遊美庵Blog

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◇ 私が好きな作家(棟方志功)

2005-12-31 16:11:28 | Weblog
 彼の作品を見る度に「憑く」という言葉を思い出します。初期の頃は油絵を描いても極度の近眼のためモデルが見えない、板画に転向してからも板すれすれまで眼を近づけないと彫れない。そんな彼が数多くの大作を発表してきました。刷り上げた作品を遠くから見ることは困難なのに、どうしてあれだけの素晴らしい作品を制作できたのか全く不思議としか言いようがありません。
 晩年のヴェートーヴェンはほとんど耳が聞こえない状態で指揮をとったという説もありますが、集中力を極度に高めることによって何かが憑き、その結果として最高の傑作を生み出すことが出来たのではないでしょうか?
 「憑く」、「憑かれる」…それは私の求めている究極の次元でもあり、私はそれを「大きな力と一体になる瞬間」と呼んでおります。

*今日はこれから田舎に帰ります。どうぞ皆様良い年をお迎えください。


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感動したこと(ルオー)

2005-12-24 14:56:38 | Weblog
東京駅「八重洲中央口」から歩いて5、6分の所に「ブリジストン美術館」があり、たくさんの名画が展示されております。
若かりし頃一人で当館を訪れた時のことですが、「ジョルジュ・ルオー」の「郊外のキリスト」の作品の前で私の足がピタッと止まってしまいました。古い建物と色あせた道、そしてキリストの他に何人かが描かれ、暗い感じの中にもやわらかなあたたかさを感じる作品でした。ひどくなつかしい感じがしてその作品を凝視していると、だんだんと熱いものが込み上げ涙が溢れて止まらなくなり、いきなり作品の中に吸い込まれてしまったのです。 
 これは錯覚かもしれませんが、その時代に私がそこで暮らし、絵の中に登場している人物の一人が私自身だと感じたのです。錯乱状態?も極限に達し、呼吸も苦しくなった頃、もう一人の冷静な自分がいて「何をそんなに泣くのか」「どうしたんだ」と私に問いかけるのです。
 どれくらいの時間涙を流していたのかはっきりした記憶はもうありませんが、あの時の熱すぎる感動を私は今でも忘れることが出来ません。


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感動したこと(ピカソ)

2005-12-18 07:59:04 | Weblog
 フランスのポンピドー広場・近代美術館にいった時のこと、会場はたくさんの入場者で混雑した状態でしたが、私はピカソの作品の前で座り込んでしまいました。
 たくさんの外国の方から「どうしたの?」とか「何をしているの?」とか(たぶん英語とかフランス語)言われたような気がしたのですが、なにしろ私はピカソの作品から次々に溢れ出る「芸術の大きさ」を理解しようと「うーん」「うーん」とうめき声を上げながら作品と「にらめっこ」をしている状態なので、小鳥でもさえずっているようにしか聞こえませんでした。
 踏み付けられそうになりながらも永い時間が過ぎたある瞬間、「はっ」と何かを感じ、そして何かが去っていきました。それが何だったのか今でも良くわかりませんが、あの時、何か大切なモノ、そして計り知れない大きなモノをピカソからいただいたのではないかと思っております。

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「損保ジャパン展とは」

2005-12-10 09:03:24 | Weblog
 正式には損保ジャパン美術財団(旧 安田火災美術財団)選抜奨励展といい、団体が推薦した作家の作品、あわせて美術評論家が推薦した作品を一堂に展示し、東京西新宿「損保ジャパン本社ビル42階」で毎年開催される展覧会です。  
 この展覧会は明日を担う新進作家の共演の場でもあり、私たち作家にとって大変名誉ある展覧会ということになります。
推薦された私の作品は、HPにも掲載している「生命の断片」で、大きさはS100号(大きさ163cm×163cm)の油彩画です。
当時のことを振り返ると、同展には超売れっ子作家の作品もあり、私の作品がどの辺に展示されているのか大変心配をしたところですが、会場に行ったところ入り口付近の大変目立つ場所にあり、照明の関係なのか作品からいっぱいのオーラを感じ、思わず作品に向かって「がんばってくれてありがとう。輝いているよ」と感謝の言葉をぶつぶつと言ってしまいました。
 イイ作品は何らかのメッセージを伝えるものです。『イイモノはいい』を信念にこれからも制作に励む所存です。

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フランス官展ル・サロンとは

2005-12-04 18:31:23 | Weblog
 この展覧会は334年の歴史があり、ミレー、マネ、モネなど古今東西の有名な画家が出品していた歴史ある大きな展覧会で、現在も日本からたくさんの作家が出品しております。
 私が出品した当時は「二重作龍夫」先生もお元気でご活躍されておりました。私は3回出品し、2回目で銅賞をいただきましたが、今回HPにその作品はUPしておりません。いつの日か陽の目を見ることを信じ、現在は実家の倉庫で静かに待機しております。

* 次週12月10日は東京で理事会がありますのでブログの更新が遅れるかもしれません。

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