児童生徒 学級 学年 学校の取り扱い説明書

教育のことや子育て 不登校問題への対応等について、考えてみます。

進路指導と生徒の自己理解

2024-08-19 22:16:25 | 学校での活動について
暑い日が続いています。皆さんお元気でお過ごしでしょうか。
私は少しばて気味です。でもまた、続けてみたいと思います。

進路指導の活動の中に、生徒理解と生徒理解のための活動がありますが、生徒自身が自分のことをよく知ることと、先生が生徒のことを知るための活動を十分に行うことが必要であることを意味していると思います。

 日本の学校では、主流は、生徒は先生からいつも一方的に教えられる、あるいは与えられることが多くて、自分で考える、試行する等の活動はかなり少ないのが現実かと思います。なので、与えられることを吸収する活動が中心で、各種のトライする時間や場所はかなり少ないと思います。放課後も部活等が中心ですから、自分一人で考えて行動してみる機会はほとんどないといってもよいかと思います。決められた枠の中での活動では何かに気づく機会は少ないと思います。
 社会の在り方等に関することにも興味や関心を持ってきちんとよく見てみる機会も少ないですし、そもそもそのようなことに関心を持つような時間的余裕がないのも現実かと思われます。

 ですので、生徒自身の自己理解が進みにくくて、例えば学習成績は良いが、何の職業を選べばよいのかがわからないという生徒も出るわけです。成績の良い生徒の多くが志向する学部をとりあえず選ぶというようなあいまいな選択が多くなりがちです。
 進路の決定においても、学習成績を一番大切にする、あるいは学習成績から行けそうなところを感覚的に選択するような場合が多いように思われます。学校も、上級学校見学や一日体験等を行っているとは思いますが、やはり表面的なことだけでは十分な理解は進まずに、適性に合わないところに進むことも多いようです。
 自分の特性を客観的に理解していない生徒が、少しの経験で選ぶのですから、ミスマッチも起こりやすくなるのも仕方ないかとも思われます。

 学校かいわいで、7・5・3と言われることがありますが、7は、中学校を卒業してすぐに就職した場合、3年以内に7割が離職するということだと思いますが、高卒でも大卒でも新卒者の3年以内の離職がとても多くなっていることを意味していると思います。
 離職が悪いことかと言えば、必ずしも悪いことではないでしょうが、あまりにも多くの生徒が離職するということになると、それは社会的にも大きな問題をはらんでいると思われます。転職がすぐにできればいいのですが、スムーズに進まなくてさまざまな不都合な状態になることもあることでしょうし、場合によれば、その後への大きな影響も生じるかもしれません。

 進路実現に関して、多くの生徒は自分の力でそれなりに選んでいるようですが、やはり課題も多く含んでいるのが現実かと思われます。
 進路をきちんと考えることができるのも、意欲的に将来を考え、様々な条件を合理的に判断して選択し、実際にその後も可能な限り適応状態を作り出して継続していくことがよいと思われますので、進路選択においても、それぞれの生徒が持つ前向きな生活力が一番の力になるのだと思われます。
 教育はその生活力を育てることが一番の目標であると常々思うところです。クラスの中にいる様々な状態の個々の生徒に対して、その特性をきちんと見抜くとともに、本人の希望や志向性を大切にしながら進路を練り上げ、その実現に向かって「共に進む」ことが一番ポイント化と思われます。

 学習にもその他の学校内の活動にも、学校外の活動であっても、本人なりに適切に、しかも一生懸命に取り組むことが、本人自身の適性を自分で発見することにつながるのではないかと思っています。
 可能な限りやってみると、自分ができることできないこと、あっていることあっていないこと等も自然に感じて気づくことができると思います。
 そして、一生懸命やってみて、それに結果もついてくるようであれば、後は本人の考えや願望・希望で進路を決められると思います。
 自己決定ができれば、それは継続的な将来へのモーチベーションとなって、本人の生活を支えるものになると思われます。そのような意欲的な姿勢を持つ生徒を育てることが大きな意味では進路指導につながると思われます。
 自己肯定的な自己イメージを持つことができる生徒、自己肯定感をきちんと持つことができている生徒を育てることが一番必要なことと考えています。
 ただ、学校の中には、どうしても肯定感やイメージを持てない生徒がいるのも現実で、そのような生徒にどのように対応していくかという大きな課題も現存しているのが現在の学校ということかと思われます。
 今回はここまでにしたいと思います。ありがとうございます。