中国は悪しき隣人ー中国研究 サブリース契約の研究

中国は領土拡大策を打ち出しています。中国はどういう国なのかを研究し、また、サブリース契約についても研究します。

中国共産党官僚制度が、13億中国人民を弾圧し、私利私欲の無法な行為を繰り返していることは明か

2013-01-22 15:41:55 | 資料収集
 
blog.livedoor.jp/gold_7777/archives/51175572.html - 2009/06/24 – だが、中国の富の70%を共産党官僚とその一族26万人(02%)が独占するという世界有数の格差社会が出現した。共産党官僚は国有企業を民営化する過程で莫大な財産を横領し、職務権限を行使して口利き手数料を徴収し、官職売買を」
と言うのを見つけて、見に行った。
 
良い記事が書いてありました。お気に入りに登録しましたが、後日読むために転記しておきます。

09年06月24日 

中国13億人民を恐れる共産党中央は、北京五輪に続いて、10月1日の国慶節に向け厳戒態勢をとった。中国共産党崩壊のシナリオを考えてみる。

はじめに

スポーツの祭典であるオリンピックは本来、国民全員が楽しむべきであるのに、中国国内では治安上の理由で聖火リレーコースが短縮又は変更された。中国人民解放軍(以下「中国軍」という)北京・済南・南京・瀋陽の4大軍区から十数万の兵士を動員して首都警護に従事させるなど事実上の戒厳令下で北京五輪が開催されたことは記憶に新しい。

23日付け中国共産党機関紙人民日報電子版「人民網・日本語版」によると、10月1日の国慶節を成功させるため、中国の公安当局はすでに「北京五輪以上の厳戒態勢を敷いた」と報じている。国慶節も本来、中国国民全体が喜びあうべき祭典であるはずのところ、共産党中央指導部にとっては「不安で夜も眠れない」という心理状態に陥っているらしいのだ。

要するに、暴力で権力を簒奪した中国共産党は、毛沢東が行った大躍進政策で中国人民を約5000万人餓死させ、文化大革命で約3000万人を虐殺又は餓死させた。中国共産党は権力奪取以来60年、13億人民に地獄の苦しみを与えた訳であるから、彼らが13億人民を恐れるのも当然といえば当然なのだ。

毛沢東の「みんな貧乏、怖くない」路線を批判して登場した小平は、司法・行政・立法の3権の上に共産党が君臨する共産党一党独裁体制を温存しながら、同時に、外国資本・外国企業の導入による中国の資本主義化を狙う「改革開放政策」を推進した。結果、中国経済は短期間で未曾有の発展をとげ、本年末にはGDP世界第2位になると喧伝されるまでになった。

だが、中国の富の70%を共産党官僚とその一族26万人(0.02%)が独占するという世界有数の格差社会が出現した。共産党官僚は国有企業を民営化する過程で莫大な財産を横領し、職務権限を行使して口利き手数料を徴収し、官職売買を繰り返した。マフィアと結託して人身売買や麻薬取引で蓄財したものも少なくないという。

警察や裁判所の上に君臨する共産党幹部は「怖いものなし」で、何をやっても咎められることはない。共産党官僚の悪逆非道ぶりに激怒した人民大衆が抗議のデモを行った場合は、武装警察に命じてこれを鎮圧できる。

中国共産党官僚専制国家は、世界最大の腐敗と汚職、人血・人身売買、人さらいが横行する「何でもあり」の社会を築きあげた。共産党官僚に搾取され、すべての権利を剥奪され「生き地獄」の苦しみに耐えている13億人民大衆は年間約10万件の抗議行動を繰り返している。最近、中国各地で頻発している数千から数万人の大規模抗議デモや暴動は、共産党権力の背骨である地方政府や公安警察が標的となっている。共産党に対する13億人民の憎悪が天を貫くほど高まっている証だ。

第1:最近2か月間の大規模暴動(23日付け大紀元日本より要約抜粋)

(1)5月10日、湖北省巴東県
カラオケ女店員(23歳)にセックスによる接待を強要し、拒否されたため強姦した地方政府官僚3人」の内一人が同女に刺殺された。地元警察は同女を逮捕し精神病院に収容した。この事実を知った中国ネット族2億人が同女支援に立ち上がった。共産党中央は、衆寡敵せずと見て同女を在宅起訴とした。生き残った共産党地方政府官僚2人は党籍をはく奪され逮捕された。ネット族は同女を「巴東烈女」とみなして称賛、共産党悪徳幹部を退治した勇気を讃えた。

(2)5月13日、重慶市
元軍人が仕事中転落事故。急遽、同僚が近くの解放軍病院に搬送するも、病院側は「手術の前金を準備してこい」として治療せず放置し死亡させた。事情を聴きつけた市民数千人(最大時1万人)が警察と衝突し多くの怪我人と逮捕者を出した。

(3)5月19日、甘粛省白銀市会寧県
自転車で信号無視した若者が複数の警察官に暴行され大怪我をした。警察は暴行現場の血痕を消すなどして証拠隠滅。事情を聴きつけた数千人の群衆が警察に抗議、警察と衝突し多くの怪我人と逮捕者を出した。

(4)5月23日、広東省英徳市英江鎮
ベトナムから戻った華僑約1000人が、地元の当局者の汚職を告発。華僑は退職金を差し押さえられ、土地を強制収用されて生活に困窮。華僑1000人が約2000人の警察、消防、機動隊と衝突。負傷400人以上、死者多数が出た。

(5)6月15日、江西省南康市
家具業への税率引き上げに抗議する市民1万人が警察と衝突、多くの怪我人が出た。

(6)6月17日、湖北省石首市
ホテルで麻薬取引がなされている現場を目撃した同ホテルの料理人(23歳)は使用者側と労働報酬でもめたため「覚せい剤取引の実態を密告する」と脅したため殺害された。同ホテルの共同経営者は同市副市長や公安局副局長ら。殺された料理人の頭部に釘が打ち込まれ、生殖器が毀損されていたことから遺族は、警察に真相究明を求めた。現地当局は翌18日「自殺を認め死体を火葬にすれば、3万5千元(約50万円)を提供する」旨申し出た。遺族の父親はこれに納得せず拒否、自爆覚悟でホテルに立て籠った。                               19日、事情を聞きつけた数万人の市民が現場に集結、2日間警察と対峙し衝突し、多くの怪我人と逮捕者が出た。事件発生から4日目の午前3時頃、約150台の軍用車に分乗した武装警察が進駐、市民を鎮圧した。死傷者数は不明。なお、抗議に参加した市民は最大時7万人に達した。


以上、中国における大規模な暴動は、従来、地方政府に耕作地を二束三文で強制収用された農民が暴徒化するのが一般的であったが、近年、都市部における暴動が目立つ。司法・行政・立法の上に君臨する共産党官僚が、私利私欲優先で道義と法律を無視し「やりたい放題」の悪行の数々を行うことに関連した住民の怒りが爆発している。悪徳共産党官僚に虐げられた個人を支援する市民が、短時間に数千人・数万人規模に膨れ上がる特徴がある。悪徳共産党官僚に対する中国人民の怒りが中国の大地に蔓延していると断言できる。

中国共産党に対する13億中国人民の怒りは農村から都市へ、抗議の規模も数千人から数万人へと大規模化している。中国共産党中央政法委員会書記は数日前「治安の悪化」を素直に認め、治安機関の厳格な執行を期待する旨訓示している。13億中国人民大衆の怒りを「力で抑え込む」という反人民的態度を示した。共産党官僚の不正かつ悪徳な行状には目をつぶりながら、人民多数の抗議デモは「力で弾圧する」という姿勢を示した。末期的症状というほかはない。

中国共産党官僚の悪逆非道ぶりは目を覆うばかりである。悪臭芬芬といわねばならない。一方、官憲に不当な扱いを受けた被害者を支援する市民が短時間に数千・数万人集結し、怪我や逮捕を恐れず抗議行動を繰り返す姿は中国の明るい未来を予感させる。中国の「義理と人情」は、人民大衆の心の中に宿っている。

第2:中国共産党官僚専制国家の崩壊シナリオ(仮説)

中国共産党一党独裁政権がまもなく崩壊することを疑うものはいない。もっとも、中国の現実を認識できない米国の投機家ソロス、戦略思想家ブレジンスキー、キッシンジャー等の媚中派や我が国の朝日・毎日新聞等の偏向・変態メディア、民主党左派、創価学会(公明党)、社民党、日本共産党などの「中国命」の勢力は「まさか、中国共産党が崩壊するなんて」「そんな馬鹿なことがあり得るはずはない」と自らを慰め幻想に浸っている。

なお、中国外務省下級官僚に「胡錦涛の子犬」と馬鹿にされた小沢一郎は「まもなく中国共産党は崩壊する」と公言しているから「少しはまし」といえるかもしれぬ。

(1)中国共産党内の権力闘争の激化

大紀元日本によると、2004年12月3日から2009年6月22日までの4年6月と20日間で「中国共産党とその関連組織に対する離脱表明者数」は5623万1741人に達した。月間130万人以上、年間約1500万人が離脱を表明している勘定になる。来年の今頃は7000万人を超えるはずだ。

中国共産党官僚制度が、13億中国人民を弾圧し、私利私欲の無法な行為を繰り返していることは前述した各地の暴動でも明らかである。共産党官僚は今や「13億中国人民大衆の不倶戴天の敵」となった。「万民が等しく豊かになる社会主義社会」を実現する夢は潰えた。真面目な共産党員は中国共産党に幻滅し、離党するか又は「大紀元のサイトに離脱意思を表明する」ことで中国共産党に見切りをつけている。

共産党の内部崩壊は、共産党への忠誠心と心理的紐帯が消滅することでさらに加速する。癌が身体全体に転移し手術できない状態に陥っているのと同じだ。治療法はない。胡錦涛総書記も「どうにもならぬ。手おくれ」と認識しているはずだ。

後は、痛みを和らげるための末期がん対策療法だけが残っている。労働者の終身雇用を命じる労働契約法、失業者の急増を抑えるための56兆円に及ぶ緊急経済対策、大学卒業生の就職浪人を少しでも減らす目的でなされる「中国軍が大卒者12万人を採用する」という弥縫策だ。大卒者は毎年600万人。昨年大卒の就職浪人組が約200万人。中国の経済悪化を見るに、本年度は4・500万人の大卒就職浪人が生まれても不思議ではない。

中国共産党の体力が衰え、統治能力を失っているから、各派閥、各勢力の内部抗争が激化する。共産党左派(毛沢東派)と共産党民主派がネット上で公然と党中央を批判するようになった。党中央は、「小平系列」の江沢民閥(上海閥)、曾慶紅・習近平閥(太子党)、胡錦涛・李克強の共青団閥に分類できる。いずれも、職権濫用と利権で一族を資本家階級の仲間入りさせている党官僚だ。毛沢東派から「中国の財産の70%を0,02%26万人が保有している」と弾劾されている一族である。

(2)新左翼(毛沢東派)の台頭

小平系列の江沢民や胡錦涛が党中央を支配してきたから、当然ながら政敵である毛沢東派は冷遇された。日の当たらないカビ臭い地下室で、ネズミ相手に遊ぶような無意味な仕事を割り当てられた。毛沢東派は被害妄想と怨念を抱き続けた。「いつの日か、我々が実権を奪い返す」と誓っているはずだ。小平が始めた改革開放政策が経済格差を拡大し、職権乱用と腐敗が満ちあふれた。中国共産党は完全に国民の信頼を失った。「臥薪嘗胆30余年」。毛沢東派は「ようやく太陽を拝める日が到来した」と感じている。「毛主席万歳」の紅衛兵時代への回帰を狙っている。

「中国大逆流」KKベストセラーズで、石平は「中国共産党機関紙人民日報・人民網サイトに<強国論壇>という名物掲示板がある」と記す。石平は同掲示板に書き込まれた文章を長々と紹介しているが、一言でいうと「毛沢東主義の立場から改革開放路線を全面否定し、諸悪の根源とみなしている」ということになろうか。実名こそ出していないものの、胡錦涛指導部に対する遠慮会釈のない厳しい批判を展開しているのだ。

石平は「強国論壇」の書き込みが「中国共産党の支持を得ている」という。その証拠を「胡錦涛主席が時々同掲示板を覗きにくるから」といっている。
しかし、「強国論壇」の論調は明らかに「小平が始めた改革開放路線が今日の醜悪な中国をもたらしたもの」という認識の下、「欧米日などの外国資本を中国から追放し、外資とつるんだ買弁企業を国有化せよ」というもので、ゲリラ戦を行っていた延安時代の毛沢東の論理と同じである。「江沢民や胡錦涛は売国奴」とみなしている訳である。

(3)小平の後継者である胡錦涛指導部の思想的混迷

年率二桁の経済成長を続けることで、中国人民大衆は豊かな生活を享受できるはずであった。北京・上海・天津など大都市の中間層の生活水準は大きく向上し、自動車の売れ行きも順調である。だが、都市の下層労働者や農民の生活は苦しい。汚職と職権濫用で肥え太った共産党官僚は外車に乗り、妾を何人も囲い、別荘を持っている。外国に莫大な金を移転し、一族を外国留学させている。「等しく貧しい毛沢東時代」、大衆は「人生とはこのようなものか」と諦観することができた。しかし、改革開放以後、富める者は益々豊かに、貧しき者は底辺から這い上がれない。底辺層のいらだちは募るばかりだ。

世界の工場として、世界中に商品を輸出してきた中国は、世界中の雇用を奪った。例え、金融危機・大恐慌が襲来しなかったとしても、「一人勝ち」の貿易立国を続けることはできない。中国が年率二桁の経済成長を実現するために輸出を増やし続けるならば、世界は失業者だらけになる。そのようなゲームは長続きしない。

今回の経済恐慌で、欧米の消費が大きく落ち込んだ。中国からの輸入も大きく減少した。中国経済は「高度経済成長型から安定成長型」に転換せざるをえない。「年率二桁の経済成長。明日は今日より豊かになる」という夢を与え続けることができなくなった。

改革開放以後の共産党官僚の腐敗と職権濫用は目を覆うばかりである。胡錦涛政権の第一期、胡錦涛は腐敗の元凶である上海閥一掃に乗り出した。党中央規律検査委員会を活用して、どしどし摘発させた。最後が上海市党委書紀の汚職摘発である。「カ慶林中央政治局常務委員や江沢民逮捕まであと一歩」というところで力が尽きた。第17回中国共産党大会で、江沢民派に党中央規律検査委員会書記のポストを奪われた。後継者には曾慶紅の直系子分習近平を押し付けられた。胡錦涛・温家宝の権限は大きく制約された。丘に上がった河童になった。

(胡錦涛と温家宝はトカゲの尻尾か?)

改革開放政策を推進した責任は、江沢民の上海閥や曾慶紅の太子党も背負って然るべきである。しかし、昨年頃から上海閥の李長春・カ慶林両党中央政治局常務委員が「格差が縮小していない」等といって、温家宝総理を厳しく批判する機会が増えたという。また、石平の「中国大逆流」によれば、本年2月頃、太子党の上海市党委書紀や広東省の党委書紀が公然と温家宝を批判しているという。上海閥と太子党は自らの責任を棚上げして、温家宝(胡錦涛)の責任追及に余念がない。恩家宝と胡錦涛に全責任を押し付け、安全地帯に逃げ込もうという企みである。

(習近平副主席と李克強党中央政治局常務委員は、なぜ?毛沢東派に接近しているのか?)

石平によると「最近、次世代のホープと想定されている習近平や李克強ら40・50歳代の指導者が毛沢東思想を喧伝して回っている」とのことである。改革開放路線が破綻した今日、毛沢東思想以外に頼るものがないということかもしれぬ。危険な兆しだ。

毛沢東は革命前「中国の富を搾取している外国資本を中国から追い出すことと、外資とつるんでいる買弁資本を国有化する」という戦略を掲げた。中国人民を搾取している元凶だとみなした。革命後「米帝国主義と日本独占資本は中日両国人民の共同の敵」とみなした。

習近平の父母は長征に参加した古参幹部であった。文化大革命で「走資派」とされ幽閉された。習近平も僻地農村に下放され地獄の苦しみに耐えた。李克強は共青団書記の履歴がある。胡錦涛の直参である。彼らが「時代錯誤の毛沢東思想」を信奉しているとは思えない。

中国共産党は手足が腐っている。人民大衆の共産党離れは止まらない。共産党からの離党者が続出、共産党並びに関連組織からの離脱表明者はこの4年7か月弱で5600万人を超えた。まともな共産党員が離党する中で、教条主義の毛沢東派が比較優位になった。脱け殻のような共産党を統率するためには毛沢東派の協力を求めざるをえないということであろう。

という訳で、労働者の終身雇用を謳った労働契約法が施行された。外国企業の技術情報の開示を求めている。毛沢東派を慰撫するために、共産党中央は外資系企業への圧力を強める。嫌がらせをして追い出す策だ。ヤクザが大声で「カネ返せ」と叫んで、夜逃げに追い込む手口と同じだ。

合弁企業や独立系企業への圧力も強まる。想定されるのは課税強化、労働者福祉の強要である。最後が「銀行の融資を制限または中止」して破産に追い込む。企業が二束三文になったところで国有企業が買い取るという手順だ。ロシアのプーチンが実行し成果を上げた方法だ。

このような方法で、外資を追い出し、民間企業を国有化する。つまり小平以前の毛沢東時代に回帰する政策だ。結果、中国は欧米日等との貿易が激減し、事実上自給自足経済に戻る。国内総生産は2分の1又は3分の1以下に縮小する。

中国共産党の体質というべきか、20・30年に一度、政策が大きく転換する。過去を全否定して、新たな獣道を邁進する。そして又破綻する。

(4)中国人民解放軍はどう動く?

軍は非常時においては武装警察を統括する中国における唯一の合法的武装組織である。軍が銃口を共産党中央に向けたならば共産党政権は即瓦解する。軍の離反を怖れる胡錦涛は先般「軍は共産党の指導に従うべき」と訓示し、軍人の俸給を50%引き上げた。兵卒の俸給が大卒初任給と同程度になった。さらに、今般「大卒の就職先を確保する」との名目で、大学卒業者12万人を軍人として採用する方針を打ち出した。軍の要望を満額認めるような大盤振る舞いである。これもすべて「軍を離反させないための苦肉の策」といえよう。

チベット騒乱では軍が出動したが、農民や都市住民の相次ぐ暴動を鎮圧しているのは武装警察である。漢民族地域において軍は「汚れ仕事」には手を出していない。六四天安門事件で学生・市民を虐殺した後遺症が残っているのではないか。あるいは、共産党独裁崩壊以後を睨んで「選択の幅」を残しておきたいとする深謀遠慮かもしれぬ。軍が「共産党政権と心中する訳にはいかない」と考えているだろうことは誰でも分かる。

13億人民の心が共産党から離反し、かつ共産党組織がガタガタになって崩壊寸前であるから、軍も「生き残り策」を模索しているはずだ。どの勢力を担ごうか?どの勢力と組もうか?と考えているはずだ。

(ア)軍と共産党左派(毛沢東派)との関係

思想的に毛沢東を崇拝する軍人が相当数いるだろうが、軍の近代化を悲願とする軍部にとって毛沢東派の縮小経済政策に賛成する訳にはいかない。軍事費の大幅拡大が困難となるからだ。また「外国企業を追い出し、外資とつるんだ買弁企業を国有化する。人民公社を復活させる」という毛沢東派の経済政策を行ったならば中国人民を飢餓線上に彷徨させるのは必至だ。毛沢東時代と異なり、塩害・表土流出、土地の乾燥・砂漠化、耕作地の消失など農村の人口吸収力は著しく低下している。都市住民が5億とも6億ともいわれる現実がある。毛沢東派が主導権を握れば、数億人の失業者が生まれる。イナゴの大群ならぬ、失業者の大群が中国全土を覆う。「天下大乱」となる。

官僚の腐敗と横暴、格差拡大に怒り狂った人民が、一時的に毛沢東派を支持することはあり得る。しかし、時代錯誤の教条主義的政治が長続きすることはない。現代中国は「自力更生・鎖国政策の毛沢東時代」ではない。ネット族が2億8千万人いる世界に開かれた社会である。毛沢東派は、我が国の極左暴力集団の如き「内ゲバを繰り返す犯罪者集団」に転落するのではないか。石平は「毛沢東主義者が中国共産党の実権を握る」と予想しているが、荒唐無稽な空想といっておきたい。

(イ)軍と民主勢力との関係

中国には自らを「民主勢力」と称する知識人がいる。先般「08憲章」という民主中国の檄文をネットで流した。これを支持する署名が数千人集まった。六四天安門事件の発端となった100万人集会を主導したのは北京大学を初めとする学生・知識人であった。そして、軍が介入し1日で鎮圧された。大きな海原という人民大衆への広がりに欠けていた。

筆者が注目し、かつ期待するのは法輪功と地下キリスト教会である。それぞれ中国国内で数千万人単位の支持者がいると推定されている。特に法輪功のネットワークは、米国をはじめ世界に広がっている。中国共産党が「最大の敵は法輪功」と位置づけるのは間違っていない。

法輪功の広報紙ではないかと推定される大紀元(日本)の記事は中国国内の動きをすばやく報道する。中国各地で突発的に発生する大規模な抗議デモが武装警察と衝突する写真を数日以内にネットで報道する。法輪功のネットワークが中国全土に拡大している証拠だ。さらに、中国政府の厳しいネット規制を打ち破るシステムを考案し、「共産党各組織からの離脱を表明できるネットワーク」を完成させている。法輪功信者は中国全土並びに共産党や軍の組織にも相当数が浸透しているのではなかろうか。

大紀元日本によると、「台湾の李登輝元総統は大紀元(法輪功)の枢要な支援者であるという。我が国では「台湾独立を唱える李登輝」というイメージが強いが、李登輝の一面に過ぎない。周知のとおり、李登輝は漢族の伝統を墨守しているとされる客家(客属)の中核的メンバーである。客家は四川省、広東省、福建省をはじめ、台湾や東南アジアで指導者を輩出し、強力なネットワークを持っている。広東省省長葉選平(葉剣英元帥の長男)も客家だ。小平や李鵬も同じく客家であった。中国軍や共産党の高級幹部にも相当数の客家が存在しているはずだ。

そういえば、タイの「タクシン派と反タクシン派」の戦争が、いつの間にか収束した。タクシン派(シンボルカラーは赤)は容共左派、反タクシン派(シンボルカラーは黄)は保守勢力と推測できるが、いつの間にか手打ち式がなされた様子である。筆者は「タクシン派と反タクシン派双方に人材を供給している客家ネットワークが、内部分裂を回避すべく調整に乗り出したのではないか」と推測する。主義・主張より「まず客家の団結を」が合言葉だ。世界最大の秘密結社「客家」の特性は「同胞・兄弟分を第一におく」ことにある。彼らにとって、主義・思想は二の次だ。一時の借り物に過ぎない。

共産党一党独裁を崩壊させる力は「13億人民大衆が抱く共産党官僚への憎悪」であるが、民主中国を築く主体は、中国軍や共産党官僚組織に浸透している法輪功、地下キリスト教会、客家などの勢力連合ではないかと考える。これに台湾(中華民国)民進党や国民党が、微妙な距離を保ちながらかかわっているのではないか。これらを支援する背後霊は?説明するまでもあるまい。某国に決まっている。

まとめ

筆者は中国共産党に異常なる関心を抱いている。若かりし頃「毛沢東思想」に傾倒したからではない。我が民族、我が国家を考えるとき、2000年前から「中国歴代王朝」の動向は我が国の経済・社会に重大な影響を及ぼした。我が民族は、常に「心の片隅」で中国歴代王朝を意識してきたといっても過言ではない。

それだけ、中国大陸が我が国に及ぼす影響が大きいといえる。好むと好まざるとに関わらず、日中の地政学的関係が色濃く投影している。

中国歴代王朝にとって我が国は「最大の関心事ではなかった」であろう。20世紀に至るまで、中国を支配したことはなかったからだ。中国歴代王朝の最大の関心事は北方又は西方騎馬民族の動向であった。いつ武力で征服されるか分かったものではないからだ。中国4000年の約半分は異民族が樹立した王朝であった。

中国歴代王朝は我が国を「東夷の野蛮人」とみなしながら、微妙なる関心を抱いた。中国の歴史書で「倭人伝」を書き遺した所以である。現代中国人も「血の底まで日本人を憎んでいる」反面、微妙なる関心を抱いている面もある。

中国国内で「今度、生まれ変わる時は、どの国で生まれたいか?」というアンケートを実施したところ、第1位が香港、第2位がシンガポール、第3位が日本であったという。そして、「中国では生まれたくない」が60%を超えていた。我が祖国、我が生まれ育った故郷で生まれたくない人間が60%を超えるというのは、13億中国人民のおかれた現実がいかに苛酷であるかを示している。

筆者は中国共産党の腐敗した官僚の悪行に怒り立ちあがっている13億人民の姿を見ると「哀しい気分」になる。同時に、一人の被害者のために身命を賭して抗議に参加している彼らの姿に励まされる。中国の人民大衆には「人間の暖かい心が残っている」と感じ安堵する。

一衣帯水の隣国住民が、共産党官僚のような強欲な人間だけであれば息がつまる。北東アジアの住民が心安らかに暮らせるよう、中国共産党と朝鮮労働党が一日も早く崩壊することを願う。そして、民主中国、民主朝鮮が立ちあがり、名実共に平和で豊かな北東アジアが生まれることを期待したい。

白髪爺 at 21:39│Comments(4) 

 

この記事へのコメント

1. Posted by sh 2009年06月28日 22:04
民族性は簡単には変らない。支那が民主化しようが、汚らしい民族性は残る。日本は支那、朝鮮とは付き合わないのがベストである。
2. Posted by 白髪爺 2009年06月29日 08:53
そうですね。
心情的には理解できますが、相手が気に入らない性格の持ち主であるからと「交際を断つ」ならば、世間は次第に狭くなるのではないでしょうか。
玉石混交の世界においては、優劣の格差をつけて「それなりにつき合う」是々非々外交が好ましいのではないでしょうか。
もっとも、我が日本民族の体質として「潔癖症」の傾向がありますから、薬を調合して使い分けるのは苦手であろうと思います。
基本的スタンスとして「全方位・柔軟外交」を志向すべきかと思います。
反日の中韓の顔を見たくない」との感情をコントロールして、大人の日本に成長すべきではないかと考えます。
3. Posted by †黒狐 2009年06月29日 23:43
5こんばんは。今回の記事も、中国の現状と近代史が詳細に語られていて物凄い勉強になりました。白髪爺さんは本当に博識ですね。あと、文章がカッコイイ。僕は国際情勢とか殆ど知識がないんで、こんな風に熱く語れる人が羨ましいですw

 学びて思わざれば則ち罔し、
 思いて学ばざれば則ち殆うし。

これからも精一杯、勉強させてもらいます!

中国共産党ですか…。広すぎる領土と多すぎる人口を束ねるには、生半可な組織では無理なんでしょうか。武力で脅し、思想を統制し、自由を制限せねば、たちまち混沌と無秩序の戦国時代?

これまでは圧倒的な権力の前に中国人民は無力でしたが、ネットの普及によって多くの情報を共有し、結束と団体行動により、政府にも対抗できる事を知ったみたいですね。

感情的には応援したい気もするんですが…。
こうした中国社会の変容は、我が国にとって有害な物にならないでしょうか?
中共の一党独裁が終焉し、真に民主的な中国が成立する過程において、内戦や暴動、兵器や核の拡散や使用、周辺国への難民流入など、様々な弊害がイメージされますが…。

特に民族問題は、最も深い軋轢を生むのではないでしょうか。民主的な政府を作る場合、全ての民族から代表を選んで運営したとしても、人口の9割を占める漢民族主導の政府なら、今と殆ど変わらない気もします。
もしくは小国に分裂とか? その場合は、領土の分割が問題になりそうです。そういえば、最近の全人代の映像を見ると必ず何人か、少数民族の派手な衣装を着た女性の代表が写っていますが、彼女らは自民族の為に、会議の席上で何か発言しているんでしょうか?

疑問は尽きませんが、そうした「中共の崩壊後」についても今後の記事で触れられる事を期待したいと思います。それでは、これからも頑張って下さい!
4. Posted by 白髪爺 2009年06月30日 09:03
共産党北京政府が崩壊すれば、御指摘のような群雄割拠の混乱が生じ、大量の難民が生まれ、核兵器の管理がルーズになり、いくつかの国家に分裂する可能性が高いのでしょうね。ソビエト連邦が崩壊したような事態が発生するのではないでしょうか。これが歴史的必然であれば、周辺諸国としてはこれを前提にして対策を講じるべきかと思います
少数民族を大事にしているかの如きパフォーマンスを演出する北京政府は、北京五輪でも漢族の少女に少数民族の衣装を着せて行進させました。全人代の代表も「当局御用達の人材を選んで参加させている」のですから、少数民族が自ら選んだ代表とみなすことはできないと思います。
法輪功は目下「非暴力による中国の民主化」という考えで戦っているようですから、インドのガンジー革命のように、流血を最小限に抑えることができるかもしれませんね。
問題は、肥大化した軍を如何にコントロールするかということではないでしょうか。中国大乱に乗じて「軍事独裁政権」が樹立される可能性が高いだけに、国家・国民の軍に再生し直すのも、容易ではない作業かと思います。
三国志の昔から、中国の問題は波乱万丈、尽きることがない知の宝庫ですね。