アライグマ防除奮戦記             【NPO法人おおいた環境保全フォーラム】

特定外来種「アライグマ」防除のための日々の活動を報告します。果たして地域社会から排除することができるのか?乞うご期待!

自然を守る事って大切な事?

2007年09月22日 | 環境、生態系、生物多様性
大分県国東半島の真ん中に国立公園に指定されている両子山とその山腹に両子寺という歴史のある天台宗の寺院がある。私の好きな場所で幾度となく訪れている。
その寺のある地域は豊かな自然が残り、歴史のあるお寺との相乗効果で素晴らしい景観を呈し多くの人達に長い間愛され守り継がれてきた。しかし近年、林業業界の衰退などで、国有林、私有林を含め下刈りや間伐などの管理が行われなくなり荒廃した二次林が目立つようになった。残念ながらこの地域は県立自然公園にも指定され、むやみに樹木の伐採や土地の改変が出来ず、美しい景観を害する風倒木の撤去や荒廃した二次林の保全も間々ならない状態にある。この地域も他の里山と同様に農林業の後継者不足で高齢化が進んでおり地域住民だけで今までの様に維持管理するのは不可能であり、国や県、市などの行政主導での保全対策が必要だと思う。地域の住民に聞くと、「国や県は保全には規制などの口は出すが一切お金は出さないよ。だから森が荒れ果てても手の出しようがない。」これが県立自然公園の現状なのです。

地球の46億年の歴史の中で自然環境は常に変化(変動)。では自然とはどの時代?

2007年09月06日 | 環境、生態系、生物多様性
僕は常〃仕事などで植物に接する度に自然環境とは何か?本当の自然とはどんな状態なのか?そして私たちが目指している自然環境の保全とは何時の時代の自然環境を言うのか?解らなくなる。前回のブログで里山や草原などの荒廃により生物多様性が失われ、多くの生物が絶滅に瀕している事に触れ、今、その様な二次的自然の保全が必要であると書いたけど、見方によってはそのような二次的環境は、人間が作った物で自然環境ではないという意見もある。
確かに私たち人間の関わりで維持されてきた里山や草原、水田、湖沼などの湿地は本当の自然ではないかも知れない。しかしその様な二次的環境で適応し進化を遂げた多くの生物が存在する事を考えれば、自ずから答えは、保全すべきである!
森林は遷移により刻々と変化している。しかし里山などの荒廃はおそらく自然遷移の枠組みからは除かれるであろう。それは宅地開発などの自然喪失であり、外来種の進出などの撹乱である。多くの荒廃した里山ではアレチウリや竹類などが侵入し成長の早い先駆種の進出を阻んでいるからである。