ミーハーおかんの甘辛雑記

主に芝居、映画、TV、雑誌の感想で、
それも気に入りの方中心です。

D-BOYS STAGE Vol.3 鴉 10

2009-11-01 22:53:55 | 舞台
今日、大阪公演も終えたので、感想アップ。(どうしてもネタバレ入っちゃうので)


東京公演を、都合5回観ました。

正直、チケット取れた後で、少々行きすぎかな、と反省もあったのですが、
損をしたとは思えませんでした。

04も一度観ているので、ストーリー展開は分かっていましたが、やはり役者が代われば、演技も変わる。キャラの設定も、演出も変わってくるものですね。
#衣装にはいろいろ疑問もありましたけど


今回、特筆すべきは、中川くん!
元々、彼の演技は好きなのですが、官軍の隊長「大嶽(おおたけ)」を、04とは異なるビジュアルで、異なる内面を持ったと思われる大嶽を、堂々と演じてくれました。
04の加治くんの大嶽が、威風堂々の、ちょっと「体育会系」?という印象だったのに比べ、頭脳派っぽい印象を受けました。
何より、演技が安定していたし。特に声!最後まで枯れることなく、誰よりものびるよい声で。

思わず、中川くんの個人ブロマイド買っちゃったし(笑)


遠藤くんは、演技が安定していることがデフォルトのようになっちゃって、特筆すべきところがあんまりないのが残念ですが、
ちょっとお茶目な隊長でした。
あと、殺陣が、素晴らしかった。1回、D-BOYSのファンではない(が、わたしの影響で、昨年のラストゲームは観ている)友人と観たのですが、「遠藤くんが、一番動きがきれい」という評価でした。

荒木くんの寅吉は、五十嵐くんとは違いすぎて、何といっていいのかと、悩みましたが、いわゆる「かぶきもの」ということで理解することにしました。

和田くんの吾郎は、動きが入った分、コメディ役も十分に果たせていたように思います。
特に、「ソーラン節」のシーンは、反則だろうと突っ込みたくなる演技(演出)で。

三上くんの副隊長は、品行方正な感じでしたね。
非常にインテリっぽい副隊長だったので、「下級武士」で「殿様になる!」と言っている隊長・細谷に、なぜこの副隊長がついて行ったのか、疑問になってしまいがち。
まあ、自分にない部分を求める、ということなのかもしれませんが。


瀬戸くんは、非常に器用だなぁ、と思いました。
何かの雑誌のインタビューで「演技で悩んだことがない」という意味のコメントを読みましたが、気負いも気張りもなく、という印象です。


牧田くんは、ふつーにカッコよくて。
04では山田くんが演じた役ですが、一番「似ている」キャラでした。


で、「農民兄弟」。


うーん・・・ずいぶんと綺麗な農民だこと(笑)

というのは、やくざもきこりも同様なのですが。

優一は、思いっきり気合いが入っているのを感じてしまいました。
まあ、今回の太一は、気合い入りすぎなキャラのようですが。
04の柳下くんの太一が、どこか悲壮な感じだったのに比べ、あっけらかんと明るい印象が強かったです。
でも、乾と対峙する場面とか、表情、声、いろいろ変えていて、しっかり演技できているな、と思えました。
(親心←別に親じゃないですけど、で、甘く見ている部分はあります)

碓井くんとのやりとりとか、本当に息が合っていて、よかったです。

碓井くんの役も、04と近かったかな。
むしろ半兵衛より近いのかもしれませんね。
宗二は、話の一つの軸なので、あんまりぶれると困るし、ってとこでしょうか。


以上、各キャストについて。

以下、お話と演出について。個人的な感想と解釈。


04を観た時点で、かなり「説明不足」な展開だな、とは感じていました。
で、10で演出と一部台詞を変えたことで、ますます分かりにくくなった部分もあるように感じました。

細谷に関しては、04は少々「いい人(なのかもしれない)」印象が強く、自己中心的に隊を起こしたというエゴイスト的な部分が見えにくくなっていたと思います。
10も、台詞上は特に変わりがなかったのですが、そこは遠藤くんの方が、少々「いやらしく」表現してくれていたようです。

そんな細谷の心が変化する過程がよくわからなかったのですが、今回、太一の臨終シーンで、それが少し分かりました。
太一が「みんな大好きだ」と、各人の名前を挙げて語るのですが、その言葉を聞いた細谷が顔を蒼白にして(と見えました)、後ずさり、そして太一に背中を向けるんです。
その直前まで、太一を医者に診せようともしていなかったんですよ。(太一を医者に診せに行くと、連れていく隊員分、人手が減るから、ってことで)
太一が純粋に自分を信じているってことに心動かされた、ってのが一つあるのかな。
だから「太一の敵を討つ」という言葉になって、「二人ひと組で」「信頼して」という言葉が出るようになったのではと思いました。

その太一は、04の時は、あくまで「弟や妹たちのために」という印象が強かったのですが(だったら、なぜ宗二を連れていった、という疑問も生じ)、
10の場合、とにかく「自分が侍になりたい!」という思いで突き進んでいたようです。
そのことは、太一の間際の台詞「初めて自分のための夢をみた。楽しかったぁ」というところに集約されているのではないでしょうか。
太一が、村で農作に励んでいた頃を知る宗二にとって、夢を観て突き進む太一は理解できなかったのかも。だから「本気なのけ?」と訊く。

侍になる、という夢に進むために(もちろん、兄弟仲よく暮らすこともできるし、という部分はあり)、一生懸命だった太一は、その夢を否定するような乾の台詞に反発する。
自分だって、侍になれるんだ!なれるはずだ!という思いで、それを実証したくて、乾の刀を取り返しに行く。
そんな風にも見えました。

他のキャラ周辺のストーリーは、特に疑問を多く抱くこともなかったので、よしとしましょう。



で、来年のステージについて、公式サイトに少々案内が出ましたが、

シアターサンモール とか

紀伊国屋ホール とか

またえらく規模を縮小したな、という印象。

確かに、実力的には、その辺の劇場の方が合っていると思いますが。声もマイクなしで届く距離だし。

しかし、サンモールの規模で、新規FC好評受付をやられたら、チケットほとんど撮れないんじゃないかと、はらはらです。
まだ、詳細何にもわからないけど、個人的にラサールさんの作品なら、観たいし。

ねぇ。

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