財務管理の基本知識について、体系的に記述していきます。
内容が古いなと感じたら、現在の財務管理の内容と照らし合わせながら見ていただくと、より理解いただけるかと思います。
予算管理:予算編成のスタイル
予算編成には、積み上げ方式(ボトム・アップ方式)、天下り方式(トップ・ダウン方式)、折衷方式の3つのスタイルがある。
①積み上げ方式(ボトム・アップ方式)
各部門に予算編成上の必要な権限を委譲し、各部門から提出された部門予算を積み上げたうえで総合予算を編成する方式である。部門の参加意識が高まり、協力を得やすいという長所があるが、部門予算案の調整に手間がかかりすぎたり、トップの意思が部門予算案に十分に反映されないという短所もある。
②天下り方式(トップ・ダウン方式)
トップ・マネジメントが総合予算はもちろん、部門予算の細目を決定し、実質的には各部門にはその執行を要請するだけという編成方式。トップの意思が部門予算案に反映されやすいという長所があるが、部門に押し付け感を与え、予算執行段階で各部門の協力を得ることが難しくなるという短所もある。
③折衷方式
積み上げ方式、天下り方式両者の方式を取り入れたもので、トップがあらかじめ予算編成方針を明瞭に文書化しておいて、各部門はその方針に従って、その枠内で部門予算案を作成するという手順を踏む。両者の端緒を補い、長所を取り入れたもので、現実的な方法であり、多くの企業で採用されている。
つづく