今日新聞を読んでいたら、
勝間和代さんのコラムの
人生を変える『法則』に
「相手の行為が単なる愚かさで説明できるのであれば、必要以上に悪意を想定しようとしてはいけない」ということを現した定理-「ハンロンの剃刀」があるそうです。
この『法則』によると
「不満が生じたり、トラブルに遭った時、相手の態度が本当に悪意に基づくものか、純粋に無知や愚かさによるものか一瞬待ってから判断する癖がつくようになる。
そして悪意によるものはたいへん少なく、ほとんどは知識不足とか専門外ともいえる愚かさによることが多い。」
勝間さんのような才女でも、これを知ってさまざまな怒りを静めるのに役立てているとのこと、まして凡人の我が身をや。
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この記事を読んで、何年か前のことを思い出しました。
わたしが、がんの手術をしたことを知っている、二人の女性から次のように言われました。
女性A「がんって、俗によく5年たてば大丈夫といわれるけれど、10年たっても再発することがあるのでしょう?」
女性B「がんという病気は、100パーセント再発しないとはいえないのでしょう?」
「まあ、そうですね」と答えたものの、わたしの胸中は複雑でした。
確かに、10年たっても再発する人は、割合は少なくてもいるかもしれないし、がんになった以上、100パーセント再発しないとはいえない。
二人とも、みじんも悪意を持っていないことは良く分かっていました。
がんという病に対しての意見を言っただけです。
でも相手を選んでもらいたい。
常に再発を恐れを抱きながら生きているがん患者には、むごい言葉です。
お二人とも50代のわたしより、かなり歳上で人生経験は豊富なはずなのに、これまでがんで苦しんだことがないと、がん患者にこんなことが言えてしまうのに驚きました。
悪意がないだけに、いっそう残酷であることに気付いていないのです。
経験がないというのは、知識がないことに似てしかたがないことかもしれません。
勝間さんは、ある政治家の言動をひいてこのコラムを書いていたのですが、わたしは政治とは全く次元のちがう自分のささやかな体験を思い出したのでした。
そして、そのときの怒りとも嘆きともつかない心のゆれを、この『法則』で少しは静められたのです。
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