江戸時代の「草双紙」と呼ばれる絵本に登場する化け物たちは、その頃の人たちにとって
恐ろしいとか神秘的というよりも、日常生活に密着した身近なものだったようです。
たとえば、所帯道具のお化けとかろくろ首、猫又、キツネやタヌキ、ももんがー、
大頭小僧、尼入道、海坊主、逆おんな、などなど。
怖さは「ゲゲゲの鬼太郎」と平安時代の怨霊の中間くらい(^_^;)
絵には説明文があちこちに挿入されていますが、その字は「崩し字」と言われひどく
読みづらいものです。
字は平安期のものと比べると、かなりルール化されているようですが・・・
そうなると、「源氏物語」などは夢のまた夢。
「近松」も読めるようになるということですが、私は草双紙で十分です(*_*;
実は物好きな人がいて、あるマクドナルドの店で百円コーヒーを注文した後、3階に集まると
「崩し字」の講義をうけられるのです。
小さな元本から拡大した教材をプリント代のみ支払って受け取ります。
彼女の意図がどの辺にあるのか今一理解していませんが、何だか面白そう(^^♪
千年の結び目ほどく薪能
嵐山の桜は、八重桜と我が家の枝垂れ桜を除いて、ほぼ散ってしまいました。
でも、一週間前は京都中が満開だったのです。
そんな中、恒例の平安神宮「紅枝垂れコンサート」に行ってまいりました。
そぼ降る雨の宵、ぬかるみに足をとられ、傘を絡ませながら「そうじろう」のオカリナを聞きました。
あんなに人を入れなければ、情緒豊かな気分に浸れて良かったものをと思います。
人と、傘の隙間からなんとかシャッターを切ったのですが写っていたのが不思議。
ライトアップされた夥しい桜はとても豪勢でした。
コンサート前にデパートで時間つぶしをしました。
エントランス付近で「中原純一」ブランドが服や小物を展示していました。
「それいゆ」の世界です
シンプルで愛らしい服は恐ろしく高価でした
薄グレイ地に小花を刺繍した日傘をつい衝動買いしてしまった私
「招待券があるので、歌舞伎を観に行かないか?」
と南座に誘われました。
出雲阿国が4百年も前、四条河原で始めた「かぶき」
その発祥の地に、多くの芝居小屋が淘汰された後も、南座は江戸時代から興行を続けています。
かつては、近くに北座・西座なんかもあったそうです。
出し物は、「弁天娘女男白波」・・・尾上松也の弁天小僧
「闇梅百物語」・・・中村種之助 その他
若手役者ばかりですが、中でも人気は美形の松也。
浜松屋の店先から稲瀬川での五人男の見栄までを、桜色の明るい舞台が惹きつけます。
そして大向うの「成駒谷!」 「音羽屋!」
ストーリーなど全く陳腐で面白くもなんともないけど、ただただ「綺麗やな~」
これで良いのです。
舞台上手の「つけ打ち」。
薄暗い隅に夜鷹のようにうずくまり、物語の要所要所でキレのいい大きな音を出すアレです。
唄や三味線にも増して舞台を盛り上げます。
30分の休憩時間には、エコノミー症候群予防のため売店へ。
芸者さんや外国人が沢山詰めかけていました。
独特の雰囲気にしばし浸ります。
古くからの町家では年末の顔見世に行くための着物を、今から用意しだすと言います。
数時間の観劇のためにです。
義父も毎年顔見世にいっていたそうです。
宝塚の男役が男性より男らしいと言われるように、歌舞伎の女役は女性より女らしいのです。
宝塚と違って、歌舞伎の世界は血のつながりが濃く、ややこしいのですが、そういったことも含めて
歌舞伎の華やかさ、非日常性を愛する人たちがいるのですね。
雪国では樹木が雪の重みで折れないようにと「雪吊り」をしますが、瑞龍寺からJR高岡駅への道中、何軒かにそれを見ることが出来ました。
兼六園のそれは石川県の財政を揺るがすかも。
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駅に荷物を預けて土蔵造りの街、「山町」へ直行。
「山町」とは「高岡御車山」(5月1日の祭りに町内を引き回される)7基を保存・継承する地域だとか。
土蔵造りは明治33年の高岡の大火の後、火災に強いとされて取り入れられたものだそうです。
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こちらは呉服屋さん。
京都が本店で、商品は全て京都から仕入れているのだそうです。
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土蔵造りとあってどの建物も重厚なイメージでした。
富山銀行本店。
京都にも明治時代のレンガ造りの建物は沢山ありますが、この建物は緑青に赤レンガがマッチしてとても綺麗でした。
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この後、高岡駅に戻りました。
沢山歩いたので、列車の中の転寝がなんとも心地良いものでした。(^^♪
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[今日の居候猫]
・ 2,3分もあれば他の子は完食というのに、チェリニャンはチビリ・チビリと3~4時間もかかって食べます。
半分も食べないで寝に行って仕舞うこともあるのです。
ロイヤルカナンの特別療養食のカリカリと、薬を混ぜたヒルズの療養缶詰を半々に与えます。
調子に乗って一挙に食べると吐いてしまいます。
にょろ~っと。
それを想ってか、チョットづつ食べるのでしょう。
ところが食卓を離れている間に、くいしんぼーのカリニャンが平らげてしまうことがあるので、留守の間はたんびにフード皿を仕舞うわけです。
ハイ、わたくしが・・・。
この子に食べさせるためどれほどの苦労と出費があることか(涙)
と、まあ、ちょっと愚痴がでました^_^;
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先日、北陸の高岡市を訪れた折り瑞龍寺(国宝)に立ち寄りました。
加賀二代藩主前田利長公の菩提を弔うため三代藩主都利常公によって建立された禅寺です。
当時、周囲に壕をめぐらし城郭の風情があったのでした。
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梅鉢の紋が浮く 総門(重要文化財)を抜けると
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山門(国宝)
左右に金剛力士像、楼上には釈迦如来、十六羅漢が祭られています。
総桧造り、屋根は鉛で葺かれた仏殿(国宝)を回廊が取り囲んでいます。
総ヒノキ造り
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火災にも見舞われましたが、その都度立て直されてきました。
静かで簡素な中に重厚な雰囲気が満ちたお寺でした。
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参道に沿って数件の飲食店がならんでいます。
そのうちの一軒で食べた「氷見うどん」は想像通りの美味しさでしたが、従業員の「いらっしゃいませ。よくお越しくださいました」の丁寧な挨拶に美味しさはより増したのでした(^^♪