goo blog サービス終了のお知らせ 

宮地神仙道

「邪しき道に惑うなく わが墾道を直登双手
または 水位先生の御膝にかけて祈り奉れ。つとめよや。」(清水宗徳)

満月に輝く湖

2007年09月09日 | Weblog
(画像はクリックされましたら拡大します。)

某書からです。
++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

ローマ神話の月の女神ダイアナ。
日本では月子さんという名前は少ないようですが、西洋では
ダイアナという名前は非常に多いものの一つです。

さて、そのつきの女神ダイアナが、ある日三日月に腰掛けて
つきと話していました。
すると地上のどこからかシクシクと少女の泣く声が聞こえて
きました。

『こんな美しい夜にどうした事だろう……』
と思ったダイアナは地上に降り立ち、その泣き声のする方へ
歩いていきました。

木の切り株に覆いかぶさるようにして、貧しい服を着た
少女が泣いています。

『どうしたの?』
突然耳元でささやかれたダイアナの優しい声に、少女は
びっくりして顔を上げました。
少女の顔を見てダイアナも驚きました。
少女の頬の辺りには真っ赤なアザがあり、それが月光に照らし
出されて不気味だったからです。
そのアザさえなければ、その少女はかなり美しいに違いありません。

『そのアザのせいで泣いているの?』
『そうです。
夜になると出てくるのです。
満月の光を受けた湖の水を飲めば、このアザは治ると言われた
のですが、いくら探してもこの辺りに湖を見つける事は出来ません。
それに疲れてしまって、もう一歩も動けません。』

『そうだったの。
それでは今夜はここでお休み。
次の満月の夜にここで逢いましょう。』

『貴女は一体誰なの?』
『私は月の女神ダイアナ。何も心配する事はありません。
安心してお休みなさい。』

そう言うと、暖かいマントを少女の肩にかけ、ダイアナは天上へ
戻っていきました。

次の満月の夜が訪れました。
少女は期待に胸をはずませて、約束の場所で待っていました。

やがてダイアナがペガサスに乗って現れると、少女を乗せて
再び天高く舞い上がりました。
ペガサスが輝く湖まで飛んで行くと、どうした事かそこには
ダイアナの母のレトが立っていました。

『どうしたの、お母様。』

レトは微笑みながら答えます。
『お前の優しい心は月の女神に相応しきもの。
お前にはもう一つ、人に美しさを与える力を授けよう。』

少女の顔のアザはいつの間にか消えてなくなり、そして
白い鳩に変わってペガサスの頭にとまっていました。
+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
この伝承から、女神ダイアナに美を与えてくれるように願う
習慣を持つ人もいるようです。
しかし「人を妬んだり、悪口を言ったりしては効果が現れ
ません」ともあります。
本当の人間の美は、実はそこから始まるものなのかもしれません。



コメント (2)