私がに実際に教育する立場になって、本当に伝えたい物がはっきりと浮き彫りになった事は、受験生を扱うという特殊な立場に立ってからだと思う。
美大芸大の受験は各分野においての技術的な向上、いかにそれらの大学に入るかのノウハウなのだろうと思う。しかしこうして教育者の立場になってみると、これだけでは伝えきれない物も沢山有るのだ。
そもそも美大芸大に入る理由は何か?技術的な事を学ぶ?絵を描くテクニック的な物は予備校時代にほとんどの事を身につけ、後はそれに付随してくる素材の扱いなのでほとんどの事は済まされてしまう。少なくともそこにいる先生方はプロの作家であり、その作家の姿をまじかに見る事が出来る。その中から学び取る姿勢こそが一番大切な事のような気がする。
大学に入れば楽しく、その中にいるだけで居心地がよくつい流されがちになってしまう。勿論その中で十分にキャンパスライフを楽しむ事は良い事だと思うのだが、そこにいる教授や先輩の姿を確りと見て来なくてはならない。
私は大学の教授ではないので、そこまで素晴らしい物を持ち合わせている訳ではないのだが、少なくとも物を作る姿勢やこの世界で生き抜く厳しさは伝える事が出来る。そして人との出会いの大切さや人に愛される事の重要さは作家として生きる以前に最も大切な事でも有る。これらの事を少しでも伝える事が出来れば良いと思っている。
日記彫 NO,98
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます