〈私〉はどこにいるか?

私たちは宇宙にいる――それこそがほんとうの「リアル」のはずである。この世界には意味も秩序も希望もあるのだ。

ポジティブシンキングとコスモロジー心理学(転載)

2017-12-08 | サングラハ教育・心理研究所関係
 岡野守也氏のブログから以下、転載する。

 ポジティヴシンキングというと世間的には若干怪しげだが、しかし多くの人にとって興味津々の分野でもある。私もぜひ使いこなせるようになりたいと思う。それ以上の人生の財産があるだろうか。

 その「怪しげ」の部分は、記事にあるように、科学主義化し主客分離が自明と思っている私たちにとって、「潜在意識」だの「波動」だの「引き寄せ」だのの科学的根拠が不明で、要するに「なんかオカルトなんじゃないか」というところにある。
 実際、積極的思考の大家というピールもまた、キリスト教信仰の人なのである。私たちが人生でしばしば経験するように、信じられる人は実際強い。

 その「怪しさ」という点をクリアするという、現代科学にもとづくコスモロジーの主客融合的認識については、ぜひ岡野氏が全面公開という感じで体系的に書いておられるブログ過去記事をご覧いただきたいと思う。

 積極的思考という心構えが人生をよりプラスにきり開くという点までは、常識的にも納得できる。
 さらに一歩進んで、私たちが宇宙として一体でありつながっているのであれば、積極的思考が現実を変えることもありうるだろう。

 頭から否定するのは科学的態度と似て非なる科学主義にすぎない。内面的現象もまた、実験し、結果を判定し、共有するというのが、真に科学的な態度だと思われる。


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 ひさしぶりに、アメリカのポジティブシンキングの元祖の一人であるノーマン・ヴィンセント・ピールの本を読んでいます。

 今、国の内外とも、現象だけをしかもある角度だけから見ていると悲観的・否定的になってもしかたのないような状態にあるので、ここでものごとのポジティブな見方を再確認―復習しておくといいと思ったからです。

 例えば『積極的考え方の原理』(ダイヤモンド社、残念ながら品切れ中)の冒頭で、ピールは次のように述べていました。


 人間には、自分が想像し、心に描くような人物になる傾向が強い。また、われわれには、自分を高く評価するか、さもなくば卑下するという傾向がある。だから、自らの可能性に制限をつけるか、あるいは無限に成長するか、これは自分が決めることになるのである。

 消極的考え方の人は、最後には自分で自分をダメにしてしまう。いつも消極的に考えてばかりいるから、自分の回りの世界を開拓する上でも、どうしても消極的になってしまう。引力の法則というものがあって、似た者同士が引っ張り合うのだ。類は友を呼ぶということわざもある。同じ考え方をする人が自然に集まるのである。消極的考え方の人はマイナスの考えを送り出すものだから、マイナスの結果しか戻ってこない。これは絶対不変の心の法則である

 逆に積極的考え方の人は、希望、楽観主義、創造性という生きいきした心のイメージとともに積極的な考え方を送り出す。そのため、自分の回りを積極的に、そして力強く開拓し、プラスの結果を引きつけてしまう。これもまた、心の働きの基本的な法則である。

 しかし、消極的考え方の人も、これまで持ち続けてきた消極的考え方を改めることによって、劇的に生まれ変わることができる。有名な哲学者で心理学者のウィリアム・ジェイムズがいっているように、「現代の最大の発見は、人間はその心の持ち方を変えることによって人生を変えることができるということ」なのである。

 積極的原理とは、精神を入れ替えることによって、自己制約の考え方から自己改善の考え方へ、墜落から成長へ、失敗から成功へと変わっていく生きいきとした精神活動のプロセスのことである。……

 積極的考え方の人は、困難を直視する。たじろがず、逃げ出さない。……積極的考え方の人は、どんな困難にも、それ自体に解決の糸口があること知っている。かれはまた、神の助けによって、さらに彼自身に固有の力を発揮することによって、いかなる問題をも処理し、解決することができることを知っている。……積極的考えの人は、困難にであっても、感情に走ることがない。興奮したり、感情が高ぶっているときは、人間の頭脳はベストの働きをしないことを知っているからである。積極的考え方の人は、頭が冷たいぐらいにひえており、また心のコントロールが強い時にだけ、感情的でなく、合理的で知的な考え方を生み出し、それによって健全で実行可能な解決策への道を進むことができることを知っている。……

 もちろんバランスを保つためには、消極性も必要であるというのも、真実である。自然の構造の中にも、正反対のものがある。そして、考え方の世界では、消極性は二者択一の考えの中で重要な働きをするものだ。がしかし、それが考え方の主流を占めると、バランスが崩れて 消極性が前面に出てくるようになる。

 消極的原理には否定しかない。積極的原理は創造する。消極的原理は懐疑を生む。積極的原理は信頼を生む。消極的原理は敗北を認める。積極的原理は勝利を目指して前進する。


 なかなか元気の出てくる言葉です。

 ただピールは、ニューソートと呼ばれるキリスト教の一派の牧師であり、神の存在と神への信仰を前提あるいは根拠にしてあらゆる問題にポジティブに対処しうる方法を語っているため、科学主義的無神論が染みついた現代の日本人にはそのまま受け入れるのが難しいからか、最近はあまり読まれなくなったようで、かつてはかなりの数があった翻訳本のうち、主著の『積極的考え方の力』(ダイヤモンド社)以外は品切または絶版になっているようです。

 しかし読み返しながら、「神」という言葉を「(物質的外面だけでなく精神的内面も含んだ全体としての)宇宙」と読み換えれば、そのまま今の日本人にもきわめて有効なものだと思いました。

 もっとも「宇宙」が物質的外面だけで出来ているという近代科学主義的な宇宙観・コスモロジーで教育=洗脳されてきた戦後の日本人が、ポジティブシンキングを本格的に活かすためには、現代科学の宇宙観・コスモロジーの、しかも主客融合的解釈を身に付けなおすというもうひと手間が必要かもしれません。

 コスモロジー心理学は、現代科学のコスモロジーの主客融合的解釈によって、心を癒し成長させることができるだけでなく、またポジティブシンキングを本格的に有効活用するベースになる考え方でもあるな、と改めて感じています。

 実際にどういうふうに活用すればいいか、そのうち実例も書きたいと思っていますので、ご期待ください。

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