むーくんは
たずねたら
即答した
居間の目立つところに
地区の自治会長だったけれど
無事 2年の任期を終えた
その労力に対して
市から感謝状が送られた
たずねたら
即答した
額に入った感謝状は
おそらくそれなりの値段
でもむーくんは
何ら価値を見出してはいなかった
昔 和室のかもいの上に
賞状をズラーっと並べている
家が多かったが
今はほとんど見かけない
時代の変化・・なのだろう
自治会長という役もしかりで
昔は名誉職だったけれど
今は ボランティアに近い感覚
かつて小学校3年生を担任してた時
そのクラスは頑張り屋が多くて
ほとんどの女子が
百人一首を 百首暗唱していた
そうしたら 未達成の女子が一人 残った
それと分かると
女子みんなで相談して
彼女の合格作戦を開始した
三学期の終わり
ついに 彼女は百首暗唱し
クラス中で喜びを分かち合った
4年生になって
新しい担任が彼女の家庭訪問したら
居間の目立つところに
額に入れて百首合格の賞状が
飾ってあったのだという
賞状そのものの社会的価値は
自治会長のそれより
百人一首の合格の賞状の方が
ずっと低いと思う
でも 状況によって
賞状の価値は変わる