このところ、ずい分、食が細くなっていたサクラニャン。
3,4日前には胃の中にわずかに残った食べ物を大量の液と一緒に吐き、血の混じった下痢便を少量しました。
病院で新しく貰った肝臓のサプリメントを砕いてフードに混ぜ食べさせたり、無理に口を開け飲ませようとしたのですが、それを嫌って吐いたのがきっかけです。
それ以後、水以外は何にも受け付けず身動きもしなくなりました。
呼吸も小さくゆっくりしています。
それでも、トイレにはヨロヨロと行くのですが、(フードを取り除けた)トイレの周りに敷いた新聞紙の上で排尿してしまいます。
お腹はえぐれたようにペタンコ。
骨格が透けて見える手足の毛はさらに疎らになって、ピンクの皮膚があらわになってきました。
うつうつ、まどろんでは、時にあの吸い込まれそうな水色の目を薄っすら開けて遠くを見つめるのです。
夜中に様子を見に行くと、冷たくなった背に息を呑み、小さな顔に頬を寄せると微かに生きている気配。
手の平をしばらくサクラニャンの骨ばった背に置いて温もりを与え、バスタオルを上から掛けるのでしたが、物を掛けられるのは嫌いだったからどうでしょうね。
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そして、昨日の午後、ウエットフードをお湯で薄く溶いたのを横たわっているサクラニャンの鼻先に持っていくと、鼻を僅かにヒクヒクさせると少量ですが、ピチャピチャと舐めるのです。
もう、ずっと前から弱ってきていましたから、このまま、そっとしておいてあげようと想っていた私ですが、希望が蘇ってきて休み明けのいつもの動物病院に連れて行って、栄養剤でも打ってもらおうか。なんて強い思いが湧いてきました。
しかし、この寒空、木の葉のように軽くなって、壊れそうなサクラニャンを、たとえ二人係でも連れて行けるかな?
検診の時でさえ泣き続けたサクラニャンにとって、車で20分はかかる道中のストレスはいかばかりだろう。
それに、消えそうな息使いの中、まどろんでいる今、ちっとも苦しそうではない。
この世との永遠の別れをする時、ベリーもにゃーも、母や妹もその苦しみ方に看る者は耐えられない辛さを味わい、病院に連れて行くか否かを苦しいほど迷ったものですが。
母などは全く今のサクラニャンに似た状態でした。
入院などさせず、あのまま家のベッドで過ごしていたら、あのように辛い一ヶ月は経験しなくて良かったのではないかと、今も強い後悔に苛まれます。
サクラニャンも病院に行って、栄養剤でも注射してもらったら、いくらかは元気になるかも知れないけど、それも長くは続かないだろう。
等など、思いつくことは堂々巡りして胸が苦しくなります。
そして訊ねるのです。
「なあ、サクラニャン。
あんた、どうして欲しいの?」
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夜診の始まる5時過ぎ決めました。
このままにしておこうと。
夜9時過ぎ、また、しゃぶしゃぶのフードを鼻先に持って行きました。
すると、ぺチャぺチャと僅かですが舐めます。
そしてまた、ウトウト寝入ります。
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安らかな日が一日でも長くつづきますように・・・