にお客様がおらぬゆえ、お写真たくさん撮ったぞよ。
まずは騎士さまと暴れ馬にご挨拶。


 

ピアノ、弾いてもいいですかぁぁ?


 

棺型のアイアンメイデン(拷問具)かと恐れ慄いたら、違ってホッ。


 

壁のフレスコ画(?)が凄いのじゃ。
ステンドグラスや額もあちこちに。


 

素敵なカップも色々。


 

陶の大きなコーヒー豆コンテナ。


 

そして一番奥の、隠し部屋チックなお席へ。


 

わたくしは昼食は食べて来たゆえ、マンゴーパフェを食べる気満々じゃったが、生憎パフェは土日のみとの事。
う~む、どうするかのぅ・・・ケーキの種類は少ないし・・・

え~い、もう一度ランチじゃ。ビーフシチューセットを持ってまいれ~!

サラダはたっぷりな量が嬉しく、クルミも乗っており、ドレッシングも美味しいぞよ。


 

シチューも温かいパンも美味しゅうござりますが、シチュー、お肉が少な・・・(逃)


 

こちらは、まちかんさんが召し上がったパスタ。


 

ミニデザートは本気でミニじゃが、コーヒーが美味しくてびっくりじゃ。


 

お会計は、この鍵を持ってレジへ。


 

家が近ければ、毎日コーヒー飲みに通うのにのぅ。
平日15時からのアフタヌーンティーセットも食べてみたいものじゃ。