雀のつぶやき

2006年に卵巣がんになった“すかんぽ”雀のつぶやきです。
これまでのあれこれと今をつづります。

3ヶ月外来 2011年8月

2011年08月11日 | 通院外来
心配していた甲状腺の検査結果は、シロでした。
親兄弟には、がん患者がいない環境で、ただ1人がん患者となった自分としては、この運の良さは信じがたいものでした。
甲状腺に関して、母の遺伝を受け継いだ妹にはすまないけれど…
近所の内科で調べた血液検査の内容を見ると、確かにこれまで自身では確認したことのないモノばかりでした。
以下、検査項目
・TSH 
・FT3
・FT4
・抗サイログロブリン抗体

卵巣がんの定期外来の前の日は、夕食後に胃がムカムカして、2,3時間苦しみました。
百草丸を飲んでも治まらないので、夫に頼んで胃の上に手を当てて一緒に祈ってもらいました。
すると間もなく、吐き気をもよおして吐いたら、不消化のゴーヤーが出て来ました。
この日の夕食のおかずは、ゴーヤーチャンプルー、サンマの蒲焼き、あと酢の物など。
サンマは、いつもではないけど時によって消化が悪いことがあります。
まぁわたしの場合は、ですがね。
5年前の抗がん剤の入院中に、サンマを吐いたことを思い出しました。
けど今回は、サンマでなく、ゴーヤーでした。
しかもとれたての自家製のゴーヤーだったのに。
この後、数回吐いて治まりました。
他の家族は何ともなかったので、翌日に病院へ行くという心配が、胃の動きを弱らせたのでしょうか?
こんなでは明日の外来の予定は中止しようか、高温注意報も出ていることだし…と迷いました。

と、ここまでが前置きです。
ずいぶん長い前置きでした。

***

当日は迷ったけど、やはり予約通りに行きました。
病棟に着いた時
「いつも採血をする中央処置室がない!」とあわてて受付の人に聞いたら
「もう1階、下です」と言われました。
ひとえに睡眠不足と暑さのせいでしょうか?

主治医に
「何か変わったことはなかった?」といつものように聞かれたので、甲状腺の結果を書いた紙を見せました。
そしたら、主治医の曰く
「異常はないようだけど、なぜ、この検査をしたの?」

わたしは心の中で
「だから、それは、前回も言ったように母と妹に甲状腺障害があるためです。
もしわたしに障害があると、造影剤を使ったCTは良くない、とセンセ、アナタが言ったから、いやだったけど検査をしてきたんですよ。
センセ、忘れちゃったんですか?」

と心の中で大きく叫んだのでした。
現実には、おとなしく、いや普通に
「遺伝的に心配があったからです。」と言いました。

主治医のた~くさんの受け持ち患者の人数を思えば、わたしのことなど忘れてしまうのが当たり前。
この日の結果は異常なく、この後、造影CTと3ヶ月後の外来の予約をして、診察室を後にしました。

この日、中待合で診察を待っている時、隣に座った女性から話しかけられました。
「お宅も子宮とか、どこか悪いんですか?
実は、うちの娘が検診にひっかかってしまって。
小学生のこどもがいるんですがね。
今、結果を聞きに診察室に行ってるんですよ」
いつも中待合で待っている時は、隣人とは話さないことが多いけど、この時は過去の自分を思い出して、この女性の不安な気持ちが分かるような気がしました。
それで、わたし自身のことを話しました。
この7月で、がんの手術をして満5年になること
がんと分かった時は、生きて5年を迎えられるとは思っていなかったこと
抗がん剤のため、脱毛したけど、ちゃんと髪の毛が生えてきたこと

すると、この人は涙を浮かべて
「5年もたったら、大丈夫ですよ。
生きているからは、使命があるんですよ」

そのうち娘さんが診察室から出て来て、その結果がどうだったかは、他の患者さんの様子で分かりました。
待合室の女性が一斉に娘さんの方を見たからです。
それからこの母娘は小声で何か話し合ってから、笑顔で帰って行きました。
わたしのような者の体験でも、がんの宣告を受けた人を励ますことが出来たのだとしたら嬉しい。

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