みいちゃん(仮名)は6年生。
手のかかる赤ちゃんの頃は、おばあちゃんにずっと
預けられていました。
小学校の3年生になった時、実の親に引き取られました。
妹が生まれると、その子の面倒を見ていました。
少しずつやれることが増えると、
みいちゃんの家事の負担はどんどん増えていきました。
6年生になった頃には、妹の世話はすべてみいちゃんの仕事。
だからみいちゃんは、放課後、友達と遊ぶ暇なんかありません。
「まるで、家政婦だよね。みいちゃん」職員室でそんな声が聞こえました。
修学旅行に行ったとき、海岸縁の岩場に
猫がゆったりと昼寝をしていました。
「あら・・みいちゃん猫がいるよ」と横を歩いていたみいちゃんに話しかけました。
「ほんとだ、いいな・・・猫はのんきそうで」
「そうだね・・・のんきそうだね・・・」
すると、みいちゃんはつぶやきました。
私は、今置かれているみいちゃんの生活の厳しさを垣間見た気がして
胸が突かれてしまい、
何も言えませんでした。